船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
衆議院 運輸委員会
平成2年法律第51号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院運輸委員会
- H2.4.18趣旨説明運輸委員会 3267
- H2.6.5質疑・附帯決議・採決運輸委員会 5212
- H2.6.7採決・委員長報告・附帯決議本会議 2326
参議院運輸委員会
- H2.6.12趣旨説明運輸委員会 3304
- H2.6.19質疑・討論・採決・附帯決議運輸委員会 5198
- H2.6.20附帯決議・委員長報告・採決本会議 1733
提案理由
大野明 運輸大臣 平成2年4月18日ただいま議題となりました日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
初めに、日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理の問題は、日本国有鉄道の改革に残された最重要課題の一つでありますが、改革実施時の昭和六十二年度首において二十五・五兆円であった日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務の予定額は、金利が金利を生む形で累増し、平成二年度首において二十七兆円を超える見込みとなっているところであります。
一方、債務等の償還のための資産である日本国有鉄道清算事業団の土地は、地価対策との関係もあり、その処分が十分に進捗しておらず、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の株式についてもその処分の基本方針について検討を開始したばかりの状況であり、このまま推移すれば日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務の一層の累増が避けられない事態となっているところであります。日本国有鉄道清算事業団の土地につきましては、新たな処分方式の導入等により平成二年度において一兆円の収入を得る予定としているところであり、平成三年度以降さらに土地処分収入の拡大を図ることとしております。また、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の経営が好調に推移してきているところから、その株式の早期かつ効果的な処分が期待されており、今後、その本格的な処分に向けて、鋭意検討、準備を進めていくこととしております。
本法律案は、以上のような状況にかんがみ、平成三年度以降の土地並びに旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の株式の本格的な処分等により、日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務の着実な減少が図られるようにするための日本国有鉄道清算事業団の財政の基盤の整備に資するために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置を定めるものであります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、政府が、平成二年度において、帝都高速度交通営団に対する日本国有鉄道清算事業団の出資持ち分の全部を譲り受けるとともに、当該出資持ち分の適正な価額に相当する額の日本国有鉄道清算事業団の有利子の債務等を一般会計において承継することといたしております。
第二に、日本国有鉄道清算事業団の政府からの無利子貸付金について、据置期間を延長することができることといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
次に、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
我が国外航海運は、ようやくその経営に明るさが見えてきましたが、これまでの長期にわたる不況等から我が国の外航船員数は大幅な減少を続けてまいりました。
このような中、外航海運における日本船舶の減少を防止するため、日本船舶への外国人船員の導入の拡大が実施される等、我が国船員をめぐる環境はなお変化してきております。
本法律案は、このような船員の労働をめぐる環境の変化を踏まえ、外国船への配乗を促進する等日本人船員について海上職域を確保し、その雇用の一層の促進と安定を図るため、船員雇用促進センターが船員労務供給事業を行うことができるようにするとともに、当該事業の適正な運営を確保するための措置、当該事業に従事する船員の職業と生活の安定を図るための関係法律の特例適用等の措置を講じようとするものであります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、船員雇用促進センターの事業として、船員労務供給事業を追加することとし、これに伴い、船員職業安定法の船員労務供給事業の禁止等の規定は、同センターについては適用しないこととしております。
第二に、船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業は、一定の基準に適合する者の中から同センターが雇用する者について行い、一定の場合においては、同センターが行う登録を受けた者についても行うことができることとしております。
第三に、船員雇用促進センターは、労務供給船員の雇用の手続に関する事項、船員労務供給契約において定める事項等に関し船員労務供給規程を定め、運輸大臣の認可を受けなければならないこととしております。
第四に、船員雇用促進センターが雇用し、外国船へ労務供給される船員についても船員法及び船員保険法の規定を適用する等関係法律の適用に関する特例措置を講ずることとしております。
なお、平成二年度予算案においては、この法律案により船員雇用促進センターが新たに行うこととなる事業に関する国の助成を、外国船に配乗するため平成二年度から平成四年度までに同センターに雇用された者について、それぞれ三年間に限り同事業に対して行うこととして、所要額を計上しております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
これら二件の法律案につきまして、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
最後に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
この案件は、運輸省の地方支分部局として、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所を設置しようとするものであります。
すなわち、埼玉県の南東部地域における自動車の検査及び登録に関する事務の円滑化を図り、あわせて当該地域の住民の利便を増進するため、埼玉県春日部市に、関東運輸局埼玉陸運支局の下部組織として、春日部自動車検査登録事務所を設置する必要があります。
以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し国会の御承認を求める次第であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
第118回国会衆議院運輸委員会議録第3号28頁(平成2年4月18日)〔大野明運輸大臣発言・発言番号265〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
一外航海運をめぐる厳しい国際競争に対処し、日本人船員の保全・育成を図るため、所要の施策の充実強化に努めること。
二外国籍船に乗り組む日本人船員に対する法的保護を図るため、引き続き適切な対策を検討すること。
三本法の改正にかかわる船員労務供給事業については、その実施状況を勘案の上、必要に応じその事業内容について検討を行い、事業の適正な運営の確保に努めること。
政府は、本法施行に当たり、次の事項につき、万全の措置を講ずべきである。
一外航海運をめぐる厳しい国際競争に対処し、日本人船員の確保・育成を図るため、所要の施策の充実強化に努めること。
二市況変動の影響を受けやすい外航海運業の特殊性を考慮し、欧州主要国で行われている船員費の負担軽減策等について検討すること。
三我が国船員の年齢構成等にかんがみ、若年船員の育成・確保に努めること。
四外国籍船に乗り組む日本人船員に対する法的保護を図るため、引き続き適切な対策を検討すること。
五我が国商船隊の整備を図るため、日本籍船に対する長期低利融資制度の拡充に努めること。
六外航客船事業の健全な発展を図るため、客船バース及び旅客ターミナルの整備、出入港手続きの迅速化及び需要開拓策に努め、もって日本人船員の職域拡大に資すること。
七財団法人日本船員福利雇用促進センターが行う船員労務供給事業については、その実施状況を勘案し、必要に応じ事業内容の見直しを行い、事業の適正な運営の確保に努めること。
次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件は、埼玉県の南東部地域における自動車の検査及び登録事務の現状にかんがみ、埼玉県春日部市に関東運輸局埼玉陸運支局春日部自動車検査登録事務所を設置するため、国会の承認を求めようとするものであります。委員会におきましては、採決の結果、本件は全会一致をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。以上、御報告申し上げます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111801030)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。