外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法案
参議院 法務委員会
昭和61年法律第66号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
鈴木省吾 法務大臣 昭和61年4月11日外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
近年、我が国と諸外国との人的、物的交流は活発化の一途をたどっており、これに伴い、国際的法律事務もますます増大する傾向にあります。しかしながら、我が国の現行制度は、外国法について専門的知識を有する外国の弁護士が我が国において事務所を開設して法律事務を行う道を閉ざしており、増大する国際的法律事務に的確に対処するには不十分なものとなってきていると言わざるを得ず、他方、我が国の弁護士が外国において日本法に関する法律事務を行うことも必ずしも十分に保証されているとは言いがたい状況にあります。
そこで、この法律案は、このような状況にかんがみ、渉外的法律関係の安定を図り、あわせて、外国における日本法に閲する法律事務の取り扱いの充実に資するため、相互の保証のもとに、外国の弁護士となる資格を有する者が国内において外国法に関する法律事務を取り扱うことができる道を開き、かつ、その法律事務の取り扱いを弁護士の例に準じて規律する等の特別の措置を講じようとするものであります。
この法律案の要点を申し上げますと、
第一は、外国法事務弁護士となるには、法務大臣の承認を受け、かつ、日本弁護士連合会の登録を受けなければならないものとし、その要件及び手続を定めるものとしていることであります。すなわち、まず、相互主義の要件を満たす外国の弁護士となる資格を有し、かづ、五年以上当該外国において実務を行った経験を有すること等の一定の基準に適合する者は、法務大臣の承認を受けることができるものとするとともに、その承認申請手続等について所要の規定を設けることといたしております。次に、法務大臣の承認を受けた者が外国法事務弁護士となるには、日本弁護士連合会に備える外国法事務弁護士名簿への登録を受けなければならないものとするとともに、我が国の弁護士の例に準じた登録請求手続等を定めることといたしております。
第二は、外国法事務弁護士の職責及び業務の範囲を定めるものとしていることであります。すなわち、外国法事務弁護士は、我が国の弁護士と同様の使命及び職責を有するものとするとともに、我が国の裁判所における訴訟手続の代理等一定の法律事務を除き、原資格を取得した外国の法に関する法律事務を行うことを職務とするものといたしております。また、他の外国の弁護士となる資格を有する等一定の要件を備える外国法事務弁護士は、当該外国の法につき法務大臣の指定を受け、かつ、外国法事務弁護士名簿の登録に指定法の付記を受けたときは、原資格を取得した外国の法に関する法律事務のほか、指定法に関する法律事務を行うことができることといたしております。
第三は、外国法事務弁護士の権利及び義務を定め、その業務の適正を図るものとしていることであります。すなわち、外国法事務弁護士の権利及び義務は我が国の弁護士の例に準ずるものとするほか、外国法事務弁護士の名称、事務所、我が国の弁護士との関係等について、外国法事務弁護士の特性に応じた規律をすることといたしております。
第四は、外国法事務弁護士は弁護士会及び日本弁護士連合会に入会するものとし、弁護士会及び日本弁護士連合会が、その指導、連絡及び監督に関する事務を行うものとしていることであります。なお、弁護士会及び日本弁護士連合会は、外国法事務弁護士に関し会則を定めるものとし、外国法事務弁護士は、その制定または改廃の議決に加わることができるものといたしております。
第五は、外国法事務弁護士の登録及び懲戒に関する処分の適正を図るため、日本弁護士連合会に特別の機関を置くものとしていることであります。すなわち、登録に関する審査を行う外国法事務弁護士登録審査会、懲戒に関する調査を行う外国法事務弁護士綱紀委員会及び懲戒に関する審査を行う外国法事務弁護士懲戒委員会を置くものとし、弁護士、裁判官、検察官、政府職員及び学識経験者がその委員となることといたしております。
以上が外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
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第104回国会衆議院法務委員会議録第5号1頁(昭和61年4月11日)〔鈴木省吾法務大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110401081)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。