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国会審議›第93回国会›閣法第14号
閣法第93回国会 第14号成立修正あり

労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案

昭和55年法律第104号 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
提出昭和55年10月7日 内閣
付託衆議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会
成立
昭和55年法律第104号
審議会議 5回・発言 418(政府答弁等 183)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S55.10.14趣旨説明社会労働委員会 112
  2. S55.10.28質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案社会労働委員会 440
  3. S55.10.30採決(修正)・委員長報告・附帯決議本会議 1033

提案理由

藤尾正行 労働大臣 昭和55年10月14日

ただいま議題となりました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 労働者災害補償保険制度は、今日まで数次にわたり改善を重ねてまいりましたが、重度障害者その他の年金受給者等に対するきめ細かな配慮の必要性、関係制度の動向などにかんがみ、その改善について、かねてから労働者災害補償保険審議会において検討が行われてきたところであります。

 同審議会における検討の結果、昨年十二月、当面措置すべき制度の改善について労使公益各側委員全員一致による建議をいただきました。

 政府といたしましては、この建議を尊重し、必要なものを予算化するとともに、法律改正を要する部分について改正案を作成し、これを労働者災害補償保険審議会及び社会保障制度審議会に諮問し、それぞれ了承する旨の答申をいただきました。また、船員保険につきましても、同様な改正案を社会保険審議会及び社会保障制度審議会に諮問し、それぞれ同様の答申をいただいたところであります。

 これらの関係審議会の審議を経て、さきの第九十一回国会に労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、衆議院で審議未了となったところであります。しかしながら、この法律案による制度の改善は、早急にその実現を図る必要があるため、再度提出することといたした次第であります。

 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。

 まず、労働者災害補償保険法関係の改正についてであります。

 第一は、遺族補償年金の給付額について、たとえば遺族一人の場合、現在、給付基礎年額の百分の三十五に相当する額を原則といたしておりますものを給付基礎日額の百五十三日分、すなわち給付基礎年額の約百分の四十二に相当する額とするなど、その引き上げを行うこととしたことであります。

 第二は、障害補償年金について、その受けた年金の合計額が一定額に達しない間に受給権者が死亡したときは、その差額に相当する額の一時金を当該受給権者の遺族に支給することとしたことであります。

 第三は、障害補償年金について、受給権者に対して一定額の範囲内で前払い一時金を支給することとしたことであります。

 第四は、年金たる保険給付等の額のスライドの発動要件について、現在は賃金水準が一〇%を超えて変動することを要することとしておりますが、この賃金水準の変動幅を六%を超えることで足りることとしたことであります。

 第五は、通勤災害に関する保険給付についても、これらに準じて措置することとしたことであります。

 第六は、年金受給者のために、厚生年金保険等と同様の年金担保融資制度を設けることとしたことであります。

 第七は、同一の事由についての労災保険給付と、それと重複する部分の民事損害賠償とを調整するための規定を整備することとしたことであります。

 第八は、最近における労働災害の発生状況にかんがみ、事業場ごとの災害率に応じて保険料を調整するいわゆるメリット制度の調整幅を拡大するとともに、その調整率の計算の基礎となる収支率の算定に関し技術的な改善を行い、労働災害の防止努力が的確に反映できるようにしたことであります。

 次に、船員保険法関係の改正について申し上げます。この改正は、船員保険の職務上の事由による保険給付の内容について、おおむね労働者災害補償保険法関係の改正に準じた改正を行うこととしたことであります。

 以上のほか、この法律案においては、この附則において以上の改正に伴う経過措置を定めております。

 なお、労働者災害補償保険法関係の施行期日は、スライド制の改善及び遺族補償年金の額の引き上げにつきましては公布の日から三月を超えない範囲内において政令で定める日、保険料のメリット制度の改正につきましては一般事業は本年十二月三十一日、有期事業は昭和五十六年四月一日とし、その他の改正事項につきましては同年十一月一日としております。

 また、船員保険法関係の施行期日は、労働者災害補償保険法関係の施行期日に準ずることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。

第93回国会衆議院社会労働委員会議録第1号5頁(昭和55年10月14日)〔藤尾正行労働大臣発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 社会労働委員会昭和55年10月28日

政府は、次の事項に関し、所要の措置を講ずるよう努めること。

一民事損害賠償を受けた場合の労災保険給付の支給調整の実施基準を定めるに当たっては、被災労働者及びその遺族の実情にも配慮し、年金たる保険給付の特質をも勘案して定めること。この場合において、労災保険審議会の意見を十分尊重すること。

二労働災害の絶滅を期し、災害の予防及び職業病の発生防止のために、なお一層の努力をすること。

三労災保険給付については、給付水準の向上、年功賃金体系の保険給付への反映等の基本問題の検討を引き続き進め、その改善に努めること。

四傷病補償年金受給者に対する特別支給一時金の給付について、その実現を期すること。

五労災保険制度に年金給付が導入される以前に打切補償費を受給し、なお療養を継続している者等に対する援護措置の充実に努めること。

六労働災害の防止をはじめ労働諸施策の遂行上必要な職員数が不足しているとの認識にたち、それら関係職員の増員に格段の努力をすること。

参議院 社会労働委員会昭和55年11月6日

政府は、次の事項に関し、所要の措置を講ずべきである。

一労働災害の絶滅を期し、災害の予防及び職業病の発生防止のために、なお一層の努力をすること。

二労災保険給付については、給付水準の向上、賃金の実態の保険給付への反映等の基本問題の検討を引き続き進め、その改善に努めること。

三民事損害賠償を受けた場合の労災保険給付の支給調整の実施基準を定めるに当たつては、被災労働者及びその遺族の実情にも配慮し、年金たる保険給付の特質をも勘案すること。この場合において、労災保険審議会の意見を十分尊重すること。

四傷病補償年金受給者に対する特別支給一時金の給付について、その実現を期すること。

五労災保険制度に年金給付が導入される以前に打切補償費を受給し、なお、療養を継続している者等に対する援護措置の充実に努めること。

六労働災害の防止をはじめ労働諸施策の遂行上必要な職員の増員に努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109301014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。