地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律案
参議院 商工委員会
昭和63年法律第32号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
田村元 通商産業大臣 昭和63年3月23日地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
近時の円高等による産業構造調整の進行や海外直接投資の増加によって、従来、工場の立地による雇用や所得の創出に大きく依存してきた地域経済は、現在、大きな影響を受けているところであります。
他方、経済の高度化、ソフト化の急速な進展により、我が国の産業活動においては、従来からの直接生産部門、すなわち工場に比し、研究所やソフトウエア業等のいわゆる産業の頭脳部分のウエートが著しく増大しつつあります。しかしながら、今後の成長が大きく期待できるこうした産業の頭脳部分は、大都市圏、特に東京へ一極集中する傾向にあります。
このような状況のもとで、地域経済の発展を図り、地域住民の生活の向上と国民経済及び国土の均衡ある発展を実現していくためには、このような産業の頭脳部分を地域において集積させることにより、地域産業の高度化を図っていくことが喫緊の課題となっております。また、このような方向は、先に閣議決定いたしました第四次全国総合開発計画においても明らかにされているところであり、同計画が目標とする多極分散型国土の形成に大きく寄与するものと考えられます。
このような課題は対応するため、今般、本法律案を提案した次第であります。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、産業の製品もしくは役務の開発力、生産、販売もしくは役務の提供に関する技術または経営の能率が向上することを産業の高度化ということとし、産業の高度化に特に寄与すると認められる事業を特定事業ということといたします。
第二に、本法による措置が講じられる地域は、産業の集積の程度が著しく高い地域以外の地域であること、特定事業の集積により、地域産業の高度化が期待できること、必要な人材の確保が可能であること等の要件に該当する地域といたします。
第三に、主務大臣は、特定事業の集積を促進する措置を講じようとする地域の設定、特定事業の集積の目標の設定等に関する指針を集積促進指針として定めることといたします。
第四に、都道府県は、集積促進指針に基づき、集積促進地域の区域、特定事業の集積の目標、業務用地等の施設の整備等に関し集積促進計画を作成し、主務大臣の承認を受けることができることといたします。
第五に、地域振興整備公団の業務に、集積促進地域における特定事業の用に供する業務用地の造成、産業の高度化に資する研究開発、研修等を行う施設の整備に対する出資等の業務を追加することといたします。
第六に、産業基盤整備基金の業務に、集積促進地域において特定事業を行う者に対する債務保証の業務を追加することといたします。
第七に、特定事業を営む者に対し、その取得資産についての特別償却、特別土地保有税の非課税、事業所税の減免措置の税制上の優遇措置を講ずるほか、地方公共団体の行う不均一課税に対する減収補てん措置等を講ずることといたします。
その他、集積促進計画を達成するために必要な資金の確保、施設の整備、国の援助、農地法等による処分についての配慮等必要な規定を設けることといたします。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第112回国会衆議院商工委員会議録第5号30頁(昭和63年3月23日)〔田村元通商産業大臣発言・発言番号231〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111201030)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。