身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和59年法律第50号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院社会労働委員会
- S59.4.12趣旨説明社会労働委員会 6202
- S59.4.19質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 8221
- S59.4.20附帯決議・採決・委員長報告本会議 1239
衆議院社会労働委員会
- S59.5.8趣旨説明社会労働委員会 11194
- S59.6.19質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 16170
- S59.6.21採決・委員長報告・附帯決議本会議 3113
提案理由
坂本三十次 労働大臣 昭和59年4月12日ただいま議題となりました身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
身体障害者の雇用対策につきましては、昭和五十一年に身体障害者雇用促進法を全面的に改正し、身体障害者の雇用率制度による事業主の雇用義務を法的義務とするとともに、身体障害者雇用納付金制度を創設し、これらの制度を中心に、その雇用の促進と安定に努めているところであります。
この身体障害者雇用納付金制度は、身体障害者の雇用率未達成の事業主から一定額の納付金を徴収し、これを雇用率を達成している事業主に調整金として支給する等により、身体障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担を調整するとともに、身体障害者の雇用を全体的に引き上げることを目的とするものであります。
現在、この納付金制度に係る業務につきましては、特殊法人である雇用促進事業団が実施しており、その業務の一部は、認可法人である身体障害者雇用促進協会に委託されておりますが、先般の臨時行政調査会の答申におきましては、雇用促進事業団の業務の整理合理化という観点から、この納付金関係業務を身体障害者雇用促進協会に全面的に移管すべきである旨の指摘がなされているところであります。
政府といたしましては、この答申の趣旨に沿うとともに納付金回係業務の効率的な運営を確保すべく、この業務を身体障害者雇用促進協会に全面的に行わせるために必要な改正を行うこととしたものであります。
また、近年においては、障害の種類が多くなり、かつ、その内容が複雑になってきていることにかんがみ、身体障害者雇用促進法の対象となる身体障害の範囲を拡大し、その雇用対策を的確に推進することが必要となっております。
これらの観点から、政府といたしましては、この法律案を作成し、身体障害者雇用審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、現在雇用促進事業団が実施している納付金関係業務を身体障害者雇用促進協会に行わせることとしたことであります。
これに関連して、身体障害者雇用促進協会の組織及び体制についての整備を図ることといたしております。具体的には、納付金関係業務を身体障害者雇用促進協会に全面的に行わせるに当たっては、本業務の有する高い公共性にかんがみ、納付金関係業務が適正に運営されるよう身体障害者雇用促進協会について、新たに学識経験者によって構成される評議員会の設置や予算、事業計画、業務方法書に対する労働大臣の認可等所要の措置を講ずることといたしております。
第二は、身体障害の範囲を拡大することであります。
身体障害の範囲について、従来法律で定めているもののほか、新たに政令で定めることができるようにし、政令においては、人工肛門、人工膀胱の造設者等の排せつ機能障害で日常生活が著しい制限を受けるものを定める予定にしております。
なお、この法律の施行は、納付金関係業務に係る部分については昭和六十年四月一日から、身体障害の範囲の改正に係る部分については本年十月一日からといたしております。
以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第101回国会参議院社会労働委員会会議録第6号24頁(昭和59年4月12日)〔坂本三十次労働大臣発言・発言番号200〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、その実現に努力すべきである。
一身体障害者の雇用率達成指導の強化に努め、著しく雇用率が低く改善の努力に欠けると認められる企業については企業名の公表制度の活用についても十分に検討すること。
二障害の種類、特性に応じた諸対策の推進に引き続き努力するとともに、これらの諸対策が的確に遂行されるように、公共職業安定所における職業紹介・指導体制の充実・強化を図ること。
三就職している障害者の雇用の安定・維持を図るため就職後の定着指導等のフォローアップに努力すること。
四マイクロ・エレクトロニクス等産業構造の変化に対応して新たな障害者の職域開発の推進を図るとともに、これに即応した先駆的な職業訓練の推進に努めること。
五精神薄弱者の雇用の促進と安定を図るための条件整備対策を充実するとともに、雇用率の適用問題について検討を進めること。
六身体障害者雇用促進協会における納付金関係業務が的確に遂行されるように十分に指導するとともに、助成金については、所期の目的が達せられるよう努力すること。
政府は、本法の施行に当たり、障害者の雇用の促進と安定を図るため、次の事項について、その実現に努力すべきである。
一身体障害者の雇用率達成指導の強化に努め、身体障害者の雇用に消極的な企業については、企業名の公表制度の活用についても十分に検討すること。
二公共職業安定所における職業紹介及び職業指導体制の充実強化に努めるとともに、障害の種類、特性に応じたきめ細かな諸対策の推進に努めること。
三障害者の雇用の安定と維持を図るため、就職後の定着指導等のフォローアップに努めること。
四マイクロ・エレクトロニクス等産業構造の変化に対応した障害者の職域開発の推進を図るとともに、障害者の実情に即応した職業訓練体制の充実に努めること。
五精神薄弱者の雇用の促進と安定を図るための条件整備対策の充実強化に努めるとともに、雇用率の適用問題の検討を進めること。
六納付金関係業務が的確に遂行されるよう身体障害者雇用促進協会を十分指導するとともに、助成金については、所期の目的が達せられるよう審査及びフォローアップ体制の充実を図ること。
七総合的なリハビリテーション施設の設置に努めるとともに、職業リハビリテーションに従事する専門職員の養成、研修体制の充実強化に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110101049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。