サリン等による人身被害の防止に関する法律案
参議院 地方行政委員会
平成7年法律第78号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会
- H7.4.19趣旨説明・質疑・採決地方行政委員会 14160
- H7.4.19採決・委員長報告本会議 2219
参議院地方行政委員会
- H7.4.19趣旨説明・質疑・採決地方行政委員会 11120
- H7.4.19採決・委員長報告本会議 175
提案理由
野中広務 自治大臣・国家公安委員会委員長 平成7年4月19日ただいま議題となりましたサリン等による人身被害の防止に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
最近、サリンと見られる猛毒ガスによって不特定多数の人を無差別的に殺傷するという我が国の犯罪史上に例を見ない残虐きわまる犯罪が続いて発生し、社会に重大な不安を生じさせているところであります。
サリンは、化学兵器にも用いられるほどに殺傷能力が強く、しかも人の殺傷以外にその用途が認められない反社会的な毒性物質でありますが、このサリンの発散、製造、所持等やサリンの製造を目的とした原料物質の所持等を人の生命及び身体の被害を防止する観点から有効に取り締まる法規がなく、また、既存法令の罰則の適用等によってはサリンを使用する不法事犯を的確に取り締まることが難しいという現状にあります。
また、サリンは強い毒性を有し、かつ、極めて即効性の高いものであるため、それが発散された場合等には直ちに所要の措置をとる必要があるところから、その旨の規定を整備する必要が認められるのであります。
この法律案は、以上のような実情を踏まえ、サリン等、すなわち、サリン及びサリン以上のまたはサリンに準ずる強い毒性を有する物質の製造、所持等を禁止するとともに、これを発散させる行為についての罰則及びその発散による被害が発生した場合の措置等を定め、もってサリン等による人の生命及び身体の被害の防止並びに公共の安全の確保を図ることをその内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
まず第一に、サリン等の発散等に関する罰則等の整備についてであります。
その一は、サリン等を発散させて公共の危険を生じさせた場合には無期または二年以上の懲役を科すこととするものであります。
その二は、サリン等の製造、輸入、所持等を禁止し、これに違反した場合には七年以下の懲役を、発散罪の用に供する目的でこれらの罪を犯した場合には十年以下の懲役を科すこととするものであります。
その三は、発散罪を犯す目的でその予備をした場合には五年以下の懲役を、製造罪等を犯す目的でその予備をした場合には三年以下の懲役を科すことにより、サリン等の原料物質の所持等についても一定の場合には処罰することができることとするものであります。
その四は、発散予備罪または発散目的製造罪等を犯した者が発散罪の実行の着手前に自首した場合に刑を減軽し、または免除することにより、サリン等の発散の未然防止を図ることとするものであります。
その五は、発散罪、製造罪または輸入罪に当たる行為に要する資金等を提供した場合には三年以下の懲役を科すこととするものであります。
第二に、被害発生時の措置等についてであります。
その一は、サリン等の発散により人の生命または身体の被害が生じており、または生じるおそれがあると認められる場合等においては、警察官等は、警察法、警察官職務執行法、道路交通法その他の法令の定めるところにより、直ちに、その被害に係る場所への立ち入りの禁止、その被害に係る物品の回収または廃棄等その被害を防止するために必要な措置をとらなければならないこととするものであります。
その二は、この警察官等による措置の円滑な実施を確保するため、関係行政機関等及び国民との協力関係について所要の規定を整備するものであります。
なお、この法律の施行日は、罰則については公布の日から起算して十日を経過した日、その他の部分については一部を除き公布の日としております。以上が、この法律案の提案理由及び内容の概略であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜ることをお願いいたします。
第132回国会衆議院地方行政委員会議録第14号1頁(平成7年4月19日)〔野中広務自治大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113201096)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。