農住組合法案
参議院 建設委員会
昭和55年法律第86号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会・建設委員会農林水産委員会連合審査会
- S55.10.17趣旨説明建設委員会 2180
- S55.10.17趣旨説明・質疑本会議 624
- S55.10.22質疑建設委員会 3333
- S55.10.24質疑建設委員会 4207
- S55.10.29質疑建設委員会農林水産委員会連合審査会 1186
- S55.10.29討論・採決・附帯決議建設委員会 518
- S55.10.30委員長報告・採決・附帯決議本会議 1033
参議院建設委員会・建設委員会、農林水産委員会連合審査会
- S55.10.29趣旨説明・質疑本会議 536
- S55.11.6趣旨説明・質疑建設委員会 3309
- S55.11.11質疑建設委員会 4268
- S55.11.13質疑建設委員会、農林水産委員会連合審査会 1165
- S55.11.13討論・採決・附帯決議建設委員会 517
- S55.11.14附帯決議・委員長報告・採決本会議 931
提案理由
原健三郎 国土庁長官・北海道開発庁長官 昭和55年10月17日ただいま議題となりました農住組合法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
最近における地価の動向を見ると、大都市地域の住宅地を中心に上昇傾向にありますが、これは、交通体系の整備、公共事業の進捗等による住宅地としての効用の増によるもののほか、根強い住宅地の需要に対して供給が不足していることが主因であると考えられます。このような状況を踏まえた今後の土地政策の基本的な課題は、長期的には、大都市地域における人口と産業の集中を抑制し、他方、地方への分散を促進することにより国土の均衡ある発展を図ることであり、当面の緊急な課題としては、大都市地域を中心として、引き続き投機的な土地取引の抑制に努めるとともに、特に宅地の供給を強力に促進することが必要であります。
このためには、現在講じております各般の宅地供給のための施策の拡充強化を図ることが必要でありますが、これらと相まって、主要な宅地供給源であり現在大都市地域の市街化区域内になお相当大量に存在する農地について、必要に応じて当面の営農の継続を図りつつ住宅地等への円滑かつ速やかな転換を図ることが必要であると考えられるのであります。
このような見地から、大都市地域の市街化区域内農地の所有者等が協同して、必要に応じ当面の営農の継続を図りつつ農地を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換するための事業を行うための組織として農住組合の制度を設け、その組織の事業活動を通じてこれらの者の経済的社会的地位の向上と住宅地及び住宅の供給の拡大を図ることとした次第であります。
以上が、この法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、農住組合は、組合の地区内の市街化区域内農地の相当部分を含む一団の土地について、良好な住宅地等の造成を目的とする土地の区画形質の変更等を行うとともに、組合員のために住宅の建設等を行うこととしております。また、これらとともに、利便施設の建設、土地の譲渡、土地に関する権利の交換分合、組合員の当面の営農上必要な共同利用施設の設置及び管理、客土、暗渠排水、農地利用規約の設定等の事業を総合的かつ一体的に行うことができることとしております。
さらに、これに伴い、農住組合は、土地区画整理事業及び土地改良事業を施行することができることとし、土地区画整理法及び土地改良法の適用に関し所要の規定を整備することとしております。
第二に、農住組合は、当面農業上の利用が継続される一団の営農地等に属する農地について所有権または使用収益権を有する組合員で当面の営農の継続を希望するものの合意により、農地利用規約を定め、市町村長の認定を受けることができることとするとともに、農地利用規約の目的を達成するため必要があると認めるときは、組合員以外の者で当該一団の営農地等に属する農地について所有権等を有するものと、農地利用規約と同一の内容を有する契約を締結することができることとしております。
第三に、農住組合の組合員たる資格を有する者は、地区内の土地について所有権または借地権を有する者及び地区内の農地について所有権以外の使用収益権を有する者とし、組合員は出資する義務を負うほか、組合員のうち所有権者及び借地権者は各一個の議決権及び役員の選挙権を有することとしております。
第四に、農住組合を設立するには、大都市地域の市街化区域内農地について所有権を有する者四人以上が発起人となり、定款及び事業基本方針を作成し、都府県知事の認可を受けなければならないこととしております。なお、この認可の申請を行うことができるのは、この法律の施行の日から十年を経過する日までといたしております。
第五に、定款に定める組合の地区は、原則として一定規模以上の一団の市街化区域内農地を含む一団の土地の区域であり、市街化区域内農地の面積が地区面積の大部分を占めるものでなければならないこととしております。また、事業基本方針には、地区内において、組合員の当面の営農の継続を図りつつ市街化区域内農地を住宅地等へ転換するために組合が行う事業の種類及びその実施の方針等を定めることとしております。
第六に、組合は、農業団体等に対し組合の事業に関し必要な助言または援助を求めることができることとするほか、国及び地方公共団体は、組合に対して、その事業の施行の促進を図るため必要な助言及び指導を行うことができるものとしております。
第七に、管理、解散及び清算、監督、罰則等に関する規定を定めることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第93回国会衆議院建設委員会議録第2号22頁(昭和55年10月17日)〔原健三郎国土庁長官発言・発言番号178〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。農住組合法案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一住宅、宅地の供給に当たっては、大都市地域において良質低廉な公共賃貸住宅の建設と宅地の安定供給を促進するとともに、強力な地価対策の推進に努めること。
二農住組合の営農地区の設定に当たっては、都市の緑と空間の保持及び生鮮な食品等の供給に配慮して、適切な指導をすること。また、農住組合の健全かつ民主的な運営に万全を期すること。
三農住組合が行う住宅地の譲渡については、公的賃貸住宅用地への活用に配意するとともに、国及び地方公共団体は、農住組合が行う事業に対し積極的に助言・指導すること。また、農住組合が行う住宅の供給は、賃貸住宅に配意するとともに、住宅の家賃又は譲渡価格については、適切な指導をするよう努めること。
四農住組合の住宅地の造成に伴う関連公共施設の整備については、配慮に努めること。
五本法といわゆる宅地並み課税との関係について、誤解をきたさないよう努めること。
政府は、本法の施行に当たっては次の事項に留意し、適切な措置を講ずべきである。
一大都市圏における勤労者の住宅難を解消するため、良質低廉な公共賃貸住宅の供給、地価抑制対策を強力に推進すること。
二国、地方公共団体は、農住組合の健全かつ民主的な運営が行われるよう、かつ必要に応じ民間供給能力を活用する際には、弊害がおこらないよう適切な指導、助言に努めるとともに、組合が譲渡する住宅建設用地については、できる限り公的住宅用地として活用されるよう配慮すること。
三国、地方公共団体は、本法の事業にともなう関連公共公益施設の整備及び低利資金の融資に十分配慮して、適正な家賃、価格の形成に努めること。
四農住組合の営農地区の設定に当たっては、都市の緑と空間の保持及び生鮮な食品等の供給に配慮して、適切な指導をすること。
五本法といわゆる宅地並み課税とは直接の関連を有するものではないことについて誤解を与えないよう十分留意すること。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109301013)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。