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国会審議›第94回国会›閣法第74号
閣法第94回国会 第74号成立修正あり

老人保健法案

昭和57年法律第80号 高齢者の医療の確保に関する法律
提出昭和56年5月15日 内閣
付託衆議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会
成立
昭和57年法律第80号
審議会議 22回・発言 3,547(政府答弁等 1,579)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S56.10.15趣旨説明・質疑社会労働委員会 178
  2. S56.10.15趣旨説明・質疑本会議 738
  3. S56.10.22質疑社会労働委員会 2396
  4. S56.10.29質疑社会労働委員会 3436
  5. S56.11.5参考人招致・質疑社会労働委員会 4234
  6. S56.11.12質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案社会労働委員会 547
  7. S56.11.13委員長報告・討論・採決(修正)・附帯決議本会議 1018
  8. S57.8.9参議院修正部分趣旨説明・質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 12123
  9. S57.8.10採決・委員長報告・附帯決議本会議 3216

参議院社会労働委員会・社会労働委員会、内閣委員会、地方行政委員会、文教委員会、農林水産委員会連合審査会

  1. S56.11.20趣旨説明・質疑本会議 1111
  2. S56.11.24趣旨説明社会労働委員会 69
  3. S57.4.6質疑社会労働委員会 686
  4. S57.4.13質疑社会労働委員会 8242
  5. S57.4.20質疑社会労働委員会 9246
  6. S57.4.26参考人招致社会労働委員会 1169
  7. S57.4.27質疑社会労働委員会 12292
  8. S57.5.11質疑社会労働委員会 13261
  9. S57.7.6質疑社会労働委員会 15291
  10. S57.7.8質疑社会労働委員会、内閣委員会、地方行政委員会、文教委員会、農林水産委員会連合審査会 1400
  11. S57.7.27質疑社会労働委員会 16182
  12. S57.8.3質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案社会労働委員会 17314
  13. S57.8.4附帯決議・委員長報告・採決(修正)本会議 2532

提案理由

村山達雄 厚生大臣 昭和56年10月15日

ただいま議題となりました老人保健法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現在、わが国は諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進んでおります。このような本格的な高齢化社会の到来に対応し、人間尊重の精神を堅持し、社会的公正を確保しつつ、効率的に機能し得る社会保障制度の確立と既存制度の見直しが喫緊の課題となっております。

 わが国の老人保健医療対策は、昭和四十八年以来、医療保険制度及び老人福祉法による老人医療費公費負担制度を柱として推進されてまいりましたが、その後年々老人医療費は増高を続け、一方、対策が全体として医療費の保障に偏り、予防から機能訓練に至る保健サービスの一貫性に欠けていること、医療保険各制度間、特に被用者保険と国民健康保険の間に老人の加入率の差により老人医療費の負担に著しい不均衡があるなどの問題が指摘されるに至り、制度の基本的見直しについての要請が高まってまいりました。

 政府といたしましては、このような要請にこたえて、長期的な展望に立って制度の基本的あり方について数年にわたり鋭意検討を続けてまいりましたが、このたび疾病の予防や健康づくりを含む総合的な老人保健対策を推進するための制度を新たに創設することとし、この法律案をさきの第九十四回国会に提出し、今国会において引き続き御審議を煩わすこととした次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一は、この法律の目的及び基本的理念であります。

 この法律は、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、国民保健の向上と老人福祉の増進を図ることを目的とするものであります。また国民は、自助と連帯の精神に基づき、みずから健康の保持増進に努めるとともに、老人の医療費を公平に負担すること、年齢、心身の状況等に応じ、適切な保健サービスを受ける機会を与えられることを基本的理念としております。

 第二に、老人保健審議会でありますが、この審議会は、保健事業の関係者及び老人保健に関する学識経験者二十名以内をもって構成し、老人保健に関する重要事項について調査審議していただくこととしております。

