日本たばこ産業株式会社法案
参議院 大蔵委員会
昭和59年法律第69号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会・大蔵委員会地方行政委員会農林水産委員会連合審査会
- S59.4.27趣旨説明・質疑本会議 2233
- S59.5.18趣旨説明大蔵委員会 244
- S59.6.20質疑大蔵委員会 2528
- S59.6.22質疑大蔵委員会 26249
- S59.6.29質疑大蔵委員会 27266
- S59.7.3質疑大蔵委員会 28289
- S59.7.4質疑大蔵委員会 29295
- S59.7.6質疑大蔵委員会 30312
- S59.7.10参考人招致・質疑大蔵委員会 31228
- S59.7.11質疑大蔵委員会 32299
- S59.7.12質疑大蔵委員会地方行政委員会農林水産委員会連合審査会 1117
- S59.7.13質疑・討論・採決・附帯決議大蔵委員会 34305
- S59.7.17委員長報告・討論・採決・附帯決議本会議 3616
参議院大蔵委員会・大蔵委員会,地方行政委員会,農林水産委員会,商工委員会連合審査会
- S59.7.20趣旨説明・質疑本会議 2439
- S59.7.24趣旨説明・質疑大蔵委員会 24260
- S59.7.26質疑大蔵委員会 25265
- S59.7.30参考人招致大蔵委員会 2689
- S59.7.31質疑大蔵委員会 27264
- S59.8.1質疑大蔵委員会,地方行政委員会,農林水産委員会,商工委員会連合審査会 1190
- S59.8.2質疑・討論・採決・附帯決議大蔵委員会 28250
- S59.8.3附帯決議・委員長報告・討論・採決本会議 2717
提案理由
竹下登 大蔵大臣 昭和59年4月27日次に、日本たばこ産業株式会社法案につきまして御説明申し上げます。
たばこ専売制度の廃止及びたばこの輸入自由化に伴い、我が国たばこ事業は、輸入たばことの対等な競争関係のもとで営まれることとなります。
このような状況下において、我が国たばこ産業の健全な発展等を図るためには、日本専売公社の経営形態を政府関係特殊法人の中で最も経営の自主性の認められる特殊会社に改組することが必要であります。このため、日本専売公社法を廃止し、新たに日本たばこ産業株式会社法を制定することとした次第であります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、日本たばこ産業株式会社は、製造たばこの製造、販売及び輸入に関する事業を経営することを目的とする株式会社とすることとしております。
第二に、日本たばこ産業株式会社の株式については、本則で、発行済み株式の総数の二分の一以上、附則で、当分の間、三分の二以上の保有義務を政府に課することとしており、さらに、政府がその保有する株式を処分するに際しては、国会の議決を経なければならないこととしております。
第三に、事業計画の認可等の公的規制に関する規定を設けておりますが、いずれも公益性を担保するための必要最小限のものにとどめており、可能な限り企業の自主性にゆだねることとしております。
次に、塩専売法案につきまして御説明申し上げます。
塩専売事業は、現在、日本専売公社が実施しておりますが、今回、本法律案とともに御提案申し上げております日本たばこ産業株式会社法案により、公社が日本たばこ産業株式会社に改組されることに伴い、塩専売事業を当該会社に実施させることとし、このために必要な措置を講ずる等所要の規定の整備を行うこととし、このため、塩専売法の全部を改正することとした次第であります。
以下、その大要を申し上げます。
第一に、塩専売事業が公益専売である旨を明らかにした目的規定を新たに設けることとしております。
第二に、国に専属する専売機能を日本たばこ産業株式会社に行わせることとし、このため、塩専売事業を実施する上での公共性を担保するための所要の措置を講ずることとしております。
その他、今後国内塩産業の自立化の目途が得られた段階で、本法律案について検討を加えることとする規定を設けるほか、所要の措置を講ずることとしております。
