租税特別措置法の一部を改正する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和55年法律第9号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- S55.2.12趣旨説明・質疑本会議 652
- S55.3.4趣旨説明大蔵委員会 915
- S55.3.5質疑大蔵委員会 10177
- S55.3.7質疑大蔵委員会 11163
- S55.3.12参考人招致大蔵委員会 1299
- S55.3.18質疑大蔵委員会 13117
- S55.3.19質疑大蔵委員会 14375
- S55.3.21質疑・討論・採決・附帯決議大蔵委員会 15154
- S55.3.25委員長報告・採決・附帯決議本会議 1275
参議院大蔵委員会
- S55.3.5趣旨説明・質疑本会議 649
- S55.3.25趣旨説明大蔵委員会 683
- S55.3.26参考人招致大蔵委員会 757
- S55.3.28質疑・討論・採決・附帯決議大蔵委員会 9410
- S55.3.31附帯決議・委員長報告・採決本会議 888
提案理由
竹下登 大蔵大臣 昭和55年2月12日次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
租税特別措置につきましては、最近における社会経済情勢と現下の厳しい財政事情に顧み、税負担の公平確保の見地から、企業関係租税特別措置等について大幅な整理合理化を行うほか、土地税制について、主として大都市における住宅地の供給等の実情に顧み、その基本的枠組みを維持しつつ所要の改正を行うことといたしております。
すなわち、第一に、企業関係の租税特別措置につきましては、適用期限にかかわらず全面的な見直しを行うこととし、まず政策目的の意義の薄れたものや政策効果の期待できなくなったもの等を重点として、十項目を廃止することといたしております。
また、存続する項目につきましては、中小企業対策、農林漁業対策、資源・エネルギー対策及び科学技術の振興等に配慮しつつ、一律に縮減することを基本とし、技術等海外取引に係る所得の特別控除制度については、収入金額に係る控除率及び所得金額に係る控除限度額を二割引き下げ、特定設備等の特別償却制度については償却割合を二割から五割引き下げるとともに、証券取引責任準備金等については積立率を五割引き下げるなど、所得控除制度、特別償却制度及び準備金制度の大半にわたり、その大幅な縮減合理化を行うことといたしております。
さらに、登録免許税の税率軽減措置等について、企業関係の租税特別措置の場合と同様大幅な縮減合理化を行うことといたしております。
第二に、土地、住宅対策に資するための措置であります。
まず、短期譲渡所得の課税の特例について、その適用期限の定めを廃止することといたしております。次に、長期譲渡所得の課税の特例について、円滑な宅地の供給と土地の有効利用を推進する等のため、昭和五十五年一月一日から、譲渡益のうち現行二千万円まで二〇%となっている比例税率部分を四千万円まで引き上げるとともに、四千万円を超え八千万円までの部分については二分の一総合課税とすることとし、八千万円を超える部分については現行の四分の三総合課税方式を維持することとした上、その適用期限の定めを廃止することといたしております。
また、優良宅地等のための長期譲渡所得の課税の特例について、実情に即しその適用対象の要件を緩和するほか、既成市街地等内に中高層耐火共同住宅を建設するための買いかえ等の場合の譲渡の課税の特例を創設する等の措置を講ずることといたしております。
さらに、住宅取得控除について、良質な住宅への住みかえによる居住水準の向上に資するために、その適用対象に一定の既存住宅を取得した場合を加える等、所要の措置を講ずることといたしております。
第三に、少額公債の利子の非課税制度、試験研究費の額が増加した場合の特別税額控除等期限の到来する特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等所要の改正を行うことといたしております。
以上、所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
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所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第91回国会衆議院会議録第6号7頁(昭和55年2月12日)〔竹下登大蔵大臣発言・発言番号28〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
この決議案は、まず、利子配当所得等の総合課税への移行とグリーンカード制度の導入に当たり、新制度の適正な運営を要請するとともに、鰥夫控除の実現を期待するものであります。また、税制及び税務執行の基本であります負担の公平確保、中小所得者に対する所得税負担の軽減、土地政策の適正な運営並びに国税職員の処遇の改善等について政府の十分なる努力を求めるほか、引当金制度、法人税率の引き上げ及び法人税の仕組み、年金課税、脱税に対する除斥期間等について検討を要請するものであります。個々の事項の趣旨につきましては、法案審査の過程において明らかにされておりますので、その説明は案文の朗読によりかえさせていただきます。所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、左記の事項について、所要の措置を講ずべきである。
一利子・配当所得等の総合課税への移行と少額貯蓄等利用者カード制度の創設に当たっては、各種金融資産の取扱いに公平を期するとともに、プライバシー保護の観点から預金者等に無用の不安を与えることがないようその取扱いに十分留意し、適正な運営を行うこと。
一郵便貯金については、その利子の支払が最長十年にわたるという特殊性にかんがみ、新制度移行前においても預金者の本人確認と名寄せを厳正に励行し、他の貯蓄との間にアンバランスが生じないよう配慮すること。
一鰥(かん)夫控除については、委員会における審議経過をふまえて、昭和五十六年度税制改正において実現を図ること。
一退職給与引当金については、累積限度額が実情に即するよう今後さらに検討するとともに、貸倒引当金等については繰入率等につき引き続き見直しを行うこと。
一財政再建の緊急性にかんがみ、昭和五十六年度においては中小法人の税負担を考慮しつつ法人税率の引上げを検討すること。なお、法人税の基本的仕組みについては、早急に検討を加えてその結論を得るよう努めること。
一社会福祉充実の見地から、年金に関する課税の合理化を検討すること。
一宅地の円滑な供給の確保との地価の安定に資するため、今回の土地税制の改正と併行して用途地域の見直しを含む土地政策の適正な運営を図ること。
一所得・物価水準の推移等に即応し、中小所得者を中心とする所得税負担の軽減合理化(配偶者控除の適用要件である配偶者の所得限度の引上げ、白色申告者の専従者控除の引上げ等を含む。)に努めること。
一医療費控除、雑損控除については、実情に即し適切な配慮をすること。
一深夜労働に伴う割増賃金、寒冷地手当及び宿日直手当については、一定の非課税限度を設けることの是非について検討すること。
一変動する納税環境の下において、複雑、困難で、かつ、高度の専門的知識を要する職務に従事している国税職員について、職員構成の特殊性等従来の経緯及び今後の財政確保の緊急かつ重要性にかんがみ、今後ともその処遇の改善、定員の増加等に一層配慮すること。
一世論の動向にかえりみ、今後とも税制及び税務執行の両面を通じ負担の公平を確保するよう努めること。
一悪質な脱税に対する批難が厳しい現状にかんがみ、その除斥期間の延長について検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109101012)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。