TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第104回国会›閣法第68号
閣法第104回国会 第68号成立

扶養義務の準拠法に関する法律案

昭和61年法律第84号 扶養義務の準拠法に関する法律
提出昭和61年3月17日 内閣
付託参議院 法務委員会
衆議院 法務委員会
成立昭和61年5月21日
昭和61年法律第84号
審議会議 8回・発言 583(政府答弁等 236)

審議経過

右の数字は会議の発言数

参議院法務委員会

  1. S61.3.27趣旨説明法務委員会 4316
  2. S61.4.10質疑法務委員会 6215
  3. S61.4.22参考人招致法務委員会 740
  4. S61.4.24質疑法務委員会 8211
  5. S61.4.25採決・委員長報告本会議 1324

衆議院法務委員会

  1. S61.5.13趣旨説明法務委員会 116
  2. S61.5.20質疑・採決法務委員会 1390
  3. S61.5.21委員長報告・採決本会議 3040

提案理由

鈴木省吾 法務大臣 昭和61年3月27日

扶養義務の準拠法に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。

 昭和四十八年にヘーグ国際私法会議において、扶養義務に関する各国国際私法の統一を目的として扶養義務の準拠法に関する条約が作成され、同条約は、昭和五十二年に発効し、現在までにフランス、イタリア、スイス等七カ国が批准または受諾をしております。この条約は、扶養義務の準拠法、すなわち国際的性質を有する扶養について適用されるべき法律を定めるものであります。

 この法律案は、我が国がこの条約を締結することに伴い、国内法上、所要の措置を講じようとするものでありまして、夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養義務の準拠法に関し必要な事項を定めることを目的としております。

 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、扶養義務は、扶養権利者の常居所地法によって定めるものとしております。

 これは、扶養の問題は、扶養権利者が現実に生活を営んでいる社会と密接に関係するため、その者が常居所を有している地の法律によって規律するのが妥当であるとの考えによるものであります。

 また、扶養権利者の保護を図るため、扶養権利者の常居所地法によればその者が扶養義務者から扶養を受けることができないときは、扶養義務は、当事者の共通本国法によって定めるものとし、さらに、当事者の共通本国法によっても扶養を受けることができないときは日本の法律によって定めるものとしております。

 第二に、傍系親族間及び姻族間の扶養義務の準拠法の特例を設け、これらの親族間の扶養義務については、扶養義務者は、一定の要件のもとに、扶養権利者の請求に対して異議を述べることができるものとしております。これは、傍系親族及び姻族のような身分関係の遠い親族間の扶養について、扶養義務者を保護しようとするものであります。

 第三に、離婚をした当事者間の扶養義務は、離婚と密接に関係することから、特則を設け、これらの者の間の扶養義務は、その離婚について適用された法律によって定めるものとしております。

 第四に、公的機関の費用償還を受ける権利の準拠法及び扶養義務の準拠法の適用範囲等について若干の規定を設けております。

 第五に、経過措置として、この法律の施行前の期間に係る扶養義務については、なお従前の例によるものとし、また、この法律の制定に伴い、法例に所要の改正を加えることとしております。

 以上が扶養義務の準拠法に関する法律案の趣旨であります。

 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

第104回国会参議院法務委員会会議録第4号29頁(昭和61年3月27日)〔鈴木省吾法務大臣発言・発言番号314〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110401068)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。