第101回国会衆議院会議録第22号2頁(昭和59年4月27日)〔竹下登大蔵大臣発言・発言番号21〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
今次改革は、約八十年にわたる専売制度及び約三十年に及ぶ公社制度の大転換である。たばこをめぐる外国との競争の激化、社会的環境の変化等、厳しい内外情勢の下、新会社は将来とも民営・分割することなく、今日まで専売公社制度が果たしてきた社会的、公共的役割を継承しなければならない。本改革は消費者に「安くて、うまくて、安心して吸える」たばこの供給と地域経済の発展に貢献するものでなければならず、移行に当たっては、たばこ耕作者、だはこ小売人、関連産業等事業関係者の不安にも適切に対処することが必要である。したがって、政府及び新会社は、以下の事項について万全の対策と最善の努力を傾けること。
一政府は、新会社の自主性と責任体制との強化確立のため、所有と経営の分離の立場を守るとともに、各種の監督規定等の公的規制を極力排除し、積極的かつ活力ある経営ができ得るよう配慮すること。
二新会社は、我が国たばこ産業の健全な発展を図るため、一層の経営の効率化、合理化に努めるとともに、事業範囲の拡大、研究開発を積極的に推進し、経営基盤の強化を図ること。
三新会社は、職員の雇用の安定、労働条件の維持・向上等一層安定した労使関係、労働三法に基づく公正な労使慣行の樹立等近代的・民主的な労使関係の確立に努めること。
四政府は、事業計画等の許認可に当たっては、輸入自由化の下で厳しい国際競争を迫られる新会社の経営の自主性の発揮を妨げることにならないよう十分に配慮すること。
五政府は、新会社への移行に伴う資金問題、新たな税負担等から新会社の財政負担が増加することにかんがみ、必要に応じ適切な配慮を行うこと。
六国内葉たばこ生産の長期的な安定化を図るため、新会社及びたばこ耕作者は一層の生産性の向上、品質の改善に努めるとともに、今後の葉たばこ耕作の在り方について、耕作者の理解と合意を深めるため、葉たばこ審議会の民主的な構成と運営の確保に十分配慮すること。
七政府は、国内葉たばこ生産の安定化と国内製品の競争力の確保を将来にわたり両立させるため、農政費用負担の在り方等その方策について、多角的に検討すること。
八政府は、国内産葉たばこの実情等にかんがみ、製造たばこの現行関税率水準を将来とも維持するよう努めること。
九政府は、たばこ小売店の零細性にかんがみ、許可制度の適切な運用等により流通秩序を維持し、その経営基盤と生活の安定に十分配慮すること。
十たばこ消費税の税率については、現行の納付金率の水準に配意し、国・地方の安定的な財政収入の確保という観点のほか、今後におけるたばこ消費の動向等にも即して適正な水準を維持するよう努めること。
十一昨今の国民の喫煙と健康に関する関心の高まりにかんがみ、喫煙と健康の科学的研究をより充実し、国民が安心して吸えるたばこの供給が図られるよう努めるとともに、非喫煙者の健康を守りたいとする立場にも十分配慮するほか、広告・宣伝が過度にわならないよう留意し、未成年者の喫煙を誘発するおそれのある広告・宣伝は厳に自粛すること。
十二塩が国民生活の重要な物資であることから、公益専売制度を維持するとともに、食料用塩の自給率の向上に努めること。
十三国内塩産業の自立体制の確立に向けて生産面及び流通面の一層の合理化を推進するとともに、その推進に当たっては、今後関係業界と十分協議の上、画一的でなく業界の実態に即した方策により行うこと。
十四販売特例塩制度の積極的拡大を図り、生産流通各企業の自主性の強化及び市場競争環境の整備を一層推進し、もって塩産業の自立化の促進に資すること。
十五たばこ事業等審議会をはじめ各種審議会の構成運営に当たっては、たばこ事業及び塩事業関係者の意見が十分反映されるよう配意するとともに、公正かつ民主的な構成と運営が期せられるよう十分配慮すること。
十六塩専売事業運営委員会の構成については、産業界等からも塩の生産流通に関しすぐれた識見を有する人材を幅広く求めることとし、運営に当たっては、塩事業の実情も踏まえ、塩事業関係者の意見が十分反映されるよう配意するとともに、塩専売事業の公共性の確保、国内塩産業の自立化達成等本法の趣旨が十分活がされるよう努めること。
十七日本専売公社総裁の諮問機関としての塩業審議会及び塩収納価格審議会については、従来の経緯にかんがみ、本法施行後においても引き続き塩事業責任者の諮問機関として存置すること。
