老人福祉法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
平成2年法律第58号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- H2.6.8趣旨説明・質疑本会議 2429
- H2.6.12趣旨説明社会労働委員会 104
- H2.6.14質疑社会労働委員会 11211
- H2.6.15質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 12264
- H2.6.15採決・委員長報告・附帯決議本会議 2726
参議院社会労働委員会
- H2.6.18趣旨説明・質疑本会議 1648
- H2.6.19趣旨説明・質疑社会労働委員会 9268
- H2.6.21質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 10305
- H2.6.22附帯決議・採決・委員長報告本会議 1826
提案理由
津島雄二 厚生大臣 平成2年6月8日ただいま議題となりました老人福祉法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
二十一世紀を十年後に控え、人口の高齢化が急速に進行する今日、国民が健康で生きがいを持ち安心して生涯を過ごせるような明るい活力のある長寿・福祉社会をつくり上げていくことは、我が国の当面する最大の課題となっております。
また、国民の生活水準の全般的な向上、核家族化及び都市化の進行に伴う家族及び地域社会の扶養機能の低下、生活の質や精神的な豊かさへの国民意識の志向等、社会福祉を取り巻く環境は大きく変化しており、これに応じてきめ細かな福祉行政を展開することが求められてきております。
こうした状況を踏まえ、高齢者、身体障害者等の福祉の一層の増進を図るため、在宅福祉サービスと施設福祉サービスとを地域の実情に応じて一元的かつ計画的に実施する体制づくりを進めることとし、この法律案を提出した次第であります。
なお、この法律案により改正しようとする法律は、老人福祉法、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、社会福祉事業法、老人保健法及び社会福祉・医療事業団法の八法律であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、特別養護老人ホーム等及び身体障害者更生援護施設への入所決定等の事務の町村への移譲であります。
住民に最も身近な市町村において、在宅福祉サービス及び施設福祉サービスが一元的に提供されるようにするため、老人及び身体障害者について、現在町村部において都道府県が老人福祉法または身体障害者福祉法に基づいて実施している施設への入所決定等の事務を町村に移譲することとしております。
また、市町村は、要介護老人及び身体障害者がその心身の状況、環境等に応じて最も適切な処遇が受けられるよう在宅福祉サービス及び施設福祉サービスの総合的な実施に努めることとするものであります。
第二は、在宅福祉サービスの推進であります。
市町村は、居宅を訪問し介護を行うホームヘルプ事業、日帰りの介護サービスを提供するデイサービス事業、特別養護老人ホーム等の施設に短期滞在を行うショートステイ事業等の在宅福祉サービスの積極的な推進に努めることとするものであります。
第三は、老人保健福祉計画の策定であります。
老人福祉法に基づく福祉の措置及び老人保健法に基づく機能訓練、訪問指導等について、市町村においてはその実施に関する計画を、都道府県においてはその実施に必要な体制の確保に関する計画を策定することとしております。
第四は、地方公共団体の福祉の事務の再編であります。
老人及び身体障害者に対する施設への入所決定等の事務を町村に移譲することに伴い、都道府県及び市町村の事務並びに福祉事務所の事務を再編するものであります。
第五は、社会福祉事業の追加等であります。
在宅福祉サービスの提供体制を整備するため、老人福祉法、身体障害者福祉法等に定める在宅福祉サービスを社会福祉事業に追加するとともに、精神薄弱者福祉ホーム、精神薄弱者通勤寮、視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業等を社会福祉事業に位置づけるものであります。
第六は、社会福祉協議会及び共同募金の活動の推進であります。
地域における民間の福祉活動の推進を図るため、共同募金の配分規制の緩和等を行うとともに、市町村及び指定都市の区の社会福祉協議会は社会福祉を目的とする事業の企画及び実施に努めることとするものであります。
第七は、社会福祉・医療事業団における基金の設置であります。
高齢者、身体障害者の在宅福祉の充実と生きがい対策の推進等を図るため、社会福祉・医療事業団に基金を設け、民間の創意工夫を生かしたきめ細かな在宅福祉事業に対する支援を行うこととするものであります。
以上のほか、身体障害者更生援護施設への入所決定等の事務の町村への移譲に伴う身体障害者更生相談所の市町村に対する技術的な支援等の実施、精神薄弱者福祉行政における大都市特例の設定、有料老人ホームの設置について事前届け出とすること等の改正を行うこととしております。
なお、この法律の施行期日は平成三年一月一日としておりますが、社会福祉・医療事業団に基金を設置する事項等は公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から、社会福祉協議会及び共同募金に関する事項等については平成三年四月一日から、特別養護老人ホーム等及び身体障害者更生援護施設への入所決定等の事務の町村への移譲、都道府県の福祉事務所等の
事務の再編並びに老人保健福祉計画の策定に関する事項については平成五年四月一日から施行することとしております。
以上が老人福祉法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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老人福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第118回国会衆議院会議録第24号1頁(平成2年6月8日)〔津島雄二厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一市町村における実施体制を確保するため、地方交付税等による十分な措置を講ずること。
二老人等がねたきりになるのを防ぐとともに、在宅及び施設における適切なサービスを確保するため、介護、看護及びリハビリテーション関係従事者の処遇の改善等マンパワーの確保につき万全の策を講ずること。
三老人保健福祉計画の策定に当たっては、保健福祉サービスの利用者の意見が反映されるよう配慮すること。
四重度痴呆の老人に対する施設対策、痴呆性疾患に係る研究の推進等の介護する家族の負担軽減対策の充実を早急に図ること。
五在宅福祉サービスと保健、医療、住宅、教育等に関する施策との連携をとり、老人等が、できるかぎり地域において、自立した生活を営むことができるよう努めること。
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一市町村における実施体制を確保するため、地方交付税等による十分な措置を講ずること。また、在宅福祉サービスの都道府県・市町村間の格差の是正に努めること。
二老人等が寝たきりになるのを防ぐとともに、在宅及び施設における適切なサービスを確保するため、介護、看護及びリハビリテーション関係従事者の処遇の改善等マンパワーの確保につき、万全の策を講ずること。
三老人保健福祉計画の策定に当たっては、保健福祉サービスの利用者の意見が反映されるよう配慮すること。
四重度痴呆の老人に対する施設対策、痴呆性疾患に係る研究の推進等介護する家族の負担軽減対策の充実を早急に図ること。
五改正後の身体障害者福祉法の施行に当たっては、一般の雇用形態になじまない身体障害者の生活の安定に寄与し、十分な社会参加が図られるような施策の促進に努めること。
六在宅福祉サービスと保健、医療、住宅、教育等に関する施策との連携をとり、老人等が、できる限り地域において、自立した生活を営むことができるよう努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111801062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。