児童手当法の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和60年法律第74号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S60.5.30趣旨説明社会労働委員会 2323
- S60.6.6質疑社会労働委員会 24390
- S60.6.13修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案社会労働委員会 2538
- S60.6.14委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 3637
参議院社会労働委員会
- S60.6.18趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案社会労働委員会 26258
- S60.6.19附帯決議・採決・委員長報告本会議 2141
提案理由
増岡博之 厚生大臣 昭和60年5月30日ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案についてその提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
児童手当制度は、昭和四十七年、次代の社会を担う児童の養育の場である家庭の生活を安定させ、児童の健全な育成と資質の向上を図るための制度として、とりあえず、第三子以降の児童を対象として発足いたしました。
この制度については、その後の社会経済情勢の変化等を背景として、昭和五十六年七月の臨時行政調査会第一次答申において、制度の見直しの要請がなされ、これを受けて、同年十二月、いわゆる行革国会で成立した行革関連特例法により、所得制限の強化及びこのため手当を受給できなくなる被用者等に対する特例給付の支給という措置が実施されております。
この法律では、本年六月を目途として制度全般を見直す旨が規定されており、さらに、昨年七月の臨時行政改革推進審議会の意見書でも、制度の見直しを速やかに実施するよう要請されております。
このような背景から、これまで児童手当制度について抜本的な制度改革を行うべく検討を重ねてまいりましたが、次代を担う児童の養育費を社会的に分担し、児童の健全育成の基本的な場である家庭の経済的な基盤強化に資するという児童手当制度の意義に照らし、また、我が国の近年における出生数の減少傾向、人口の高齢化の進展をも考慮し、児童を養育している者が広く手当の支給を受けられるようにする必要があるとの観点から、当面、給付面について所要の改正を行うため、本改正案を提出した次第であります。
次に、改正案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、支給対象児童の範囲につきましては、第三子以降としている現行制度を改め、第二子以降を支給対象とすることといたしております。
第二に、支給期間につきましては、支給対象児童の大幅な拡大を勘案し、小学校入学前の期間を対象とすることといたしております。
第三に、手当月額につきましては、今回新たに支給対象となる第二子については、二千五百円、第三子以降の児童については、現行制度と同様五千円とすることとしております。
第四に、改正制度の実施時期につきましては、行革関連特例法の適用期限との連続性等を考慮いたしまして、昭和六十一年六月一日とすることとしております。
第五に、制度改正の実施の方法につきましては、現行制度の受給者に配慮し、制度の移行を円滑にするため、三年間で段階的に実施するという移行措置を講ずることといたしております。
第六に、将来の制度のあり方につきましては、費用負担を含め本制度について幅広い論議を深めつつ、引き続き、検討を重ね、所要の措置を講ずる旨を明らかにすることとしております。
第七に、当面の所得制限額の設定につきましては、今回の改革が財政再建下という厳しい状況下での制度の再出発でありますので、昭和六十六年五月までの間、現行水準程度とすることとし、この所得制限によって手当を受給できない被用者等については、引き続き、現行特例制度と同様の特例的な給付を実施することとしております。
その他所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律を提出する理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第102回国会衆議院社会労働委員会議録第23号4頁(昭和60年5月30日)〔増岡博之厚生大臣発言・発言番号21〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、今後の高齢化社会における児童手当制度の果たすべき役割の重要性にかんがみ、次の事項につき、速やかに検討し、実現に努めるべきである。
一高齢化社会に対応した社会保障制度整備の一環として、児童養育費が家計に及ぼす影響、出生数の動向等を勘案し、長期的展望に立って、将来における児童手当制度の位置づけ及び国民の費用負担の在り方について、可及的速やかに明確な基本方針を示し、国民的合意の形成を図ること。
二これを踏まえ、速やかに児童手当の支給対象児童の範囲、支給期間、手当額、所得制限、国民の費用負担方式等について抜本的に再検討し、制度の充実を図ること。
三新制度の実施に当たっては、新受給者が漏れなく手当の支給を受けられるよう、周知・ 徹底を図ること。
政府は、次の事項につき、速やかに検討し、実現に努めるべきである。
一今後における児童手当制度の役割の重要性にかんがみ、社会保障制度整備の一環として、児童養育費が家計に及ぼす影響、出生数の動向等を勘案し、長期的展望に立って、将来における児童手当制度の位置づけ及び国民の費用負担の在り方について、可及的速やかに明確な基本方針を示し、国民的合意の形成を図ること。
二速やかに児童手当の支給対象児童の範囲、支給期間、手当額、所得制限、国民の費用負担方式等について抜本的に再検討し、制度の充実を図ること。
三新制度の実施に当たっては、新受給者が漏れなく手当の支給を受けられるよう、周知・徹底を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110201078)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。