 第三に、保健事業につきましては、市町村が健康手帳の交付、健康教育、健康相談、健康診査、医療、機能訓練、訪問指導等の各種保健事業を総合的に一体的に行うこととしております。このうち、医療については七十歳以上を対象としておりますが、医療以外の保健事業は、壮年期からの健康管理が老後の健康保持のためにきわめて重要でありますので、四十歳以上の者を対象として行うこととしております。医療についての診療方針及び診療報酬は老人の心身の特性等を考慮し老人保健審議会の意見を聞いて定めることとしております。また、老人の方々に健康についての自覚と適切な受診をお願いするため、医療を受ける際、外来の場合一月五百円、入院の場合四カ月間を限度として一日三百円の一部負担をしていただくこととしております。

 第四は、保健事業に要する費用であります。

 保健事業のうち医療以外の保健事業については、国、都道府県及び市町村がそれぞれ三分の一ずつを負担することとしております。なお、その対象となった者から費用の一部を徴収することができることとしております。医療に要する費用につきましては、国が二割、都道府県及び市町村がおのおの五%を負担するほか、医療保険各法の保険者が七割を拠出することとしております。保険者の拠出金の領は、当該保険者の七十歳以上の加入者に係る医療費の額と当該保険者の加入者の総数を基準として案分し、保険者間の負担の均衡を図ることとしております。なお、現在、医療保険各法により療養の給付費について国庫補助を受けている保険者に対しては拠出金の一部についてその補助率を基準として国庫補助を行うこととしております。

 第五に、保険者から拠出金を徴収し、市町村に対し交付する業務は、社会保険診療報酬支払基金が行います。

 第六に、関係法律の改正であります。この法律の施行に伴い、老人福祉法の一部を改正して、老人医療費の支給に関する規定等を整理するほか、医療保険各法においては、七十歳以上の加入者について療養の給付等を行わないこととする等の改正を行うこととしております。

 最後に、この法律の施行期日でありますが、老人保健審議会に関する規定は公布の日から三月を、保健事業の実施等に関する規定は諸般の準備が必要でありますので公布の日から一年六カ月を、それぞれ超えない範囲内で政令で定める日とし、できる限り速やかに施行することとしております。

 以上がこの法律案を提案する理由及びその内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

第95回国会衆議院社会労働委員会議録第1号2頁(昭和56年10月15日)〔村山達雄厚生大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 社会労働委員会昭和56年11月12日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、速やかに適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。

一老人医療についての診療方針及び診療報酬は、老人の心身の特性を踏まえて改善を図るものとすること。

二医療を受ける老人の負担を軽減するため、差額ベッド、付添看護等の保険外負担を早急に解消するよう、所要財源の確保と行政指導の一層の徹底を図ること。特に、私立大学附属病院における保険外負担の解消について格段の努力をすること。

三薬価基準の適正化、医療機関に対する指導、監査の徹底、医療費通知制度の普及、高額医療機器の共同利用等の施策を積極的に推進することにより、医療費の無駄を排除し、その適正化を図ること。

四レセプト審査の改善充実を図り、特にレセプトが迅速に保険者に送付されるよう努めること。

五社会保険診療報酬支払基金における老人保健業務の実施に伴い、要員の確保その他業務体制の充実強化と審査体制の整備を推進すること。

六医療機関等の適正配置を含め地域医療の推進を図るため、必要な法制の整備に努めること。

七医療以外の各種の保健事業が効果的に実施されるよう、保健婦その他の医療関係者の質量両両にわたる養成確保及び保健所等必要な施設設備の整備充実に格段の努力を払うとともに、必要な予算措置を講ずるよう努めること。

八老人保健事業の円滑な実施を図るため、市町村に地域の関係者からなる連絡協議組織を設けるよう指導すること。

九老人医療におけるはり、きゅう、マッサージの取扱いについては、その需要にこたえられるよう特段の配慮をすること。

十痴呆を主とした老人の精神障害に対応するため、精神病床その他の施設の整備を行うとともに、老人精神障害対策に関する専門的な調査研究を進める等総合的な対策を講ずること。

十一退職者医療制度についての検討を急ぐこと。

十二老人の保健医療と密接な関連を有する年金、福祉サービス、雇用、住宅等に係る老人福祉対策の一層の充実を図ること。

十三本格的な高齢化社会の到来に対応し、老人問題に関する総合的な研究体制の整備について検討すること。

参議院 社会労働委員会昭和57年8月3日

政府は、次の事項について速やかに適切な措置を講ずべきである。

一老人医療についての診療方針及び診療報酬は、老人の心身の特性を踏まえて改善を図るものとすること。

二差額ベッド、付添看護等の保険外負担を早急に解消するよう努めること。特に私立大学附属病院における不当な差額ベッドの解消を中心として行政指導の徹底を図ること。

三薬価基準の適正化、医療機関に対する指導、監査の徹底、医療費通知制度の普及、高額医療機器の共同利用等の施策を積極的に推進することにより、医療費の無駄を排除し、その適正化を図ること。

