沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法案
参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会
平成7年法律第102号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会
- H6.12.9趣旨説明沖縄及び北方問題に関する特別委員会 38
- H7.4.27修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・修正案沖縄及び北方問題に関する特別委員会 522
- H7.5.9委員長報告・採決(修正)本会議 2416
参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会
- H7.5.17趣旨説明・討論・採決沖縄及び北方問題に関する特別委員会 614
- H7.5.19委員長報告・採決本会議 2450
提案理由
上原康助 議員(発議者) 平成6年12月9日私は、日本社会党・護憲民主連合、改革、新党さきがけ及び日本共産党を代表し、ただいま議題となりました沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法案について、提案理由とその概要を御説明いたします。
冷戦崩壊後の世界清勢は、東西対立から協調へと移行し、新たな国際秩序の構築が模索されつつあります。このような大きな時代変化の中にあって、国土面積のわずか○・六%にすぎない沖縄県に、依然、全国の米軍事・用基地の実に七五%が、冷戦時代と変わりなく、小さい狭い沖縄に集中しているのは不自然であります。
政府は、第一次、第二次及び第三次沖縄振興開発計画において、沖縄の米軍基地の早期の整理縮小とその跡地の有効利用を図るための施策の推進を掲げてまいりましたが、復帰後、返還された基地面積は復帰時の約一五%にとどまっており、基地の返還はほとんど進展しておりません。
沖縄県におけるこのような米軍基地の存在は、望ましい都市形成や交通体系の整備並びに産業基盤の整備など、地域の振興開発と県土の均衡ある発展を図る上で、大きな障害となっております。
加えて、返還軍用地の多くが有効利用されないまま長期間放置され、遊休化しているのでございます。この長期の間、地権者に対する損失補償がなされていないことはゆゆしき問題であると言わねばなりません。
したがって、政府は、沖縄における広大な駐留軍用地の存在を十分に認識の上、駐留軍用地を計画的に返還し、跡地の総合的かつ計画的な有効利用を促進していくための特別措置を積極的に講ずるべきであります。
これが、本案を提案する主な理由であります。
次に、法案の概要について御説明いたします。
第一に、国の責務についてであります。
国は、駐留軍用地の整理縮小の促進に努めるとともに、駐留軍用地を計画的に返還し、駐留軍用地跡地の総合的かつ計画的な有効利用を促進するために必要な措置を講じなければならないこととしております。
第二に、返還実施計画についてであります。
国は、アメリカ合衆国との間で返還が合意された駐留軍用地について、速やかに、当該駐留軍用地の返還に関する実施計画を定め、計画的な返還に努めなければならないこととしております。
第三に、駐留軍用地を返還する場合の措置についてであります。
国は、駐留軍用地を返還する場合においては、当該土地の所在する周囲の土地利用の状況に応じた有効かつ合理的な土地利用が図られるよう必要な措置を講ずることとしております。
また、国は、駐留軍用地を返還する場合において、当該駐留軍用地において土地区画整理事業、土地改良事業等を施行しようとする者があるときは、その者の申し出により、当該土地を原状に回復する等の措置を講じないでその所有者に返還することができることとし、その駐留軍用地跡地の所有者に対しては、当該土地の返還日の翌日以後三年を超えない範囲内において政令で定める期間につき、国が当該土地に支払っていた賃借料を基準として政令で定めるところにより算定した額を支払おなければならないこととしております。
第四に、市町村総合整備計画及び県総合整備計画についてであります。
アメリカ合衆国との間で返還が合意された駐留軍用地または駐留軍用地跡地を総合的に整備する必要があると認めるときは市町村総合整備計画を、また、広域の見地から総合的に整備する必要があると認めるときは県総合整備計画を定めることができることとしております。
第五に、国の負担または補助の割合の特例等についてであります。
総合整備計画に基づく事業のうち政令で定めるものに要する経費について、国が負担し、または補助する割合については、他の法令の規定にかかわらず、政令で特別の定めをすることができることとし、その他の総合整備計画に基づいて行う事業で政令で定めるものに要する経費については、国は、沖縄県及び関係市町村その他の者に対して、予算の範囲内で、その全部または一部を補助することができることとしております。
そのほか、駐留軍用地の調査及び測量、駐留軍用地跡利用基金並びに国有財産の譲与等について定め、それぞれ必要な措置を講ずることとしております。
なお、附則で、この法律は、平成七年四月一日から施行することとしているほか、関係法律の整
理等について定めることとしております。
以上が本法案の提案理由及びその概要でありますが、これまで沖縄県議会で三度にわたり軍転特借法制定の要請決議が全会一致で採択されたことからも明らかなように、基地の返還促進と跡地の有効利用は沖縄にとって最大の課題となっており、これを推進していく軍転特借法案の早期立法化は、百二十五万県民の総意と言っても過言ではありません。来年は終戦五十周年を迎え、この時代の節目に、ぜひとも沖縄県が抱える基地問題を目に見える形で前進させなければなりません。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げ、趣旨の説明を終わります。
なお、一言申し述べさせていただきたいと存じます。本案に対して自由民主党から修正したい旨の申し入れがあり、時間的制約もあって、私が提出者を代表して自民党側と協議を重ねてまいりました。しかし、国会の会期末になっての修正案提示であったことから、結果として自民党と提出者である各党間で合意に至らない重要な部分があって、成案を見るに至りませんでした。
委員長におかれましては、その経緯等もごしんしゃくの上、次期通常国会で早期に本法案の審議が開始され、ぜひ成立を期していただくことを強く申し添えて、私の提案の理由とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
第131回国会衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会議録第3号1頁(平成6年12月9日)〔上原康助議員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112902012)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。