水質汚濁防止法の一部を改正する法律案
参議院 環境特別委員会
平成元年法律第34号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H1.6.13趣旨説明環境委員会 412
- H1.6.15質疑・採決・附帯決議環境委員会 5265
- H1.6.16採決・委員長報告・附帯決議本会議 2268
参議院環境特別委員会
- H1.6.19趣旨説明環境特別委員会 2117
- H1.6.21質疑・採決・附帯決議環境特別委員会 3182
- H1.6.22附帯決議・委員長報告・採決本会議 1783
提案理由
山崎竜男 環境庁長官 平成元年6月13日ただいま議題となりました水質汚濁防止法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
地下水は、我が国の水使用量の約六分の一、都市用水の約三分の一を占めており、水道を通じて約三千万人分に相当する飲料水となっているなど、身近にある貴重な資源として広く活用されているほか、災害時等緊急時の水源としても重要であります。
しかしながら、近年、トリクロロエチレン等の有機塩素化合物による全国的に広範な地下水の汚染が明らかとなっております用地下水は、一たん汚染されるとその回復が困難なため、その汚染の未然防止を図ることが何よりも重要であります。また、有害物質の流出事故時における環境汚染の拡大の防止を図ることも重要な課題となっております。
この法律案は、こうした状況にかんがみ、有害物質による地下水の汚染の未然防止及び有害物質の流出事故による環境汚染の拡大の防止を図るため、有害物質を含む汚水等の地下への浸透を禁止する等の措置を定めるとともに、地下水の水質の監視測定体制の整備、事故時の措置等に関して必要な措置を講ずるための規定を整備するものであります。
次に、この法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
第一に、目的規定の改正についてであります。本法律案の改正に伴い、本法の目的として地下に浸透する水の浸透を規制すること等によって地下水の水質の汚濁の防止を図ることを加えることといたしております。
第二に、有害物質を含む水の地下への浸透を禁止することであります。有害物質を製造し、使用し、または処理する特定施設を設置する特定事業場から汚水等を排出する者は、有害物質を含む水を地下へ浸透させてはならないことといたしております。
第三に、有害物質を含む水の地下への浸透を禁止することを担保するための措置についてであります。
その一は、届け出義務についてであります。有害物質を使用する特定施設を設置する特定事業場から地下に水を浸透させる者は、有害物質を使用する特定施設を設置しようとするときは、特定施設の構造、地下浸透の方法等を届け出なければならないものといたしております。
その二は、計画変更命令等についてであります。都道府県知事は、届け出があった場合、有害物質を含む水が地下に浸透すると認めるときは、特定施設の構造、汚水等の処理の方法等に関する計画の変更または廃止を命ずることができることといたしております。
その三は、改善命令等についてであります。都道府県知事は、有害物質を使用する特定事業場から水を排出する者が有害物質を含む水を地下へ浸透させるおそれがあると認めるときは、特定施設の構造、汚水等の処理の方法等の改善、地下浸透の一時停止を命ずることができることといたしております。
その四は、立入検査等についてであります。都道府県知事は、有害物質を使用する特定事業場から水を排出する者に対し、特定施設の状況、汚水等の処理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、またはその職員に特定事業場に立入検査をさせることができることといたしております。
第四に、地下水の水質の監視測定体制の整備についてであります。都道府県知事は、地下水の水質の汚濁の状況を常時監視することとし、このため、都道府県知事は、地下水の水質の測定に関する測定計画を作成し、各関係機関の行う測定結果を取りまとめるとともに、地下水の水質の状況を公表しなければならないことといたしております。
第五に、事故時の措置についてであります。特定事業場の設置者は、特定事業場内における事故により有害物質を含む水が公共用水域に排出され、または地下に浸透した場合は、直ちに応急の措置を講ずるとともに、事故の状況等を都道府県知事に届け出なければならないこととし、また、都道府県知事は、汚染の拡大の防止のため必要な措置を命ずることができることといたしております。
以上のほか、有害物質を含む水の地下への浸透を禁止すること等に伴い、罰則規定その他の規定及び関係法律について所要の整備を行うこととしております。
この法律案の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第114回国会衆議院環境委員会議録第4号2頁(平成元年6月13日)〔山崎竜男環境庁長官発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
一未規制の水質汚濁物質について、その健康影響、排出実態等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。
二地下水汚染の未然防止のため、地下における物質の挙動及び地下水文の解明等の研究を積極的に促進すること。
三地下水の重要性及びその特質にかんがみ、地下水汚染物質の除去技術の開発を促進すること。
四本法施行により、都道府県等地方公共団体の財政負担が増加しないよう特に配慮すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
一石綿等の特定粉じんに係る規制の実施に当たっては、特に、中小零細企業者に配慮し、技術上の助言、金融上及び税制上の優遇措置等の実施に努めること。
二石綿の代替品の開発、普及を促進すること。その際、安全性の確認を十分行うこと。
三建築物の改修・解体、廃棄物の処理など石綿製品等製造工場・事業場以外から発生する石綿による大気汚染についても、その汚染の状況及び対策の実態を把握し、総合的に対策を推進するため、必要な措置を講ずること。
四石綿以外の未規制の大気汚染物質について、その健康影響、排出実態等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要な排出抑制等のための規制措置を講ずること。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401073)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。