道路交通法の一部を改正する法律案
衆議院 交通安全対策特別委員会
昭和60年法律第87号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院交通安全対策特別委員会・交通安全対策特別委員会地方行政委員会連合審査会
- S60.4.17趣旨説明交通安全対策特別委員会 3202
- S60.4.22質疑交通安全対策特別委員会 4250
- S60.4.24質疑交通安全対策特別委員会地方行政委員会連合審査会 1137
- S60.5.15質疑・採決・附帯決議交通安全対策特別委員会 5200
- S60.5.17委員長報告・採決・附帯決議本会議 2812
参議院地方行政委員会
- S60.6.6質疑地方行政委員会 18237
- S60.6.11質疑・採決・附帯決議地方行政委員会 19260
- S60.6.19附帯決議・委員長報告・採決本会議 2141
提案理由
古屋亨 自治大臣・国家公安委員長 昭和60年4月17日ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の槻要を御説明いたします。
この法律案は、最近における道路交通の実情にかんがみ、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路交通に起因する障害の防止に資するため、座席ベルトの装着及び乗車用ヘルメットの着用に関する規定その他運転者の義務に関する規定を整備するとともに、原動機付自転車の右折方法に関する規定を整備し、あわせて違法駐車車両に関する措置の合理化を図ること等をその内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を説明いたします。
まず第一に、原動機付自転車の右折方法につき特例を認めることであります。
これは、現在、原動機付自転車は自動車と同様の方法で右折しなければならないこととされておりますが、これでは、広幅員の道路等においては危険を生ずる場合もありますので、そのようなときには、軽車両、すなわち自転車等と同様の方法で右折させようとするものであります。
第二に、違法駐車車両に関する措置に関する規定の整備であります。
現在、違法駐車車両を移動保管した場合において引き取り人があらわれないときについては、何らの規定も置かれておらず、このため、保管がかなり長期間に及ぶ車両もあります。そこで、この点を改め、所有者の氏名が不明である場合等にあっては、公示後六月をもってその所有権を都道府県に帰属させる等所要の措置を講じようとするものであります。なお、保管費用等の現在の徴取手続には督促規定がないので、これを明文で定めております。同様の改正は、違法工作物の除去費用等の徴取手続に関しましても行うこととしております。
第三に、運転者の遵守事項に関する規定の整備であります。
その一は、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で自動車等を急発進させること等をしてはならないこととすることであります。
その二は、運転者が座席ベルトを装着しないで、または助手席同乗者に座席ベルトを装着させないで自動車を運転してはならないこととすることであります。
その三は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならないこととし、あわせて自動二輪車免許を受けて一年に満たない者は、いわゆる二人乗りをしてはならないこととすることであります。
その四は、初心運転者のうち、法令違反を犯し、一定の基準に該当することとなった者は、都道府県公安委員会の行う講習を受けなければならないこととすることであります。
その他、手数料に関する規定及び期間に関する規定を整備するとともに、本法改正に伴い必要な規定の整備をすることとしております。
なお、この法律の施行日は、改正規定の内容によって分けております。
まず、期間の特例に関する規定は、できるだけ早い日時が望ましいので、公布の日から施行することとしております。
次に、違法駐車車両に関する措置及び違法工作物等を除去保管等した場合の費用徴取手続についての規定は、ある程度の準備期間が必要となりますので、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。
次に、いわゆる初心者講習に関する規定は、電子計算組織の準備等が必要でありますので、来年の一月一日から施行することとしております。
次に、原動機付自転車の運転者の乗車用ヘルメット着用義務に関する規定は、ヘルメットの生産能力を勘案して、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することとしております。
その他の規定につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令の定める日から施行することとしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同を賜らんことをお願いいたします。
第102回国会衆議院交通安全対策特別委員会議録第3号25頁(昭和60年4月17日)〔古屋亨自治大臣発言・発言番号198〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
まず、案文を朗読させていただきます。道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たっては、本法が国民の日常生活に密接したものであることにかんがみ、その趣旨の周知徹底を図るとともに、特に次の事項について留意すべきである。
一座席ベルトの効果と正しい着用方法の広報活動及び締め易い座席ベルトへの改善指導を行う等着用率向上のための施策の推進に努めるとともに、助手席同乗者の着用義務に対する運転者の責務については弾力的運用を図ること。
二一般道路における座席ベルトの非着用に対する行政処分点数の付加については、一般道路における着席率がおおむね過半数に達した段階で実施に移すよう配慮すること。なお、ベルト着用率の推進状況を適宜当委員会に報告すること。
三座席ベルト着用義務化に伴う除外対象については、運転者の利便を考慮し、業務及び日常生活に支障を来さぬよう、その範囲及び取締り対象道路について弾力的な運用を行うよう留意すること。
四今回の法改正による取締り規定の運用、特に、空ふかしによる騒音禁止及び初心の自動二輪運転者の二人乗り禁止規定の運用に当たっては、公平性を保ち、いやしくも取締りのための取締りに偏することのないよう、現場警察官への教育、指導に周到な配慮をすること。
五違法駐車車両の移動、保管後の措置については、国民の財産権の侵害にならないよう、所有権者等の調査の徹底及び車両価額の評価、売却等の手続きに当たって慎重なうえにも慎重を期すること。
六交通事故とりわけ営業用貨物自動車、営業用乗用自動車の事故抑止のため、過積載、過労運転等に対する施策を強力に推進すること。
七自動車交通の伸張にかんがみ、道路交通の安全と円滑を図り、快適な交通環境を確保するため、引き続き交通安全施設等整備事業を計画的に推進すること。
政府は、左の諸点について善処すべきである。
一座席ベルトの効果と正しい着用方法の広報活動及び締め易い座席ベルトへの改善指導を行う等着用率向上のための施策の推進に努めるとともに、助手席同乗者の着用義務に対する運転者の責務については弾力的運用を図ること。
二一般道路における座席ベルトの非着用に対する行政処分点数の付加については、一般道路における着用率が全国的におおむね過半数に達した段階で実施に移すよう配慮すること。なお、ベルト着用率の推進状況を適宜当委員会に報告すること。
三座席ベルト着用義務化に伴う除外対象については、運転者の利便と安全を考慮し、業務及び日常生活に支障を来さぬよう、その範囲及び取締り対象道路について弾力的な運用を行うよう留意すること。
四今回の法改正による取締り規定の運用、特に、空ふかしによる騒音禁止及び初心の自動二輪運転者の二人乗り禁止規定の運用に当たっては、公平性を保ち、いやしくも取締りのための取締りに偏することのないよう、現場警察官への教育、指導に周到な配慮をすること。
五違法駐車車両の移動、保管後の処置については、国民の財産権の侵害にならないよう、所有権者等の調査の徹底及び車両価額の評価、売却等の手続きに当たって慎重なうえにも慎重を期すること。
六交通事故とりわけ営業用貨物自動車、営業用乗用自動車の事故抑止のため、過積載、過労運転等に対する施策を強力に推進すること。
七自動車交通の伸張にかんがみ、道路交通の安全と円滑を図り、快適な交通環境を確保するため、引き続き交通安全施設等整備事業を計画的に推進すること。
八手数料の決定に際しては、実費を勘案した合理的な手数料額とするとともに、安易な引上げは行わないよう配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110201051)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。