著作権法の一部を改正する法律案
参議院 文教委員会
平成3年法律第63号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- H3.3.13趣旨説明文教委員会 8223
- H3.3.15質疑・採決・附帯決議文教委員会 9214
- H3.3.15委員長報告・採決・附帯決議本会議 2057
参議院文教委員会
- H3.3.26趣旨説明文教委員会 4178
- H3.4.9参考人招致文教委員会 5172
- H3.4.23質疑・採決・附帯決議文教委員会 690
- H3.4.24附帯決議・委員長報告・採決本会議 2189
提案理由
井上裕 文部大臣 平成3年3月13日このたび政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
我が国の著作権制度については、これまでも逐次改正をお願いし、既に、関係条約の要求する水準を確保しているところでありますが、今後とも、国際的な動向や著作物等の利用手段の発達などを踏まえ、適時適切な改善充実を図り、我が国の国際的地位にふさわしい内容とする必要があります。
このたびの改正は、最近の国際的な動向を踏まえつつ、歌手や俳優等の実演家、レコード原盤の製作者等の役割の重要性にかんがみ、また、外国の実演やレコードに関し、我が国の国際的地位にふさわしい保護強化を図る観点から、著作隣接権制度のさらなる充実のため、所要の措置を講ずるものであり、その概要は次のとおりであります。
第一は、レコードの貸与に関する権利を、外国の実演家及びレコード製作者にも認めることであります。
レコードの貸与に関する権利については、昭和五十九年の法改正で制度化されたところでありますが、現在、作詞・作曲家などの著作権者には、国内外を問わずこの権利を認めているのに対し、実演家及びレコード製作者については、国内の権利者についてのみ認めることになっております。このたび、著作隣接権の国際的保護の充実を図る見地から、関係条約により保護を受ける外国の実演家及びレコード製作者に対しても、同様の権利を認めることとするものであります。
第二は、著作隣接権の保護期間の延長であります。
著作隣接権の保護期間については、昭和六十三年の法改正により、従前の二十年から三十年へ延長されたところでありますが、実演家等の役割の重要性や最近の国際的動向、我が国の国際的地位の向上等を考慮して、これをさらに五十年に延長するものであります。
なお、これに伴い、旧法下において保護されていた演奏歌唱及び録音物の保護期間の残存期間の上限についても、現行法施行後五十年までに延長することとしております。
第三は、レコード保護条約加入前の外国レコードの保護強化ということであります。
外国レコードについては、我が国がレコード保護条約に加入した一九七八年以後に作成されたものは、現行法による正規の保護がなされておりますが、それ以前のものについては、外国原盤をもとに国内で製造されたレコードからの無断複製及び頒布を禁止することによって、間接的に保護しております。しかし、近年、この禁止の対象外である輸入盤レコードからの無断複製等が増加し、現行制度で予定している保護の実効性が憂慮される状況となっております。このため、国際社会における我が国の役割も考慮し、輸入盤レコードについても禁止対象とするとともに、実効性を確保するため、新たにこれらの複製物を頒布の目的で所持する行為についても、禁止することとしております。
なお、これらの行為を禁止する期間については、著作隣接権の保護期間の延長との均衡を考慮して、原盤作成後五十年までに延長することとしております。
最後に、施行期日等についてであります。
この法律は、平成四年一月一日から施行することとして、所要の経過措置を講ずることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
第120回国会衆議院文教委員会議録第8号35頁(平成3年3月13日)〔井上裕文部大臣発言・発言番号219〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一レコードの貸与に係る円満な利用秩序の維持形成のため、レコードの貸与に関する内外の関係者の話し合いの促進など必要な諸条件の整備に努めること。
二私的録音・録画問題については、国際的動向にかんがみ、録音・録画の機器・機材に係る報酬請求権制度の導入など抜本的解決のための制度的対応について検討を進めること。
三ビデオディスクの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。
四複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。
五コンピュータ創作物に係る著作権問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう配慮しつつ、検討を進めること。
六視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。
政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一外国の実演家等のレコードの貸与に関する権利に関しては、我が国のレコード貸与に関する従来の経緯等に配慮し、円満な利用秩序の維持形成のための諸条件の整備に努めること。
二私的録音・録画問題については、国際的動向にかんがみ、録音・録画の機器・機材に係る報酬請求権制度の導入など抜本的解決のための制度的対応について検討を進めること。
三衛星放送、有線テレビ、ビデオグラムの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。
四複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。
五コンピュータ創作物に係る著作権問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう配慮しつつ、検討を進めること。
六視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112001072)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。