農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案
参議院 農林水産委員会
平成8年法律第118号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H8.12.12趣旨説明・参考人招致・質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 1360
- H8.12.12趣旨説明・質疑本会議 532
- H8.12.13委員長報告・採決・附帯決議本会議 673
参議院農林水産委員会
- H8.12.16趣旨説明・質疑本会議 519
- H8.12.17趣旨説明・参考人招致・質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 1172
- H8.12.17委員長報告・採決・附帯決議本会議 616
提案理由
藤本孝雄 農林水産大臣 平成8年12月12日農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案及び農業協同組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農協系統は、農業者の協同組織として、組合員が必要とする営農及び生活に関するサービスを提供し、農業の振興や農村地域の活性化に大きな役割を果たしてきたところであります。
近年、農業、農村をめぐる状況が大きく変化する中で、農協の経営環境が厳しくなるとともに、我が国農業の競争力強化が要請されており、農協は、これまで以上に農業者に対して良質のサービスを低コストで提供できるよう、経営体質を改善することが求められております。特に信用事業につきましては、金融の自由化等が急速に進展する中で、他の金融業態との競争が激しくなってきており、一層の事業機能の強化と効率化、健全化を図っていくことが急務となっております。
このような状況を踏まえ、信用事業を中心とする農協系統の事業、組織の改革を推進するため、この二法案を提出した次第であります。
まず、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
農協系統の事業、組織の改革の一環として、単位農協の広域合併とあわせて、都道府県連合会と全国連合会の統合による組織二段の推進が大きな課題となっておりますが、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会の統合は、根拠法が異なることから現行法上できないこととなっております。
このため、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会につきましても、農林中央金庫を存続法人とする合併及び信用農業協同組合連合会から農林中央金庫への信用事業の譲渡を行うことができることとし、合併、事業譲渡に関し、総会での承認、債権者の異議の申し立て、主務大臣の認可の手続等を定めることといたしております。
次に、農業協同組合法等の一部を改正する法律案の主要な内容につきまして御説明を申し上げます。
第一に、農業協同組合法の改正であります。
農業協同組合の業務執行体制の強化を図るため、常勤役員等の兼職、兼業を制限するほか、経営管理委員会制度を選択的に導入できるようにすることといたしております。また、信用事業を行う組合の経営の健全性を確保するため、最低出資金制度の導入、法定準備金の積立基準の引き上げ等による自己資本、内部留保の充実を図るとともに、員外監事、常勤監事の必要、中央会監査の強化による監査体制の強化等を行うこととしております。さらに、農協貯金の健全な運用に資するため、資金運用規制を緩和することとしております。
第二に、農業協同組合合併助成法の改正であります。
農業協同組合の広域合併を推進するため、合併経営計画につき都道府県知事の認定を求めることができる期限を平成十三年三月三十一日まで延長することとしております。
第三に、農林中央金庫法の改正であります。
農協系統全体としての自己責任に基づく健全な資金運用を実現するため、農林中央金庫の非居住者向け貸し出しの規制緩和等を行うとともに、法定準備金の積立基準の引き上げを行うこととしております。
このほか、農業信用保証制度の充実を図るなど、農協改革に関連して、関係法律の規定を整備することとしております。
以上が、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案及び農業協同組合法等の一部を改正する法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第139回国会衆議院農林水産委員会議録第1号2頁(平成8年12月12日)〔藤本孝雄農林水産大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律案及び農業協同組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)最近における農業・農村の変化、金融自由化の急速な進展等農協系統を取り巻く厳しい状況に対処し、農協系統が組合員の多様化・高度化するニーズに的確に応えていくためには、その事業・組織の見直しと改革が喫緊の課題となっている。よって政府は、両法の運用等に当たっては、左記事項の実現に努め、組合員はもとより国民の目に見える形での早急かつ着実な改革の促進に遺憾なきを期すべきである。記
