農業協同組合法の一部を改正する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和57年法律第77号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S57.4.14趣旨説明・補足説明農林水産委員会 14242
- S57.4.28参考人招致・質疑農林水産委員会 19140
- S57.5.12質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 20225
- S57.5.14委員長報告・採決・附帯決議本会議 2155
参議院農林水産委員会
- S57.7.6趣旨説明・補足説明農林水産委員会 1317
- S57.7.29質疑農林水産委員会 17124
- S57.8.3質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 18240
- S57.8.4附帯決議・委員長報告・採決本会議 2532
提案理由
田澤吉郎 農林水産大臣 昭和57年4月14日農業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業協同組合法は、昭和二十二年に、農民の自主的協同組織としての農業協同組合の発達を促進し、農業生産力の増進と農民の経済的、社会的地位の向上を図ることを目的として制定されました。以来、経済及び農業の歩みとともに農協の発展に寄与してきたところでありますが、この間、情勢の変化に対応して所要の制度改正を行ってきております。最近では、昭和四十八年に、農協の金融機能の拡充、資金の貸付範囲の拡大等の改正措置を講じたところであります。
しかしながら、その後の農協をめぐる社会経済情勢、とりわけ一般金融情勢の変化には著しいものがあります。
このような情勢の変化に対応して、農協がその本来の使命をよりよく果たしていくためには、特段の自主的努力にまつところが大きいことはもとよりでありますが、そのためにも、制度面について、特に、信用事業を中心として、所要の改正を行うことが緊要となっております。
すなわち、信用事業に関し、農協の行う内国為替業務の全国オンライン化を実現するための措置を講ずること、信用事業を行う連合会で貯貸率が著しく低位となっている等のものについて資金の安定的、効率的な運用を確保するための措置を講ずること等が緊要となっております。
また、これらとあわせて、連合会の総代の選挙方法について、会員数の急増という実情に即して改正を行う必要があります。
このため、今般、農業協同組合法の一部改正を提案することとした次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
まず第一に、信用事業を行う組合の内国為替取引について、員外利用制限を受けずに行うことができることとしております。
第二に、信用事業を行う連合会の有価証券の払込金の受け入れ等の業務について、地方債等に限り、員外利用制限を受けずに行うことができることとしております。
第三に、信用事業を行う連合会の貸し付けについての員外利用制限について、特定の連合会に限り、特例的にその資金量の一定割合までこれを緩和することとしております。
第四に、連合会の総代を定款で定めるところにより、総会外においても選挙することができることとしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第96回国会衆議院農林水産委員会議録第14号26頁(昭和57年4月14日)〔田澤吉郎農林水産大臣発言・発言番号230〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。農業協同組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)わが国農業をめぐる内外の厳しい諸情勢に対処し、農業の新たな展望と、その振興を図るため、農協組織の果たす役割はますます重要となつてきている。このような重大な使命に応え、その責務を全うするため、農協組織としては、最近における社会経済環境や組織基盤の変化に積極的に対応し、組合員への最大奉仕という農業協同組合本来の目的に即した組織・事業運営の展開を通じ、協同組合としての特性を発揮すべきことが求められている。よつて、政府は本法改正を機に左記事項に留意しつつ農協組織がその本来の使命を達成できるよう適切な指導、監督を行い、その運営の健全かつ適正を期すよう努めるべきである。記
一農協、連合会を通じ、執行体制の整備と責任体制の確立を図るとともに、農業生産の拡大強化に力を注ぎ、協同活動を強化して、営農、生活指導を軸におく農協の組織、事業の展開に努めること。
二農協、連合会は農業経営の拡大発展を基盤におく経営を強化し、信用・共済事業に依存している経営体質を改め、各種事業の有機的連携を確立して、事業運用の効率化、経営の刷新強化を図ること。特に、農産物の販売事業については、地域農業の再編に対応し、組合員の期待に応えられるようその販売機能の拡充に努めること。
三金融機能については、系統信用事業の効率化・コスト低減を図り、組合員の営農、生活面の資金需要に積極的に対応すること。なお、金融機関のオンライン体制の拡充に即応し、事務処理体制に万全を期するとともに、信連の員外融資については、地域還元を基本とし、かつ、融資の健全性に十分配慮した運用を確保すること。また、週休二日制については、農協においても他の金融機関の動向に即し円滑な導入を図ること。
四地域社会との調和を図り、組合員中心の事業運営を徹底するため、員外利用制限の規定を遵守させ、購買店の設置・運営の改善、さらには協同会社の設立・運営について適正な措置を講ずるとともに、一部農協の事業運営に関する内外からの批判については指導の徹底を図り、これを払拭すること。
五農協、連合会の健全運営を維持するため、内部監査体制の整備充実を図るとともに、行政庁による検査の充実を図ること。
六今後の農業、農村の変化を展望しつつ、都市農協の将来のあり方について、長期的課題として取り組むこと。
政府は、農協系統組織の我が国農業発展に果たす役割の重要性にかんがみ、その本来の目的に即した組織・事業運営を通じ、協同組織としての特性が発揮できるよう、本法改正を機に、次の事項に留意しつつ、適切な指導、監督に努めるべきである。
一農協及び連合会の執行体制の整備と責任体制の確立を図ること。
二農協及び連合会の信用・共済事業に依存している経営体質を改めるとともに、販売事業については、地域農業の再編に対応し、その機能拡充を図ること。
三金融機能については、組合員の資金需要に積極的に対応するため、信用事業の効率化を促進し、コスト低減を図ること。
四金融機関のオンライン体制の拡充に即応し、事務処理体制に万全を期すること。また、週休二日制については、他の金融機関の動向に即し円滑な導入を図ること。
五信連の員外融資については、融資の健全性に十分配慮しつつ、地域還元を基本とした運用を行うこと。
六地域社会との調和を図り、組合員中心の事業運営を徹底するため、員外利用制限の規定を遵守させ、購買店の設置・運営の改善、さらには協同会社の設立・運営について適正な措置を講ずるとともに、一部農協の事業運営に関する内外からの批判については指導の徹底を図り、これを払拭すること。
七農協及び連合会の健全運営を維持するため、内部監査体制の整備充実を図るとともに、行政庁による検査の充実を図ること。
八今後の農業、農村の変化を展望しつつ、都市農協の将来のあり方について、長期的課題として取り組むこと。
その内容は次のとおりであります。政府は、本法の施行に当たり、次の事項つき、適切な措置を講ずべきである。
一法第五十三条の二の規定に基づく点検等の指示の対象については、運用上、不正改造車、違法な行為を行っている白ナンバートラックやダンプカーその他の整備不良車等を中心とするものとし、整備不良車に該当しない一般の自家用乗用車については行政指導にとどめるものとすること。
二法第五十三条の二の規定に基づく点検等の指示の適用については、本法施行後十分な指導期間をおくこと。以上御報告申し上げます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109601062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。