公害健康被害補償法の一部を改正する法律案
参議院 環境特別委員会
昭和62年法律第97号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- S62.5.19趣旨説明・質疑本会議 1821
- S62.8.18趣旨説明・質疑環境委員会 2312
- S62.8.21質疑環境委員会 3194
- S62.8.22参考人招致環境委員会 496
- S62.8.25質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・修正案・採決(修正)環境委員会 5198
- S62.8.27委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1331
- S62.9.18参議院回付案同意・参議院回付案本会議 1921
参議院環境特別委員会
- S62.8.31趣旨説明・質疑本会議 934
- S62.9.2趣旨説明・質疑環境特別委員会 3255
- S62.9.4参考人招致環境特別委員会 4111
- S62.9.9質疑環境特別委員会 6185
- S62.9.16質疑環境特別委員会 7238
- S62.9.17質疑環境特別委員会 874
- S62.9.18質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案環境特別委員会 9447
- S62.9.18附帯決議・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 1251
提案理由
稲村利幸 環境庁長官 昭和62年5月19日公害健康被害補償法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
公害健康被害補償制度は、汚染原因者の負担に基づき、著しい大気の汚染等による公害健康被害者について、その迅速かつ公正な保護を図ってきたものであります。
我が国の大気汚染の状況は、近年全般的には改善の方向にあり、中央公害対策審議会において、三年にわたり検討が進められた結果、昨年十月、公害健康被害補償法の第一種地域のあり方について答申が取りまとめられたところであります。
この答申は、現在の大気汚染の状況のもとでは、原因者の負担に基づき個人に対する補償を行うことは、民事責任を踏まえた本制度の趣旨を逸脱することとなるため、現行の第一種地域の指定をすべて解除することが相当であり、今後は個人に対する補償を行うのではなく、総合的な環境保健施策を推進することが適当であるとしております。
今回の改正は、本制度をより公正で合理的なものとするため、中央公害対策審議会の答申を踏まえ、第一種地域の指定がすべて解除された場合に対応できるようにするものであります。
次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
第一は、法律の題名及び月内の改正であります。
今回の改正においては、新たに大気汚染の影響による健康被害の予防のために必要な事業を実施し、健康の確保を図ることとしているため、法律の題名を「公害健康被害の補償等に関する法律」に改め、あわせて目的について同様の趣旨をつけ加えております。
第二は、費用負担に関する規定の整備であります。
これは、第一種地域の指定がすべて解除された場合においても、解除前に認定を受けた患者に対する補償を継続することができるように、解除前のばい煙発生施設等設置者から賦課金を徴収することとする等、その費用負担の仕組みを原因者負担の観点から整備するものであります。
第三は、公害健康被害補償協会の業務等に関する改正であります。
総合的な環境保健施策を推進するため、協会の業務に、大気汚染の影響による健康被害の予防に関する調査研究等の実施及び地方公共団体が行う健康相談等の事業に対する助成に関する業務を新たに加えております。あわせて、協会の名称も「公害健康被害補償予防協会」に改めることとしております。
また、これらの事業に必要な費用に関し、大気汚染の原因者等から拠出される拠出金を財源とする基金を設けることとしております。
この法律案の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内の政令で定める日としております。
以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
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公害健康被害補償法の一部き改正する法律案
(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第108回国会衆議院会議録第18号1頁(昭和62年5月19日)〔稲村利幸環境庁長官発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読をいたします。公害健康被害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講すべきである。
一大気汚染から地域住民の健康を保護するため、新たに発症する慢性閉塞性肺疾患患者に配慮した事業を行うなど健康被害防止事業を効果的に実施すること。
二大気汚染の影響による健康被害を予防することの重要性にかんがみ、大気汚染の原因者及び大気汚染の原因にかかわりのある者に基金への拠出を確実に行わせるよう、中小企業に配慮しつつ、適切な措置を講ずること。
三認定患者の認定更新等に当たっては、その保護に欠くことのないよう配慮するとともに、その健康回復のための事業を一層充実すること。
四主要幹線道路沿道等の局地的汚染については、その健康影響に関する科学的知見が十分でない現状にかんがみ、調査研究を積極的に推進するとともに、その結果に基づいて、必要に応じ、被害救済の方途を検討すること。
五複合大気汚染による健康影響について、環境保健サーベイランス・システムを早急に構築し、地域住民の健康を観察して、必要に応じ、適切な措置を講ずること。
六大都市地域における窒素酸化物等による大気汚染については、早急に環境基準の達成を図るため、ディーゼル車・大型車を中心とした自動車排ガス等の規制を強化するとともに、輸送の共同化、立体交差化等の自動車交通対策、電気自動車・メタノール車等の低公害車の普及のための助成等の諸対策を総合的、計画的に推進すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講すべきである。
一我が国の最近の大気汚染は、二酸化窒素と大気中粒子状物質が特に注目される汚染物質であることにかんがみ、二酸化硫黄のみならず、これらの物質を大気汚染の要素として認め、対策を一層推進すること。
二第一種地域の指定を解除する場合には、指定地域の市区町村からの意見があった場合はその意見を聴くとともに、未申請者にも配慮して十分な周知期間を置くこと。
三既被認定患者に対する認定更新等に当たっては、その保護に欠くことのないよう配慮するとともに、治癒によって制度を離脱した者についても、フォローアップに努めること。また、患者の健康回復を図るための公害保健福祉事業を一層充実させるとともに、国公立医療機関に、公害患者のための相談窓口設置に努めること。
四主要幹線道路沿道等の局地的汚染については、その健康影響に関する科学的知見が十分でない現状にかんがみ、調査研究を積極的に推進するとともに、その結果に基づいて必要に応じ被害者認定の要件を明確にするなど、被害救済の方途を検討すること。
五大気汚染による健康影響については、国立公害研究所等において総合的な調査研究を推進するとともに、環境保健サーベイランス・システムを早急に構築し、複合大気汚染による健康影響の調査研究を推進すること。
六大気汚染による健康被害を予防し、健康を回復するための健康被害防止事業については、新たに発症する慢性閉塞性肺疾患患者に配慮するとともに、予防医学等の知見を踏まえて効果的に実施すること。
七健康被害防止事業を行うに必要な基金の創設に当たっては、大気汚染の原因者その他人気汚染に関連のある事業活動を行う者に、その社会的責任を踏まえて基金への拠出を確実に行わせるよう、適切な措置を講ずること。
八大気汚染の発生源対策については、ディーゼル車・大型車を中心とした自動車排ガス等の規制を一層強化するとともに、ガス・タービン等の固定発生源からのばい煙に対する規制等の対策についても強化すること。
九窒素酸化物等の大気汚染対策については、早急に環境基準の達成を図るため、電気自動車、メタノール自動車等低公害車の普及の促進並びに輸送の共同化の促進、立体交差化等環境保全に配慮した交通体系の整備など、交通公害対策の総合的推進を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110801036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。