四レセプト審査の改善充実を図るため、社会保険診療報酬支払基金の審査委員、職員の増員を図るとともに、コンピューターを活用した統計的審査方式の積極的導入を図ること。

五老人保健事業の円滑な実施を図るため、市町村に地域の関係者からなる連絡協議組織を設けるよう指導すること。

六老人保健法に基づく歯科の保健事業の確立、特に歯槽膿漏等に対する歯科健診の導入に努めること。

七老人医療におけるはり、きゆう、マツサージの取扱いについては、その需要にこたえられるよう特段の配慮をすること。

八痴呆を主とした老人の精神障害に対応するための施設の整備を行うとともに、老人精神障害対策に関する専門的な調査研究を進める等総合的な対策を講ずること。

九多数の原爆被爆者を抱えているため新たに相当の医療費負担が発生する地方公共団体については、その実情を踏まえ、適切かつ十分な財政措置を講ずること。

十退職者医療については、本格的な制度の実施に向けて、このため本年秋頃を目途に社会保険審議会に諮ること。

十一老人の保健医療と密接な関連を有する年金、福祉サービス、雇用、住宅等に係る老人福祉対策の一層の充実を図るとともに、老人問題に関する総合的な研究体制の整備について検討すること。

衆議院 社会労働委員会昭和57年8月9日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、速やかに適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。

一老人医療についての診療方針及び診療報酬は、老人の心身の特性を踏まえて改善を図るものとすること。

二医療を受ける老人の負担を軽減するため、差額ベッド、付添看護等の保険外負担を早急に解消するよう、所要財源の確保と行政指導の一層の徹底を図ること。特に、私立大学附属病院における保険外負担の解消について格段の努力をすること。

三薬価基準の適正化、医療機関に対する指導、監査の徹底、医療費通知制度の普及、高額医療機器の共同利用等の施策を積極的に推進することにより、医療費の無駄を排除し、その適正化を図ること。

四レセプト審査の改善充実を図り、特にレセプトが迅速に保険者に送付されるよう努めること。

五社会保険診療報酬支払基金における老人保健業務の実施に伴い、要員の確保その他業務体制の充実強化と審査体制の整備を推進すること。

六医療機関等の適正配置を含め地域医療の推進を図るため、必要な法制の整備に努めること。

七医療以外の各種の保健事業が効果的に実施されるよう、保健婦その他の医療関係者の質量両面にわたる養成確保及び保健所等必要な施設設備の整備充実に格段の努力を払うとともに必要な予算措置を講ずるよう努めること。

八老人保健事業の円滑な実施を図るため、市町村に地域の関係者からなる連絡協議組織を設けるよう指導すること。

九老人医療のうち、歯科における加齢による咬合障害を伴う欠損補綴(ほてつ)の取扱いに対しては、特に改善を図るとともに歯科保健事業の確立と歯周病等に対する歯科健診の導入に努めること。

十老人医療におけるはり、きゆう、マッサージの取扱いについては、その需要にこたえられるよう特段の配慮をすること。

十一痴呆を主とした老人の精神障害に対応するため、精神病床その他の施設の整備を行うとともに、老人精神障害対策に関する専門的な調査研究を進める等総合的な対策を講ずること。

十二多数の原爆被爆者を抱えているため新たに相当の医療費負担が発生する地方公共団体については、政府はその負担について従前の実績を踏まえ、今後とも別途適切かつ十分な財政措置を講ずると。

十三退職者医療制度についての検討を急ぐこと。

十四老人の保健医療と密接な関連を有する年金、福祉サービス、雇用、住宅等に係る老人福祉対策の一層の充実を図ること。

十五本格的な高齢化社会の到来に対応し、老人問題に関する総合的な研究体制の整備について検討すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109401074)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。