国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案
衆議院 文教委員会
昭和57年法律第89号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- S57.4.23趣旨説明文教委員会 12303
- S57.7.7質疑文教委員会 1640
- S57.8.4派遣委員報告・質疑・採決・附帯決議文教委員会 18222
- S57.8.5委員長報告・採決・附帯決議本会議 3146
提案理由
狩野明男 議員(発議者) 昭和57年4月23日国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
急激に進展する国際化の時代にあって、わが国が、今後国際社会の一員として、諸外国と協力・協調しつつ国際社会に対して貢献していくためには、教育、学術、文化の国際交流を一層活発化することが、現下の重要な課題といわなければなりません。特に大学における研究教育に関しては、国際化の必要性は、きわめて大きいものがあります。
しかしながら、現在の国立または公立の大学の教授等の任用の制度について見ると、わが国では、従来より公務員に関しては、公権力の行使または公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解すべきとの解釈がとられてきているため、今日まで、これらの職に外国人がつくことは認められなかったのであります。
このような現状については、第一に、大学における研究教育は、真理の探求を旨とし、世界に通ずる普遍的なもので、国際的に開かれたものであるべきであるにもかかわらず、教授等の任用についてこのような閉鎖的な姿勢をとることは、大学の本質から見ても問題があることと考えます。
第二に、いわゆる欧米先進諸国の状況を見ても、すでに早くから外国人に対して、正規の教授等として任用する道を開いており、わが国のような閉鎖的な制度をとっている国は皆無といってよいのであります。
以上、申し述べたようなことから、国立または公立の大学においても、できるだけ有能な外国人を教授等として積極的に採用できる道を開くべきであると考えたものであります。そして、こうした措置を講ずることは、研究・教育面での国際交流の活発化を促進するのみならず、学問研究の上で、よい意味での国際的な競争関係をつくり出し、学問研究の向上に役立つことと考えたのであります。
以上が本法律案を提出した理由であります。
次に、本法律案の内容について申し上げます。
第一は、国立または公立の大学においては、新たに、外国人を教授、助教授または講師に任用することができることといたしました。
第二は、国立または公立の大学に任用された教授等は、外国人であることを理由として、教授会その他大学の運営に関与する合議制の機関の構成員となり、その議決に加わることを妨げられないものといたしました。
第三は、国立または公立の大学に任用される教授等の任期については、大学管理機関の定めるところによることといたしました。
第四は、国立大学共同利用機関及び大学入試センターにおける外国人職員の任用等についても、大学におけると同様の取り扱いをすることといたしました。
第五は、従来の国家公務員法第二条第七項に規定する勤務の契約による外国人教師・外国人講師制度等は、引き続き存続することといたしております。
以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
第96回国会衆議院文教委員会議録第12号1頁(昭和57年4月23日)〔狩野明男議員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
一政府は、国立又は公立の大学等において教員に任用された外国人について、学長、学部長などの管理職への任用についてその方途を引き続き検討すること。
二外国人教員の任期制については、大学管理機関の自主的判断に委ねること。
三政府は、外国人教員の任用が円滑に行われるよう、日本語の習得の機会の提供、処遇に対する特別の配慮など諸条件の整備に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109602014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。