原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 科学技術特別委員会
平成元年法律第21号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院科学技術委員会
- H1.3.23趣旨説明・質疑・採決・附帯決議科学技術委員会 2326
- H1.3.24委員長報告・採決・附帯決議本会議 770
参議院科学技術特別委員会
- H1.3.29趣旨説明・質疑・採決・附帯決議科学技術特別委員会 2207
- H1.3.31附帯決議・採決・委員長報告本会議 855
提案理由
宮崎茂一 科学技術庁長官 平成元年3月23日原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
原子力の開発利用を進めるに当たりましては、安全の確保を図ることが大前提であることは申すまでもございませんが、さらに万一の際における損害賠償制度を整備・充実し、被害者の保護に万全を期することにより国民の不安感を除去するとともに、原子力事業の健全な発達に資することが必要であります。
このような観点から、原子力損害の賠償に関する法律が昭和三十六年に制定され、原子力事業者に無過失損害賠償責任を課すとともに、原子力事業者への責任の集中、損害賠償措置の義務づけ等の一連の制度を導入し、さらにその後の諸情勢の変化に対応して所要の法改正が行われてきたところであります。
昭和五十四年の法改正以来九年を経過した現在、最近における原子力損害賠償制度に係る内外の状況の進展等にかんがみ、賠償措置額の引き上げを図ることにより被害者の保護に万全を期するとともに、原子力損害賠償補償契約及び国の援助に係る期限を延長する等の措置が不可欠であります。
これら諸点につきましては、原子力委員会において鋭意検討が行われ、昨年十二月に本法の改正についての決定をいただいたところであり、これを受けて改正案を取りまとめまして、ここに提出した次第であります。
以上、本法案を提出いたします理由につきまして御説明申し上げました。
次に、本法案の要旨を述べさせていただきます。
第一に、現在の賠償措置額百億円につきまして、諸外国の例や民間責任保険の引受能力といった点を総合勘案し、三百億円に引き上げることといたしております。
第二に、原子力損害賠償補償契約の締結及び国の援助に関する規定の適用を延長し、平成十一年十二月三十一日までに開始された原子炉の運転等に係る原子力損害について適用するものとしております。
以上、この法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
第114回国会衆議院科学技術委員会議録第2号1頁(平成元年3月23日)〔宮崎茂一科学技術庁長官発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は本法施行にあたり、原子力施設における安全の確保に万全を期するとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一賠償措置額については、今後とも国際水準等を勘案しつつ、引上げに努めること。
二不測の事態に対処するため、防災計画、避難訓練のより一層の充実強化を図ること。
三原子力発電施設の大型化、稼働期間の長期化、最近の事故等にかんがみ、運転及び点検体制の充実を図るなど一層適切な運転と厳格な点検、補修を実施するよう指導すること。
四低レベル放射線の人体に対する影響に関する研究を一層推進すること。
五原子力事業従事者の被曝線量の低減と健康管理の一層の充実に努めること。
政府は、本法施行にあたり、原子力開発利用における安全の確保に万全を期するとともに、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一賠償措置額については、今後とも国際水準等を勘案しつつ、引き上げに努めること。
二越境損害については、国際動向を注視しつつ、今後の我が国の対応のあり方について、さらに調査検討を行うこと。
三不測の事態に対処するため、避難訓練等防災対策の強化充実を図ること。
四最近の事故等にかんがみ、原子力発電所の安全確保に努めるとともに、一層厳密な点検・保守を行い、機器・材料の品質の維持、改善、向上に努めること。
五下請業者を含む作業員の放射線被曝の低減化及び放射線被曝管理の充実を図ること。
六将来の廃炉措置に備え、研究開発の一層の推進に努めること。
七放射線の人体に対する影響評価のためのデータの蓄積を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401008)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。