水質汚濁防止法の一部を改正する法律案
衆議院 環境委員会
平成8年法律第58号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院環境特別委員会
- H8.4.8趣旨説明環境特別委員会 55
- H8.4.10質疑・附帯決議・採決環境特別委員会 6144
- H8.4.12委員長報告・採決・附帯決議本会議 1149
衆議院環境委員会
- H8.5.21趣旨説明環境委員会 64
- H8.5.24質疑・採決・附帯決議環境委員会 7148
- H8.5.28委員長報告・採決・附帯決議本会議 2959
提案理由
岩垂寿喜男 環境庁長官 平成8年4月8日ただいま議題となりました水質汚濁防止法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
地下水は、温度の変化が小さく水質が清浄であることなどから、全国で約三千万人の飲用に供されるなど、古来より豊富で良質な水資源として住民に親しまれ、都市用水等として重要な役割を果たしているほか、災害時等緊急時の水源としても重要であります。
こうした地下水の水質を保全するため、既に水質汚濁防止法に基づき有害物質の地下への浸透を制限する措置等を講じてきておりますが、地下水は流速が極めて緩慢であるなどの理由から自然の浄化が期待しにくいため、有機塩素系化合物等の有害物質により一たん汚染された地下水につきましては、汚染の改善の傾向は見られない現状にあります。
また、近年、油の流出事故により、浄水場の取水障害、農業用水の汚濁等の被害が生じており、こうした事故に的確に対応する必要があります。
この法律案は、こうした状況にかんがみ、有害物質により汚染された地下水による人の健康に係る被害を防止するため、地下水の水質の浄化のため必要な措置を定めるとともに、油の流出事故による水質汚濁を防止するため、事故時の措置に関する規定の整備を行うものであります。
次に、この法律案の主要事項についてその概略を御説明申し上げます。
第一に、地下水の水質の浄化に係る措置命令等であります。都道府県知事は、特定事業場において有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があったことにより、現に人の健康に係る被害が生じ、または生ずるおそれがあると認めるときは、当該特定事業場の設置者に対し、相当の期限を定めて、地下水の水質の浄化のための措置をとることを命ずることができることといたしております。
第二に、事故時の措置についてであります。特定事業場の設置者及び重油その他の油を貯蔵し、または油を含む水を処理する施設を設置する工場または事業場の設置者は、事故により油を含む水が公共用水域に排出され、または地下に浸透した場合は、直ちに応急の措置を講ずるとともに、事故の状況等を都道府県知事に届け出なければならないこととし、また都道府県知事は、汚染の拡大を防止するため必要な措置を講ずることを命ずることができることといたしております。
以上のほか、地下水の水質の浄化に係る措置命令を規定すること等に伴い、罰則規定その他の規定及び関係法律について所要の整備を行うこととしております。
この法律案の施行期日は平成九年四月一日としております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第136回国会参議院環境特別委員会会議録第5号1頁(平成8年4月8日)〔岩垂寿喜男環境庁長官発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一地下水保全対策の総合的な推進を図るため、地下水の水質汚濁に係る環境基準を早急に設定すること。
二硝酸性窒素等未規制の有害物質による地下水汚染に関して、その健康影響、汚染機構、対策手法等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要かつ適切な措置を講ずること。
三汚染原因者が不明等の場合における浄化対策の実施主体、費用負担のあり方等について検討を行い、改正法の施行状況を踏まえつつ結論を得るよう努めること。
四汚染源究明調査を実施する地方公共団体に対して、技術的援助等適切な支援措置を講ずること。
五地下水汚染と密接に関連する土壌の汚染についても、総合的な浄化対策制度の確立に向けて引き続き検討を進めること。
六地下水の状態に係る科学的知見の充実に努めること。
案文を朗読して説明にかえさせていただきます。水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を構すべきである。
一早急に地下水の水質汚濁に係る環境基準を設定するとともに、全国的な地下水の状態に係る調査を行い、科学的知見の充実に努めて、地下水の総合保全対策の推進を図ること。
二本法の実効性を確保するため、汚染源究明調査を実施する地方公共団体及び汚染浄化に取り組む者に対して、技術的援助等適切な支援措置を講ずること。
三人の健康被害に直結する地下水の汚染を除去するという本法の目的に照らして、汚染原因者が不明等により浄化責任を問えない場合における浄化対策の実施主体、費用負担のあり方等について検討を行い、改正法の施行状況を踏まえつつ結論を得るよう努めること。
四既存の汚染源究明調査・浄化技術のより一層の効率と経済性の向上を図るとともに、すぐれた新技術を開発するための研究開発の促進に努めること。
五硝酸性窒素等未規制の地下水汚染物質について、その健康影響、汚染機構、対策手法等を十分調査するともに、必要かつ適切な措置を講じること。
六土壌汚染は蓄積性の汚染であり、ひいては地下水汚染等を通じて人への健康影響が懸念されることにかんがみ、その実態把握に努めるとともに、浄化対策の制度の確立に向けて検討を推進すること。
七大気系、水系等の複数の環境媒体にわたる汚染についても、国連海洋法条約の精神をも体し、総合的な対策の検討を推進すること。
八地下水を含めた水環境保全の重要性について国民一般に広く認識されるようより積極的な措置を講じること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113601062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。