著作権法の一部を改正する法律案
参議院 文教委員会
平成4年法律第106号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- H4.11.26趣旨説明・参考人招致・質疑・採決・附帯決議文教委員会 1252
- H4.12.1委員長報告・採決・附帯決議本会議 588
参議院文教委員会
- H4.12.7趣旨説明・参考人招致・質疑・附帯決議・採決文教委員会 1242
- H4.12.10附帯決議・委員長報告・採決本会議 483
提案理由
鳩山邦夫 文部大臣 平成4年11月26日このたび政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現行著作権法では、私的に使用する目的で行われる録音または録画は、無償で、自由に行い得ることとされております。
しかし、近年における録音・録画機器の目覚ましい開発普及に伴って、録音や録画が家庭内において、容易に、かつ頻繁に行われるようになり、大量の録音物や録画物が作成されております。さらに、ディジタル機器の開発によって高品質の録音・録画が可能となり、著作権者等の経済的利益に大きな影響を及ぼすことが心配されるに至りました。
このような状況は、立法当時想定していなかったものでありますが、対応措置を講ずることが国際的な潮流であり、権利者の保護のための早急な措置が必要となったところであります。
次に本法律案の内容について申し上げます。
第一は、私的使用を目的とし、政令で定めるディジタル方式の特定機器及び特定記録媒体を用いて行われる録音または録画に関して、著作権者、実演家及びレコード製作者に補償金を受ける権利を創設することであります。
この補償金を受ける権利は、録音または録画に関しそれぞれ文化庁長官が指定する権利者の団体を通じて行使することとするとともに、その場合に指定管理団体が請求する補償金の額については、文化庁長官の認可に係らしめることとしております。
第二は、権利保護の実効性及び利用者の支払いの便宜にかんがみ、特定機器または特定記録媒体の購入者は、指定管理団体から請求があったときは、購入に当たり一括の補償金を支払わなければならないこととするとともに、特定機器または特定記録媒体の製造業者または輸入業者は補償金の請求及び受領に関し協力しなければならないこととすることであります。なお、購入時に補償金を支払った者で購入した特定機器または特定記録媒体を私的使用の目的に使用しない者は、指定管理団体に対し、その事実を証明して、補償金の返還を請求することができることとしております。
第三は、指定管理団体は、補償金の二割以内で政令で定める割合に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために用いなければならないこととすることであります。
最後に、施行期日等についてであります。
この法律は、指定管理団体等に関する規定については、公布の日から施行し、この制度の準備を進めることといたしますが、具体の権利行使に関する規定は、国民への周知期間や準備の状況を考慮して、公布の日から六月以内で政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案を提案いたしました理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
第125回国会衆議院文教委員会議録第1号2頁(平成4年11月26日)〔鳩山邦夫文部大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府及び関係者は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一私的録音・録画に関する補償金制度が、ユーザー等の信頼を得て円滑に運用されるため、指定管理団体が行う権利者への補償金の分配、私的録音・録画以外の用に供するための特定機器及び特定記録媒体を購入する者への補償金の返還及び著作権等の保護に関する事業等のための支出が適切に行われるよう努めること。
二録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、映画監督、実演家等の権利の適切な保護等について検討すること。
三視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。
四レコードによる音楽の演奏権の及ぶ範囲及び写真の著作物の保護期間については、関係者による条件整備の状況等に留意しつつ、制度的対応について検討を進めること。
政府及び関係者は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一指定管理団体が行う権利者への補償金の分配、私的録音・録画以外の用に供するための特定機器又は特定記録媒体の購入者への補償金の返還及び著作権等の保護に関する事業等のための支出については、権利者及びユーザー等の信頼を得て適切に行われるよう努めること。
二衛星放送、有線テレビ、ビデオグラムの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化・増大化している等の事情を考慮し、映画監督、実演家等の権利の適切な保護等について検討すること。
三レコードによる音楽の演奏権の及ぶ範囲及び写真の著作物の保護期間については、関係者による条件整備の状況等に配慮しつつ、制度的対応について検討を進めること。
四視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112501005)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。