宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案
衆議院 建設委員会
昭和55年法律第56号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院建設委員会
- S55.3.18趣旨説明建設委員会 4245
- S55.3.25参考人招致・質疑建設委員会 5260
- S55.3.27質疑・附帯決議・採決建設委員会 6327
- S55.3.31附帯決議・採決・委員長報告本会議 888
衆議院建設委員会
- S55.4.4趣旨説明建設委員会 10163
- S55.5.7質疑建設委員会 15307
- S55.5.9採決・附帯決議建設委員会 1612
- S55.5.9委員長報告・採決・附帯決議本会議 2377
提案理由
渡辺栄一 建設大臣 昭和55年3月18日ただいま議題となりました宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
最近、世代、世帯構成等に応じた住宅の住みかえ需要の増大、職住近接の要請の高まり等により、住宅の需要構造の変化が進行し、中古住宅を含む不動産の流通量が増大しつつあります。
このような傾向のもとにおいて、宅地建物取引の態様は多様化し、その内容も複雑化してきておりますが、これに伴い、宅地建物取引に関する紛争件数が増加し、また、一部業者による悪質な事例も後を絶たない現状にあります。
この事態に対処して宅地建物の購入者等の利益を保護するため、宅地建物取引業者について、免許基準の強化等により、その資質の向上を図るとともに、その業務に関する規制を強化して取引の公正を期する必要があります。
また、増大し多様化する不動産の流通の円滑化を図るため、立ちおくれている不動産流通市場の整備、近代化を推進する必要があります。
以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、宅地建物取引業法についてでありますが、第一に、免許の基準について、宅地建物取引業者が免許の取り消し等を受けた場合において新たな免許を受けることができない期間を三年から五年に延長し、また、免許の取り消し分の聴聞の公示が行われた後、廃業等の届出を行った者は、届出の日から五年間は免許を受けることができないとする等、免許の基準を強化することといたしております。
第二に、重要事項説明の徹底を図るため、事務所に置かれる取引主任者の数を増加させるととももに、都道府県知事の発行する取引主任者証の提示の義務づけ、三年ごとの講習の受講の義務づけを行うことといたしております。
第三に、営業保証金の額は、主たる事務所及びその他の事務所ごとに、取引の実情等を考慮して、政令で定めるものとし、実情に応じた額とすることといたしております。
第四に、誇大広告等の禁止の強化、取引態様の明示の充実及び重要事項説明の充実につきましては、従前の規制をさらに強化することにより、購入者等の利益の一層の保護を図ることといたしております。
第五に、宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地または建物について、一定の場合を除き、みずから売り主となる売買契約を締結してはならないことといたしております。
第六に、売買等の媒介の契約につきましては、契約内容の書面化を義務づけて契約関係が不明確なために生ずる紛争を未然に防止するとともに、専任媒介契約について依頼者保護の見地から所要の規制を行うことといたしております。
第七に、事務所等以外の場所における宅地または建物の買い受けの申し込み等につきましては、五日以内は、書面により撤回等を行うことができることとし、いわゆるクーリングオフの制度を取り入れることといたしております。
第八に、宅地建物取引業保証協会につきましては、弁済業務保証金分担金の額は、営業保証金と同様政令で定めることとし、また、弁済業務保証金準備金は、建設大臣の承認を受けて、保証協会の業務の実施の費用に充て、または宅地建物取引業の健全な発達に寄与する事業に出指することができることといたしております。
第九に、宅地建物取引業に関する以上の改正に関連して、監督処分及び罰則等の規定について、所要の改正を行うことといたしております。
次に、積立式宅地建物販売業法につきましては、宅地建物取引業法と同様、許可の取り消しを受けた場合等において許可を受けることができない期間を三年から五年に延長する等、所要の規定の整備を行うことといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきまするようお願い申し上げます。
第91回国会参議院建設委員会会議録第4号30頁(昭和55年3月18日)〔渡辺栄一建設大臣発言・発言番号238〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行にあたり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一国土調査の実施にあたっては、国土の全域にわたり均衡のとれた進捗が図られるよう留意するとともに、事業の一層の促進に努めること。
二土地の位置及び筆界が正確に表示されている地図が未整備の地区にあっては、早急に地籍調査を推進し、的確な土地行政が図られるよう、地方公共団体等を指導すること。
三地方公共団体における国土調査の実施体制及び管理体制を拡充するとともに、所要の経費の確保に努めること。
—————————————次に、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案についてであります。本案は、国土の開発及びその利用の高度化に資するため、国土調査の緊急かつ計画的な実施が必要であることにかんがみ、内閣総理大臣が新たに昭和五十五年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないとするものであります。委員会におきましては、国土調査事業の進捗の状況、国土調査の執行及び管理の体制、硫黄島における地籍の明確化等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。続いて、国土調査の均衡ある促進等三項目の附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。以上御報告申し上げます。
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして、委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一最近の宅地建物取引における中小業者の業態の実情にかんがみ、その育成を図るとともに、その事業分野の確保に努めること。
二宅地建物取引に関する苦情・紛争の簡易迅速な処理を図るため、その処理体制の整備強化に努めること。また、これらの苦情・紛争を未然に防ぐため、今回の改正を含め宅地建物取引業法の趣旨について、ひろく消費者に衆知徹底を図るよう、有効な措置を講ずること。
三分譲マンションの取引に係る紛争を防止するため、設計図、仕様書の内容が実際と異なることのないよう宅地建物取引業者を指導するとともに、標準規約の策定及び効果的な管理体制等の確立に努めること。
四不動産流通近代化センター(仮称)の組織、運営については、消費者、中小業者等全体の利便の増進に結びつくよう、十分な指導を行うこと。
五建売住宅、分譲マンションの瑕疵問題を未然に防ぐため、建築段階における検査体制の充実、強化に努めること。また宅地建物の瑕疵担保責任期間について、建設業者の施工上の瑕疵担保責任期間との調整を図りつつ最低限度の延伸について検討するとともに、住宅性能基準について検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109101050)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。