特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案
参議院 社会労働委員会
昭和58年法律第39号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S58.2.22趣旨説明社会労働委員会 2106
- S58.3.22質疑社会労働委員会 4170
- S58.3.23附帯決議・採決社会労働委員会 553
- S58.3.24委員長報告・採決・附帯決議本会議 1450
参議院社会労働委員会
- S58.3.31趣旨説明社会労働委員会 612
- S58.4.28質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 9215
- S58.5.11附帯決議・委員長報告・採決本会議 1346
提案理由
大野明 労働大臣 昭和58年2月22日ただいま議題となりました特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
わが国におきましては、内外の厳しい経済情勢を反映して、雇用失業情勢にも厳しいものがあります。とりわけ、二度にわたる石油危機を背景とした原材料、エネルギーコストの上昇、発展途上国の追い上げ等最近における経済的事情の変化に伴って、アルミニウム製錬業等の素材産業を中心として構造不況に陥っている業種が少なくありません。これらの構造不況業種におきましては、当該業種の労働者はもちろんのこと、関連下請企業の労働者やこれらの業種が集積している地域全体の雇用失業情勢に深刻な影響を与えているところであり、これら関係労働者の失業の予防を中心とした雇用の安定のための施策を積極的に進めていくことが緊急の課題となっております。
政府といたしましては、このような課題に適切に対処していくため、本年六月三十日に有効期限等が到来する特定不況業種離職者臨時措置法及び特定不況地域離職者臨時措置法を統合整備し、これら関係労働者の雇用の安定のための施策を一層推進することとし、そのための案を関係審議会に諮問して、その答申に基づきこの法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
次にこの法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律で対象とする特定不況業種とは、従来、国の施策により事業規模の縮小等が行われる業種に限定されていた点を改め、内外の経済的事情の著しい変化により、その製品や役務の供給能力が過剰となっており、その状態が長期にわたって継続することが見込まれるため、事業規模の縮小等を余儀なくされ、これに伴い雇用量が相当程度に減少しており、または減少するおそれがある業種を言うこととしており、また、特定不況地域とは、特定不況業種に属する事業所が相当程度集積しており、これらの事業所の事業規模の縮小等に伴い雇用情勢が悪化し、または悪化するおそれのある地域をいうこととしております。
なお、特定不況業種及び特定不況地域の指定は、期間を付して行うこととしております。
第二に、従来特定不況業種について職業紹介等に関する計画を作成することとしていた点を改め、特に必要があると認められる特定不況業種または特定不況地域について、失業の予防、再就職の促進のための措置の推進に資するため、新たに雇用の安定に関する計画を作成することとしております。
第三に、特定不況地域の雇用情勢の一層の悪化を防止するために必要があるときは、相当数の離職者を発生させることとなる事業規模の縮小等を行おうとする特定不況業種事業主に対して、労働大臣が雇用の安定のための措置を講ずることを要請することができることとしております。
第四に、失業の予防、雇用機会の増大等を図るため、離職予定者に対する教育訓練の実施その他雇用の安定に必要な措置を講ずる事業主に対して、雇用保険法に基づく雇用安定事業または雇用改善事業として必要な助成及び援助を行うこととしております。
第五に、関連下請中小企業につきましては、親事業所に先行して雇用調整が実施されるという実態にかんがみ、特定不況業種として指定される前の一定期間内に離職した者に対しても求職手帳を発給し、この法律に基づく援護措置を講じることとしております。
以上のほか、現行の離職者二法に基づいて講じてきた特定不況業種事業主による再就職援助等計画の作成及びその公共職業安定所長による認定、特定不況業種離職者に対する求職手帳の発給、就職指導の実施及び職業転換給付金の支給、四十歳以上の手帳所持者及び特定不況地域離職者に対する雇用保険の個別延長給付の特例的な支給等の施策は、継続して実施することとしております。
なお、この法律は、本年七月一日から施行し、五年後の昭和六十三年六月三十日までに廃止することとしております。
以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第98回国会衆議院社会労働委員会議録第2号19頁(昭和58年2月22日)〔大野明労働大臣発言・発言番号104〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一現下の厳しい雇用失業情勢に対応して、本法の趣旨が最大限に生かされるよう、特定不況業種及び特定不況地域の指定に当たっては、関係省庁間の連携を密にし、かつ、業種や地域の実情に即応して機動的に行うこと。
二特定不況業種の関連下請中小企業については、関係労働者の雇用の安定を図る見地から、本法に基づく援護措置が適切に活用されるよう特段の行政指導に努めること。
三失業の予防、雇用機会の増大等のための新たな助成及び援助については、これらの施策の円滑かつ効果的な活用に努めること。
四公共職業訓練施設の充実強化、民間各種職業訓練施設の活用等に努めるとともに、中高年齢離職者が早期に再就職できるよう、訓練職種の設定等について配慮する等実情に即応した職業訓練体制の確立を図ること。
五今後引き続き予想される内外の経済事情の著しい変化と厳しい雇用失業情勢に対処し、雇用の維持、拡大を図るため、新たな雇用対策基本計画の策定を進める等、総合的な雇用対策の展開に努めること。
六本法の実効ある運営を確保するため、行政の実施体制を充実強化すること。
政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一現下の厳しい雇用失業情勢に対応して、本法の趣旨が最大限に生かされるよう、特定不況業種及び特定不況地域の指定に当たっては、関係省庁間の連携を密にし、かつ、実情に即応して弾力的、機動的に行うこと。
二特定不況業種の関連下請中小企業における労働者等の雇用の安定を図るため、本法に基づく援護措置が適切に活用されるよう特段の行政指導に努めること。
三失業の予防、雇用機会の増大等のための新たな助成及び援助については、これらの施策の円滑かつ効果的な活用に努めること。
四公共職業訓練施設の充実強化、民間各種職業訓練施設の活用等に努めるとともに、中高年齢離職者等の実情に即応した職業訓練体制の確立を図ること。
五今後引き続き予想される内外の経済事情の著しい変化と厳しい雇用失業情勢に対処するため、新たな雇用対策基本計画の策定を進める等、総合的な雇用対策の展開に努めるとともに、行政の実施体制を充実強化すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109801024)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。