国民年金法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和57年法律第79号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S57.4.1趣旨説明社会労働委員会 4211
- S57.4.8質疑社会労働委員会 6231
- S57.4.15質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案社会労働委員会 8205
- S57.4.20委員長報告・採決・附帯決議本会議 1840
- S57.8.5参議院回付案同意・参議院回付案本会議 3146
参議院社会労働委員会
- S57.8.3趣旨説明・質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案社会労働委員会 17314
- S57.8.4附帯決議・委員長報告・採決(修正)本会議 2532
提案理由
森下元晴 厚生大臣 昭和57年4月1日ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
所得保障の中心である年金制度を初め、母子家庭、心身障害者に係る諸手当の制度については、従来から充実に努めてきたところでありますが、国家財政の再建が課題とされている最近の厳しい財政状況の下にあっても、老人、障害者等に対しては社会経済情勢の動向に対応した適切な配慮がなされる必要があります。
今回の改正案は、このような趣旨にかんがみ、厚生年金等の拠出制年金について物価スライドの特例措置を講ずるとともに、福祉年金及び諸手当についてもこれに準じた給付の改善を行うこととし、これらの制度の充実を図ろうとするものであります。
以下、改正案の内容について、概略を御説明申し上げます。
第一に、厚生年金、船員保険及び拠出制国民年金の物価スライドの特例措置について申し上げます。
現行の制度におきましては、消費者物価上昇率が五%を超えない場合には物価スライドは実施されないことになっておりますが、年金受給者を取り巻く諸状況を勘案し、昭和五十七年度において、昭和五十六年度の物価上昇率が五%を超えない場合であっても、特例としてその上昇率に応じた年金額の引き上げを実施することとしております。
なお、この年金額の引き上げは、厚生年金及び船員保険については本年七月から、拠出制国民年金については本年八月から行うこととしております。
第二に、福祉年金の額につきましては、昭和五十七年九月から老齢福祉年金を月額二万四千円から二万五千百円に、障害福祉年金を一級障害については月額三万六千円から三万七千七百円に、二級障害については月額二万四千円から二万五千百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金を月額三万千二百円から三万二千七百円に、それぞれ引き上げることとしております。
第三に、児童扶養手当等の額につきましては、福祉年金に準じて、本年九月から児童扶養手当の額を児童一人の場合月額三万千二百円から三万二千七百円に、特別児童扶養手当の額を障害児一人につき月額二万四千円から二万五千百円に、重度障害児一人につき月額三万六千円から三万七千七百円に、それぞれ引き上げるとともに、福祉手当についても月額一万円から一万五百五十円に引き上げることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第96回国会衆議院社会労働委員会議録第4号25頁(昭和57年4月1日)〔森下元晴厚生大臣発言・発言番号209〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一本格的な高齢化社会の到来を迎えた今日、中高年齢者の雇用の改善との連係を図りつつ、公的年金制度全体の抜本的改善を図ること。特に制度間の不均衡の是正など体系的な整備充実に努めるとともに、年金制度の長期的安定化方策につき検討を行い、速やかにその確立を図ること。
二拠出制年金の物価スライドの実施時期及び福祉年金等の給付改善の実施時期については、従来の経緯を踏まえ、前向きに適切な措置を講ずること。
三婦人の年金権のあり方については、被用者の妻の国民年金への任意加入制度に関し早急に結論を出し、その結果を踏まえて総合的な見地から検討を進め、速やかにその確立に努めること。
四各福祉年金については、引き続きその充実に努めるとともに、関係諸制度との関連を含め、基本的な検討を行うこと。
五本格的な年金時代を迎えるに当たり、受給者、被保険者に個別的かつ具体的に対応できるよう年金相談体制を充実するとともに、業務処理体制の強化を図り、もつて国民に対するサービスの向上に一層努めること。
六年金の給付については、老後の生活安定を図る立場から、業務処理体制の整備とあわせて支払期月、支払回数及び支払方法の制度間の整合について検討すること。
七すべての年金は、非課税とするように努めること。
八五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用の問題について、具体的方策を樹立し、その適用の促進に努めること。
九中国からの帰国者並びに国際化の進展に伴う海外長期在住者及び在日外国人等に対する年金制度について、適切な方策の確立に努めること。
十積立金の管理運用については、極力、有利運用を図るとともに、民主的な運用に努めること。また、被保険者に対する福祉還元についても、なお一層努力すること。
十一児童手当については、高齢化社会の担い手となる年少世代の長期的な展望に立つて、制度の基本的な検討を進めること。
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一本格的な高齢化社会の到来を迎え、中高年齢者の雇用の改善と特に適正な給付と公正な負担のあり方を含め公的年金制度全体の抜本的検討を加え改善を図ること。
二提出制年金の物価スライドの実施時期及び福祉年金等の給付改善の実施時期については、従来の経緯を踏まえ、前向きに適切な措置を講ずること。
三婦人の年金権のあり方については、被用者の妻の国民年金への任意加入制度に関し早急に結論を出し、その結果を踏まえて総合的な見地から検討を進め、速やかにその確立に努めること。
四各福祉年金については、引き続きその充実に努めるとともに、関係諸制度との関連を含め、基本的な検討を行うこと。
五本格的な年金時代を迎えるに当たり、受給者、被保険者に個別的かつ具体的に対応できるよう年金相談体制を充実するとともに、業務処理体制の強化を図り、これにあわせて、支払期月、支払回数及び支払方法の制度間の整合について検討すること。
六老齢年金及び通算老齢年金は、非課税とするよう努めること。
七五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用の問題について、具体的方策を樹立し、その適用の促進に努めること。
八中国からの帰国者並びに国際化の進展に伴う海外長期在任者及び在日外国人等に対する年金制度について、適切な方策の確立に努めること。
九積立金の管理運用については、被保険者の福祉を最優先とし、積立金の民主的運用に努めること。
十児童手当制度については、長期的展望に立って、制度の基本的な検討を進め、その改善に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109601040)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。