湖沼水質保全特別措置法案
参議院 環境特別委員会
昭和59年法律第61号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- S59.4.19趣旨説明・質疑本会議 1948
- S59.5.8趣旨説明環境委員会 78
- S59.5.11質疑環境委員会 8248
- S59.5.15質疑環境委員会 9262
- S59.5.18質疑・採決・修正案趣旨説明・附帯決議・修正案環境委員会 10128
- S59.6.15委員長報告・採決・附帯決議本会議 299
参議院環境特別委員会
- S59.6.18趣旨説明・質疑本会議 1836
- S59.6.20趣旨説明環境特別委員会 7335
- S59.6.27質疑環境特別委員会 8189
- S59.6.29質疑環境特別委員会 9286
- S59.7.4参考人招致環境特別委員会 1076
- S59.7.13派遣委員報告・質疑環境特別委員会 11159
- S59.7.18質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案環境特別委員会 1232
- S59.7.20附帯決議・委員長報告・採決本会議 2439
提案理由
上田稔 環境庁長官 昭和59年4月19日湖沼水質保全特別措置法案について、その趣旨を御説明いたします。
湖沼は、古来人々の生活と生産活動を支えてきたかけがえのない国民的資産であり、現在及び将来の国民がその恵沢を享受することができるようにこれを保全していくことが必要であります。
しかしながら、湖沼の水質の現状を見れば、閉鎖性水域という自然的条件に加え、湖沼周辺で営まれております生活及び生産活動に起因する汚濁が近年特に著しく、その水質の改善を図るためには、水質汚濁防止法による排水規制等の従来の制度では不十分な状況にあります。
この法律案は、こうした状況にかんがみまして、湖沼の水質の保全を図るため、湖沼水質保全基本方針を定めるとともに、水質の汚濁に係る環境基準の確保が緊要な湖沼について水質の保全に関する計画の策定及び汚水その他の水質の汚濁の原因となる物を排出する施設に係る必要な規制を行う等の特別の措置を講じようとするものであります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、湖沼水質保全基本方針の策定であります。国は、湖沼の水質の保全に関する基本構想等を内容とする湖沼水質保全基本方針を定めることといたしております。
第二は、指定湖沼等の指定であります。内閣総理大臣は、水質の保全に関する施策を総合的に講ずる必要がある湖沼を指定湖沼といたしまして、指定湖沼の水質の汚濁に関係のある地域を指定地域として定めることといたしております。
第三は、湖沼水質保全計画の策定であります。都道府県知事は、湖沼水質保全基本方針に基づき、指定湖沼ごとに、湖沼の水質の保全に関する方針、下水道の整備その他の湖沼の水質の保全に資する事業に関すること等を内容とする湖沼水質保全計画を定めることといたしております。
第四は、指定湖沼の水質の保全に関する特別の措置であります。
その一は、指定地域内の工場または事業場に係る排出水の排出の規制であります。従来の濃度規制のほか、都道府県知事は、指定地域内の工場または事業場について、排出水に関する汚濁負荷量の規制基準を定め、水質汚濁防止法の特定施設等の新増設に係る排出水がこの規制基準に適合しないと認めるときは、改善その他必要な措置をとるべきことを命ずることができることといたしております。
その二は、みなし特定施設に係る排出水の排出の規制であります。一定規模以下の浄化槽等、湖沼の水質にとって生活環境に係る被害を生ずるおそれのある汚水等を排出する施設として政令で定める施設を水質汚濁防止法の特定施設とみなし、同法の規定を適用することといたしております。
その三は、指定施設の設置の届け出等であります。一定規模以下の畜舎等、排水基準による規制によりがたいものとして政令で定める指定施設を設置しようとしている者等について、届け出の制度を設けるとともに、都道府県知事は、その者が構造等の基準を遵守していないと認めるときは、改善の勧告、さらには、命令をすることができることといたしております。
その四は、汚濁負荷量の総量の削減であります。人口及び産業の集中等のため、排水規制等によっては水質環境基準の確保が困難な指定湖沼については、汚濁負荷量の総量を削減するための措置を講ずることといたしております。
その五は、指定湖沼の水質の保全に資するよう、緑地の保全その他湖辺の自然環境の保護に努めなければならないとしていることであります。
以上のほか、湖沼の水質の保全を図るために必要な指導、援助、関係行政機関の協力等について所要の規定を設けております。
以上が湖沼水質保全特別措置法案の趣旨でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
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湖沼水質保全特別措置法案(内閣提出)の趣旨
説明に対する質疑
第101回国会衆議院会議録第19号7頁(昭和59年4月19日)〔上田稔環境庁長官発言・発言番号39〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。湖沼水質保全特別措置法案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たって、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
一湖沼水質保全基本方針の策定に当たっては、湖沼の水質及びその周辺の自然的環境を一体のものとして保全することの重要性に十分配慮すること。
二指定湖沼の指定に当たっては、都道府県知事の意向を十分尊重し、適切に指定が行われるよう配慮すること。
三湖沼水質保全計画の実施に当たっては、下水道、し尿処理施設、農業集落排水施設等生活排水処理施設の整備その他の湖沼の水質の保全に資する事業が円滑に実施されるよう、指定地域に対する重点配分等財政的援助を強化すること。
四湖沼の富栄養化防止対策を推進するため、速やかに、リン、窒素の環境基準のあてはめ及び排水基準の設定を行うこと。
五湖沼の生態系の把握、淡水赤潮及びアオコ等の発生機構の究明等に関する調査研究を推進すること。
六湖沼が主要な水道水源となっている実情にかんがみ、医学、生物学部門を含めた総合的な調査研究体制を確立すること。
七湖沼周辺の自然環境保全を図るため、現行関係法令等諸制度を積極的に活用するとともに、必要に応じて施策の拡充強化に努めること。
八湖沼周辺地域の都市計画及び埋立・干拓については、乱開発を防止し、自然環境及び景観の調和に留意した計画を策定し、実施すること。
決議(案)近年、湖沼の環境基準は過半の水域で達成されておらず、富栄養化の進行、利水機能の障害、周辺の自然環境の喪失など危機的状況にたちいたっている。政府は、湖沼のかかる危機を深く認識し、本法の施行に当たって左の事項につき適切な措置を講ずべきである。
一湖沼の水質及びその周辺の自然環境を一体として保全するため、現行関係法令等の諸制度を積極的に活用するとともに、所要の施策の充実強化に努めること。
二湖沼水質保全計画に基づく事業を円滑に実施できるよう、指定地域に対する予算の重点的配分等の財政的援助を行うとともに、汚濁防止対策を行う中小企業等事業者に対する助成措置を講ずること。
三閉鎖性水域における水質汚濁原因の解明に資するため、湖沼の生態系の把握、淡水赤潮の発生機構の解明等の総合的な調査研究を進めること。
四本法第三十条により命令で経過措置に関する罰則を定めるに際しては、本委員会での罰則に関する審議の経緯を十分尊重し、慎重に対処すること。
五湖沼周辺地域の都市計画及び埋立・干拓については、乱開発を防止し、自然環境及び景観との調和に留意した計画を策定し、実施すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110101048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。