古物営業法の一部を改正する法律案
衆議院 地方行政委員会
平成7年法律第66号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
野中広務 自治大臣・国家公安委員長 平成7年3月7日ただいま議題となりました古物営業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
この法律案は、近年における窃盗等の財産犯の発生状況及び古物営業に係る業務の運営の実態の変化を踏まえ、並びに現下における規制緩和の要請にこたえるため、公安委員会の許可を必要とする営業の範囲を見直す等古物営業の許可に関する規定の整備を行うとともに、取引の記録について帳簿への記載に加えて電磁的方法による記録を認めるなど古物営業に係る業務についての規制の簡素合理化を図るほか、窃盗等の財産犯の防止及びその被害の迅速な回復を図るため必要な規定の整備等を行うことをその内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
まず第一に、目的に関する規定の整備についてであります。
これは、この法律の目的を、盗品等の売買の防止及びその速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もって窃盗等の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することとするものであります。
第二に、定義に関する規定の整備についてであります。
その一は、近時、窃盗等の被害に遭った商品券、乗車券、郵便切手等が換金処分されるケースが増大していることにかんがみ、公安委員会の許可を必要とする営業にこれらの証票等に係るものを加えるため、商品券等の一定の証票のうち使用のために取引されたもの等を本法の対象となる物品とするものであります。
その二は、例えば大型の船舶のように、窃盗等の被害に遭い換金処分される蓋然性に乏しく、また現実にもそのようなケースのない物を本法の対象となる物品から除外するものであります。
その三は、古物の買い取りは行わず古物の売却だけを行う営業、または自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行う営業は、盗品等を取り扱う蓋然性に乏しいことを考慮し、古物営業に含まれないこととするものであります。
第三に、古物営業の許可等に関する規定の整備についてであります。
その一は、複数の営業所等を有する古物商等が増加していることにかんがみ、古物営業の許可は、同一都道府県内については営業所等ごとに取得しなくてもよいこととするものであります。
その二は、許可の基準、許可の手続等に関する規定の整備についてであります。
これは、許可の基準及び許可の取り消しに関する規定等を整備するほか、手続の簡素化を図るための措置として、営業内容の変更に係る許可制度を廃止し、届け出で足りることとし、また二以上の公安委員会の管轄区域内に営業所を有する古物商等に係る法人の役員の変更等については、そのいずれか一の公安委員会に対する届け出で足りることとするものであります。
第四に、競り売り及び行商に係る許可制度の廃止についてであります。
競り売り及び行商のうち、競り売りについては許可制度を届け出制度に、行商については許可制度を廃止するとともに、行商をしようとする者は古物商の許可証等を携帯していれば足りることとするものであります。
第五に、管理者に関する規定の整備についてであります。
古物商及び古物市場主は、営業所または古物市場ごとに管理者を選任しなければならないこととするとともに、管理者の解任の勧告に関する規定等を整備するものであります。
第六に、氏名の確認等及び帳簿への記載等に関する規制の緩和についてであります。
その一は、古物商が古物の買い受けを行う際の義務につき、相手方の氏名等を確認する方法のほか、相手方が署名した文書を受領する方法も認めることとするとともに、少額の取引をする場合及び自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受ける場合については、この義務を免除するものであります。
その二は、古物商が古物の売買等を行う際の義務につき、帳簿へ記載する方法のほか、帳簿に準ずる書類へ記載する方法または電磁的方法により記録する方法も認めることとするとともに、売却等の際の帳簿等への記載等の義務については、特にその必要のある古物に限ることとするものであります。
第七に、行政処分に関する規定の整備についてであります。
これは、軽微な法令違反行為については、営業の停止命令等に至る前に指示を行うこととするとともに、古物営業の許可を取り消し、または古物営業の停止を命じることができる場合の要件を整備する等所要の規定の整備を行うものであります。
第八に、盗品等に関する情報の提供に関する規定の整備であります。
これは、公安委員会は、盗品等の売買の防止等に資するため、盗品等に関する情報の提供を求める者に対し情報の提供を行うことができることとするものであります。
その他、この法律案では、手数料に関する規定の整備、罰則の整備等所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、所要の経過措置等を設けることとしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
第132回国会参議院地方行政委員会会議録第5号11頁(平成7年3月7日)〔野中広務自治大臣発言・発言番号80〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113201070)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。