十八新会社の役員の選解任に関する大蔵大臣の関与の在り方については、本法律施行後、新会社の経営の自主性の確保と責任体制の強化を図るという本法律の趣旨に照らし、その運用の実態について問題が生じた場合には、必要に応じ所要の措置を講ずること。
十九政府は、たばこ事業法及び日本たばこ産業株式会社法の施行後、我が国たばこ産業を取り巻く諸情勢を見極めつつ制度改革の趣旨に沿って、両法律の施行の状況について検討を行い、その結果に基づいて適切な措置を講ずること。
今次改革は、外国との競争激化、社会的環境の変化等、たばこをめぐる厳しい内外情勢のもとで、永年にわたり培われてきた専売制度及び公社制度を抜本的に変革するものであるが、専売公社制度が今日まで果たしてきた社会的・公共的役割を継承しつつ、新会社は民営・分割することなく、消費者に対するたばこの安定的供給と地域経済の発展に寄与するものでなければならない。したがって、新制度への移行に当たって、政府及び新会社は、たばこ及び塩事業関係者の不安を解消するため、次の事項について十分配意すべきである。
一政府は、新会社に対する各種の監督規定等については公的関与を極力排除し、役員の選解任・事業計画策定等に係る認可に当たっては新会社の経営の自主性を発揮できるよう十分に配慮すべきである。また、新会社は、我が国たばこ産業の健全な発展を図るため、事業範囲の拡大、研究開発の推進等に努め、経営基盤の強化を図るとともに、職員の雇用の安定、労働条件の維持・向上、労働三法に基づく公正な労使慣行の樹立等、近代的・民主的な労使関係を確立し、もって一層の経営の効率化・合理化が図られるよう努めるべきである。
二政府は、新会社への移行に伴う資金問題及び新たな納税義務等の負担が増加することにかんがみ、必要に応じ適切に配慮すべきである。また、政府は、国内産葉たばこの実情及び租税負担等をかかえて発足する新会社の経営実態等にかんがみ、輸入製造たばこの現行関税率水準を維持するよう努めるとともに、たばこ消費税については、今後とも、現行の納付金率の水準、国・地方の安定的な財政収入の確保、たばこの消費動向等に配意して決定するよう努めるべきである。
三政府は、国内葉たばこ生産の安定と国内製品の競争力確保とを両立させるため、災害補償制度を存続し、民主的な標本決定を維持することとし、農政費用負担のあり方等について多角的に検討を加えるとともに、たばこ小売店についての許可制度の適切な運用等により流通秩序を維持し、その経営と生活の安定に十分配慮すべきである。
四塩が国民生活の必需品であることにかんがみ、公益専売制度を維持するとともに食料用塩の自給率の向上に努め、あわせて塩の生産・流通業界の実態に即しつつ、生産・流通両面の一層の合理化を推進し、さらに、販売特例塩の積極的拡大を図り、もって国内塩産業の自立体制を確立すべきである。
五各種審議会の構成と運営については、たばこ事業及び塩事業関係者の意見が十分反映されるよう配意するとともに、公正かつ民主的な構成と運営が期せられるよう十分配慮すべきである。
六塩専売事業運営委員会の構成については、産業界からも塩の生産流通に関しすぐれた識見を有する人材を広く求めることとし、運営に当たっては、塩事業の実情をも踏まえ、塩事業関係者の意見が十分反映されるよう配意すべきである。また、日本専売公社総裁の諮問機関としての塩業審議会及び塩収納価格審議会については、従来の経緯にかんがみ、本法施行後においても引き続き塩事業責任者の諮問機関として存置すべきである。
七最近における喫煙と健康に関する国民的関心の高まりにかんがみ、新会社は喫煙と健康に関する科学的研究をより一層充実し、国民が安心して吸えるたばこの供給が図られるよう努めるとともに、非喫煙者の健康を守りたいとする立場にも配意すべきである。また、広告・宣伝が過度にわたらないよう留意し、未成年者の喫煙を誘発するおそれのある広告・宣伝は厳に自粛するよう努めるべきである。右、決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110101075)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。