産地中小企業対策臨時措置法案
参議院 商工委員会
昭和54年法律第53号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S54.5.29趣旨説明・質疑商工委員会 16183
- S54.5.30質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案商工委員会 17227
- S54.5.31委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 3032
参議院商工委員会
- S54.5.31衆議院修正部分趣旨説明・趣旨説明・補足説明・派遣委員報告商工委員会 10241
- S54.6.5質疑・附帯決議・採決商工委員会 11242
- S54.6.6附帯決議・委員長報告・採決本会議 1733
提案理由
江崎真澄 通商産業大臣 昭和54年5月29日産地中小企業対策臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
御案内のとおり、最近における経済情勢は、全体としては景気回復の足取りを強めておりますものの、今般の円相場の高騰により、大きな影響を受けている輸出関連等の特定の産地におきましては、産地中小企業の事業活動に支障を生じており、このまま放置した場合には、将来多くの産地中小企業が疲弊し、これに伴う経済社会問題が発生するという事態が憂慮される状況であります。
政府といたしましては、これまで、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法を中心とした金融、税制上の措置等の、緊急かつ総合的な対策を進めることにより、円高関連中小企業の経営と雇用の安定を図ってきたところでありますが、さらに、近時これらの産地中小企業において、中長期的な展望を踏まえて、その創造力と適応力をもって事業の合理化を計画的かつ速やかに進めようとする意欲が盛り上がりつつあることに呼応して、中小企業信用保険法の特例その他の措置を講ずることにより、産地中小企業のこのような自助努力を助長し、これらの産地中小企業の新たな経済的環境への適応を促進するため、本法案を立案したものであります。その概要は、次のとおりであります。
まず、本法案の目的は、特定の業種に属する事業を特定の産地において行う中小企業者が、円相場の高騰その他の最近における経済的事情の著しい変化に対処して、その事業の合理化を計画的かつ速やかに進めるための措置等を講ずることにより、これらの中小企業者の新たな経済的環境への適応を促進することであります。
次に、本法案においては、第一に、円相場の高騰その他の経済的事情の著しい変化によって大きな影響を受けている中小企業性の業種であって、産地を形成しているものを特定業種として、地域を限って指定することとしています。
第二に、特定業種に属する事業を、その特定業種に係る特定産地において行う中小企業者を構成員とする産地組合は、それぞれ、または関連事業者もしくは関連組合と共同して新商品または新技術の開発、需要の開拓その他、その構成員たる中小企業者の事業の振興に関する事項について振興計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることができることとしています。
第三に、振興計画について承認を受けた産地組合の構成員たる中小企業者等の産地中小企業者は、それぞれ、または共同して新商品または新技術の開発または企業化、需要の開拓、生産の合理化に寄与する設備の設置特定産地内における事業の転換、その他事業の合理化に関する事項について、事業合理化計画を作成し、当該振興計画の承認をした都道府県知事の承認を受けることができることとしています。
第四に、承認を受けた産地組合等及び産地中小企業者に対し、種々の助成措置を講ずることとしております。助成措置の内容は、具体的には、振興事業または合理化事業の実施に必要な資金の確保、中小企業信用保険法の近代化保険制度の適用とその付保限度額の特例の措置を講じ、産地組合等及び産地中小企業者に対する金融の円滑化を図ることとしております。また、産地組合または産地中小企業者の行う振興事業または合理化事業のために、税制上の特例措置を講ずることとしております。
第五に、円相場の高騰その他の経済的事情の変化により、事業活動の縮小等を余儀なくされた産地中小企業の従業者の雇用の安定を図るために必要な措置、職業訓練の実施等に努めるとともに、振興事業または合理化事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行うこととしております。
以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
第87回国会衆議院商工委員会議録第16号1頁(昭和54年5月29日)〔江崎真澄通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、産地中小企業者の新たな経済的環境への適応を促進する見地から、産地の実情に即し弾力的運用に努めるとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一本法の有効期間内にその目的が達成されるよう、産地業種・地域の指定、振興計画と事業合理化計画の策定、計画に基づく事業の実施等の促進を図ること。
二産地が新商品・新技術の開発に円滑に取り組めるよう、国公立試験研究機関の充実と活用を図ること。
三産地中小企業者の合理化事業のための金融が円滑に行われるよう関係機関を指導するほか、中小企業信用補完制度については、実情に応じて中小企業信用保険における付保限度額の引上げ等、速やかに制度の強化拡充に努めること。
政府は、最近の円相場の変動が中小企業者に与えている影響等の実情にかんがみ、その安定化のための諸施策を推進し、さらに構造的不況の長期化、輸入品の急増の影響等中小企業をめぐる厳しい環境に対応した適切な施策を実施するとともに、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一対象業種及び地域の指定については、産地の実情に即してこれを弾力的に行うこと。
二振興計画等の認定及び実施にあたっては、現行制度による施策との有機的な連係・調整を図るよう配慮すること。
三振興計画の策定等にあたっては、特定業種の関連事業者の合理化事業の推進等についても十分配慮するよう指導すること。
四本法による助成制度の内容改善について今後とも検討すること。
五産地の下請中小企業者の保護に遺憾なきを期するため関係法令の厳正な運用に努めること。
六産地組合及び産地中小企業者の振興計画、事業合理化計画の円滑な実施を図るため、産地組合の育成強化をはじめ、必要な指導、助成に努めること。
七新製品、新技術開発推進のための体制整備に努めるとともに、開発成果を産地中小企業者が十分利用できるよう必要な対策を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108701048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。