水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案
参議院 環境特別委員会
平成2年法律第57号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H2.6.5趣旨説明・質疑・討論・附帯決議・採決環境委員会 6321
- H2.6.7採決・委員長報告・附帯決議本会議 2326
参議院環境特別委員会
- H2.6.15趣旨説明環境特別委員会 7271
- H2.6.20質疑・討論・附帯決議・採決環境特別委員会 8291
- H2.6.22附帯決議・委員長報告・採決本会議 1826
提案理由
福島譲二 議員(発議者) 平成2年6月5日ただいま議題となりました水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
水俣病対策は、環境行政の重要課題の一つであり、水俣病患者の迅速かつ公正確実な救済のためには、まず、その認定業務を促進することが求められております。
この認定業務は、基本的には、公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる補償法に基づき関係県知事等により行われておりますが、その促進のため、これまで熊本県において検診、審査体制の充実強化等の措置が講じられ、さらに昭和五十三年十月に本臨時措置法が制定され、翌昭和五十四年二月十四日から施行されました。その後、昭和五十九年及び昭和六十二年に認定の申請期限を延長する等の改正が行われ、現在に至っております。
この法律においては、旧公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法、いわゆる旧救済法により県知事等に対し水俣病に係る認定の申請をしていた者及び補償法により昭和五十四年八月三十一日以前に同じく申請をしていた者で当該申請に関する処分を受けていないものは、平成二年九月三十日までの間に環境庁長官に対して認定の申請をすることができることとされております。
本法施行を含む国及び県の認定業務促進に係る努力の結果、一時は六千人以上を数えた未処分者数は平成二年三月末現在で約三千三百人にまで減少してきております。しかしながら、なお相当数の未処分者を抱える現状にあることから、長期にわたる申請滞留者を速やかに解消することにより水俣病対策の推進に資するため、この法律案を提出した次第であります。
以下、法律案の内容を御説明申し上げます。
第一は、認定の申請期限の三年間の延長であります。
旧救済法または補償法による水俣病に係る申請者でいまだ申請に関する処分を受けていないものは、平成五年九月三十日まで環境庁長官に対して認定の申請をすることができることといたしております。
第二は、環境庁長官に対して認定の申請をすることができる者の範囲の拡大であります。
補償法による水俣病に係る申請をした者で環境庁長官に対して認定の申請をすることができるものの範囲を、昭和五十七年八月三十一日以前に補償法による申請をしていた者でいまだ申請に関する処分を受けていないものまで拡大することといたしております。
なお、この法律の施行期日は、平成二年十月一日といたしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
第118回国会衆議院環境委員会議録第6号1頁(平成2年6月5日)〔福島譲二議員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文を朗読して説明にかえさせていただきます。水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一認定審査に当たっては、水俣病患者が一人でも見落されることのないように、全員が正しく救われるような精神にのっとって行うこと。
二水俣病については、医学的に判断困難な事例があることにかんがみ、科学的知見の積み重ねを踏まえて水俣病像及び判断条件について一層の検討を重ねること。
三水俣病問題の重要性にかんがみ、速やかに住民の健康の状態、水質汚濁の状態等について総合的な調査を実施し、その結果に基づいて地域の実情に応じた水俣病対策を確立すること。
四水俣病多発地域の住民については、その健康状態を長期にわたって把握し、必要に応じて適切な措置を講ずることにより健康被害の予防を図ること。
五水俣湾公害防止事業の埋立地を含め地域の特性を生かした具体的な振興策を一層推進することにより、水俣・芦北地域の活性化を図るように努めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一水俣病患者の早期救済が緊急の課題であることにかんがみ、救済すべきは速やかに救済するよう努めること。
二認定業務に当たっては、法の救済の精神を尊重して、申請者との信頼回復に努めるとともに、昭和五十一年十二月の熊本地裁の確定判決の趣旨を踏まえ、不作為違法状態を速やかに解消すること。
三水俣病の判断条件については、国際機関等における科学的知見の集積を踏まえ、一層の検討を行うとともに、水俣病患者が一人でも見落とされることのないように、全員が正しく救われるような精神にのっとって認定審査を行うこと。
四水俣病問題の重要性にかんがみ、住民の健康の状態、水質の汚濁の状態等について、速やかに総合的な調査を実施するとともに、地域の実情に応じ、健康被害の予防を目的としたサーベイランス体制を確立する等の適切な水俣病対策を講ずること。
五臨時水俣病認定審査会の委員の選任に当たっては、都道府県または政令市に置かれる公害健康被害認定審査会の委員と極力重複しないよう配慮し、本法制定の趣旨を生かすよう努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111802008)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。