一農協系統の事業・組織改革の推進に当たっては、経営の合理化・効率化等によるメリットを組合員や地域社会に最大限に還元するという改革の趣旨を徹底するとともに、農協活動の原点である営農支援事業の充実や高齢者福祉事業など地域社会のニーズに即した事業への取組み強化を図ること。
二農協の広域合併の推進に当たっては、合併後の経営展望を明示すること等により、関係者の理解と納得のもとに行われるよう指導するとともに、組織二段の推進に当たっては、地域の実情等に配意しつつ、系統当事者の自主的な合意形成が円滑に進められるような環境の整備に努めること。
三農林中金と信連の統合に際しては、系統金融全体の効率的かつ健全な発展を阻害することのないよう不良債権の処理等を徹底するとともに、要員の処遇や再配置等にも十分配慮すること。
四新設される経営管理委員会制度については、その趣旨を役職員・組合員に周知徹底し、これが選択肢として導入されるような環境の整備に努めること。また、これと併せ、常勤役員等の兼職・兼業制限の的確な実施、学識経験者等の理事への登用促進等により、責任ある業務執行体制の確立が図られるよう十分指導すること。
五員外監事・常勤監事の必置等により、監査体制の強化が図られるよう十分指導すること。また、中央会による監査に当たっても、中央会に置かれる公認会計士を積極的に活用し、他業態と同等の監査となるよう指導すること。
六自己資本・内部留保については、組合員の理解と協力のもと、早急にその充実を図ること。また、部門別損益の開示等については、これが組合の経営体質強化に適切に反映されるよう十分指導すること。
農業協同組合は、農業者の協同組織として、組合員の負託にこたえるとともに、地域農業の振興や地域の活性化に大きな役割を果たしてきた。しかしながら、最近における我が国農業及び農村の変化、金融の自由化等の農協系統を取り巻く厳しい状況の中で、農協系統が組合員の多様化・高度化するニーズに的確にこたえるとともに、系統信用事業に対する国民の信頼を回復し、金融システムの安定を図るためには、農協系統の事業・組織の見直しと改革が現下の最重要課題となっている。よって政府は、両法の施行に当たっては、今後の金融改革の動向等を考慮しつつ、次の事項の実現に努め、組合員はもとより国民の目に見える形での早急かつ着実な改革の促進に万遺憾なきを期すべきである。
一農協系統の事業・組織の改革の推進・実行に当たっては、経営の合理化、効率化等によるメリットを組合員や地域社会に最大限に還元するという改革の趣旨を徹底するとともに、農協活動の原点である営農支援事業の充実や高齢者福祉事業など地域社会のニーズに即した事業への取組を強化すること。
二農協の広域合併を推進するに当たっては、合併後の経営展望を明示すること等により、組合員を初めとする関係者の理解と納得の下に行われるよう指導すること。また、組織二段を推進するに当たっては、地域の実情等に配慮しつつ、組織の自主的な協議、合意形成が円滑に進められるよう環境整備に努めること。
三農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との統合に際しては、系統信用事業全体の効率的かつ健全な発展を阻害することのないよう不良債権の処理等を徹底するとともに、要員の処遇や再配置等にも十分配慮すること。
四新たに経営管理委員会制度を導入するに当たっては、その趣旨を役職員・組合員に周知徹底し、これが選択肢として導入されるよう環境整備に努めること。あわせて、常勤役員等の兼職・兼業の制限の的確な実施、学識経験者等の理事への積極的登用等により、責任ある業務執行体制の確立が図られるよう十分指導すること。
五員外監事・常勤監事の必置等により、監査体制の強化が図られるよう十分指導するとともに、中央会による監査が、中央会に置かれる公認会計士の積極的活用により、他の金融業態と同等の監査となるよう指導すること。また、行政検査等の充実と併せて、監査の実効性が確保されるよう努めること。
六自己資本・内部留保については、組合員の理解と協力の下、早急にその充実を図ること。また、部門別損益の組合員への開示等については、これが組合の経営体質強化に適切に反映されるよう十分指導すること。
七農業信用基金協会の行う保証業務への対象追加等により、信用補完事業としての機能が十分発揮されるよう信用保証保険制度の適切な運営に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113901010)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。