災害対策基本法の一部を改正する法律案
参議院 災害対策特別委員会
平成7年法律第110号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院災害対策特別委員会
- H7.6.1趣旨説明・質疑・採決・附帯決議災害対策特別委員会 11209
- H7.6.1趣旨説明・質疑本会議 3219
- H7.6.2委員長報告・採決・附帯決議本会議 3311
参議院災害対策特別委員会
- H7.6.5趣旨説明・質疑本会議 2738
- H7.6.7趣旨説明・質疑・採決・附帯決議災害対策特別委員会 10139
- H7.6.9委員長報告・採決・附帯決議本会議 2821
提案理由
小澤潔 国土庁長官・北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官 平成7年6月1日ただいま議題となりました災害対策基本法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
この法律案は、阪神・淡路大震災に対処するため行われた災害応急対策に係る車両の通行が著しく停滞した状況等にかんがみ、災害時における緊急通行車両の通行を確保するため、都道府県公安委員会による災害時における交通の規制に関する措置を拡充するとともに、車両の運転者の義務、警察官、自衛官及び消防吏員による緊急通行車両の通行の確保のための措置等を定めることとするものであります。
以上が、この法律案を提出する理由であります。
次に、この法律案の要旨を申し上げます。
第一に、都道府県公安委員会による災害時における交通の規制に関する措置を拡充し、都道府県公安委員会は、当該都道府県またはこれに隣接しもしくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、またはまさに発生しようとしている場合において、区域または道路の区間を指定して、緊急通行車両以外の車両の道路における通行を禁止し、または制限することができることとしております。
第二に、通行禁止等が行われた場合の運転者の義務として、車両の運転者は、速やかに、当該車両を通行禁止等に係る道路の区間外または道路外の場所へ移動しなければならないこととし、当該移動が困難なときは、できる限り道路の左側端に沿って駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならないこととしております。
第三に、警察官は、通行禁止区域等において、緊急通行車両の通行の妨害となる車両その他の物件の所有者等に対し、当該物件の移動等の措置をとることを命じ、当該措置がとられないとき等は、みずからその措置をとることができることとしております。この場合において、警察官は、やむを得ない限度において、当該車両その他の物件を破損することができることとするとともに、当該破損については、損失補償の対象とすることとしております。
また、警察官がその場にいない場合に限り、自衛隊法第八十三条第二項の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官または消防吏員は、それぞれ自衛隊用緊急通行車両または消防用緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置をとることを命じ、またはみずから当該措置をとることができることとしております。
第四に、国家公安委員会は、関係都道府県公安委員会に対し、通行禁止等に関する事項について指示することができることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第132回国会衆議院災害対策特別委員会議録第11号1頁(平成7年6月1日)〔小澤潔国土庁長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は本法施行に当たり、次の事項について速やかに善処するとともに、運用に万全を期すべきである。
一近年大規模災害が多発している現状にかんがみ、災害対策基本法及び各種防災計画などわが国の防災体制を抜本的に見直すことは、現下の緊急かつ最重要課題と認識し、政府は可及的速やかに抜本改正の作業に着手すること。
二災害時における緊急通行路確保のため、防災の観点から道路交通ネットワークのあり方について検討を行い、交通管理体制の適切な運用に努力するとともに、住民に対する防災教育を徹底すること。
三災害対策基本法の抜本的改正に当たっては、今回の緊急通行路確保のほか、救急医療体制の整備、消火機能の強化、災害時通信システムの整備、地震予知体制の強化等を災害対策として緊急に整備拡充すべきことを念頭において早急に検討を始めること。
四大規模災害発生時において被害規模を早期に把握するため、情報収集・伝達体制の一層の強化を推進するとともに、国、地方公共団体、消防、警察及び自衛隊などの広域的な協力体制を含めた防災体制の確立を図るよう努めること。
五予測が難しい突発型の大規模災害発生に対しては、政府及び地方自治体の初動対応が極めて重要であることを確認し、国民の生命と安全と財産を守るという政治の原点に立ち、非常災害時の政府の体制等国の危機管理体制のあり方について抜本的な検討を加えること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一近年、大規模災害が多発している現状にかんがみ、災害対策基本法、各種防災計画等我が国の防災体制を抜本的に見直すことは、現下の緊急かつ最重要課題と認識し、可及的速やかに抜本改正の作業に着手すること。
二災害対策基本法の抜本改正に当たっては、今回の緊急通行車両の通行路確保のほか、救急医療体制、消火機能、災害時通信システム、地震予知体制等を緊急に整備拡充すべきことを念頭に置いて検討を行うこと。
三災害時における緊急通行車両の通行路確保のため、道路交通ネットワークの在り方について検討を行い、交通管理体制の適切な運用に努力するとともに、住民に対する防災教育を徹底すること。
四大規模災害発生時において被害規模を迅速に把握するため、情報収集・伝達体制の一層の強化を推進するとともに、国、地方公共団体、消防、警察及び自衛隊等の広域的な協力体制を含めた防災体制の確立を図るよう努めること。
五予測が難しい突発型の大規模災害発生に際しては、政府及び地方自治体の初動対応が極めて重要であることは今回の阪神・淡路大震災から得た教訓であり、国民の生命と財産を守るという政治の原点に立ち、非常災害時の政府の体制等国の危機管理体制の在り方について抜本的な検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113201102)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。