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衆法第113回国会 第8号成立

臨時脳死及び臓器移植調査会設置法案

平成元年法律第70号 臨時脳死及び臓器移植調査会設置法
提出昭和63年12月20日 竹内黎一、外4名
付託衆議院 内閣委員会
参議院 内閣委員会
成立
平成元年法律第70号
審議会議 7回・発言 1,002(政府答弁等 325)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院内閣委員会

  1. H1.6.15趣旨説明内閣委員会 74
  2. H1.11.14質疑内閣委員会 1359
  3. H1.11.16参考人招致・質疑・附帯決議・採決内閣委員会 2142
  4. H1.11.17委員長報告・採決・附帯決議本会議 935

参議院内閣委員会

  1. H1.11.21趣旨説明・質疑内閣委員会 2287
  2. H1.11.28参考人招致・採決・附帯決議・討論内閣委員会 3170
  3. H1.12.1附帯決議・採決・委員長報告本会議 924

提案理由

中山太郎 議員(発議者) 平成元年6月15日

臨時脳死及び臓器移植調査会設置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現在、医学等の進歩によって、諸外国では、脳死を個体死とする認識が社会通念として定着し、人間愛に基づく生存中の意思により、脳死状態において移植用の臓器を提供しての臓器移植も多数行われており、また、それに必要な社会システムが整備されております。

 我が国においては、臓器移植以外ではその生命を救う方法のない患者の方々、重い疾病により臓器移植を受けることのできる日を待ちわびている患者の方々が多数存在しております。また、医療の現場では、脳死状態からの心臓、肝臓、膵臓等の臓器を摘出して移植を必要とする患者に移植を行いたいという声も多数上がっており、そのため大学附属病院等においては、人的、物的設備を整え、あるいは倫理委員会を設置するなどして、臓器移植のための体制を整えつつあります。しかし、一定の基準に基づいて診断された脳死は個体の死であるという新しい死の概念については、国民の十分な理解が得られているとは断言しがたく、また、脳死状態からの臓器の摘出が殺人罪に該当するとする刑事告訴もなされております。

 その結果、死体腎及び親族からの生体腎の移植がわずか年間六百例ほど行われているにすぎず、他の臓器の移植はほとんど行われておりません。このため、我が国の患者の中には外国に渡って臓器移植を受ける方がおり、外国でも移植用の臓器が必ずしも十分でないという事情もあって摩擦が起きているということも聞いております。

 このような状況の中で、脳死及び臓器移植に関する国の施策が確立されないままに推移するときは、大きな社会的問題が生ずるおそれがあります。

 以上の状況を踏まえ、今後我が国が脳死及び臓器移植についてどう対応していくべきかについては、脳死の概念、判定基準、脳死は人間の個体死と認められるか、臓器移植に関する施策のあり方等、広い視野から総合的に検討しなければならない問題が多数存在しております。

 そこで、このような諸問題について調査審議していただくため、各界の識見のすぐれた方々を委員にお願いして、臨時脳死及び臓器移植調査会を総理府に設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。

 まず第一に、脳死及び臓器移植に係る社会情勢の変化にかんがみ、臓器移植の分野における生命倫理に配慮した適正な医療の確立に資するため、臨時脳死及び臓器移植調査会を総理府に置くこととしております。

 第二に、調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、脳死及び臓器移植に関する諸問題について、広く、かつ、総合的に検討を加え、脳死及び臓器移植に関する施策に係る重要事項について調査審議して答申するとともに、意見を述べることをその所掌事務としており、また、内閣総理大臣は、この答申または意見を尊重しなければならないこととしております。

 第三に、調査会は、脳死及び臓器移植に関する諸問題についてすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する十五人以内の委員をもって組織することとしております。

 第四に、調査会は国の行政機関の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしております。

 なお、この法律は、施行の日から二年を経過した日に失効することとしております。

 このほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

第114回国会衆議院内閣委員会議録第7号1頁(平成元年6月15日)〔中山太郎議員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 内閣委員会平成元年11月16日

本調査会は、臓器移植の分野における生命倫理に配慮した適正な医療の確立に資するために設置されることにかんがみ、政府は、委員の人選に当たっては、各界各層から意見を聴取し、公正に選任すべきである。調査会は、設置の趣旨にかんがみ、審議状況を国民に明らかにし、また、重要事項については、単純な多数決によることなく決定するよう要望する。本案の趣旨につきましては、先般来の当委員会における質疑を通じて既に明らかになっておることと存じます。よろしく御賛成くださいますようお願いを申し上げます。

参議院 内閣委員会平成元年11月28日

臨時脳死及び臓器移植調査会は、臓器移植の分野における生命倫理に配慮した適正な医療の確立に資するために設置されることにかんがみ、政府は、委員の人選に当たっては、各界各層から意見を聴取し、公正に選任すべきである。調査会は、設置の趣旨にかんがみ、審議を国民に明らかにし、また、重要事項については、できる限り意見の一致をみるよう努力することを要望する。右決議する。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111302008)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。