大規模小売店舗立地法案
参議院 経済・産業委員会
平成10年法律第91号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- H10.4.16趣旨説明商工委員会 94
- H10.4.16趣旨説明・質疑本会議 3032
- H10.4.24質疑商工委員会 10271
- H10.5.6参考人招致商工委員会 11100
- H10.5.7質疑・討論・採決・附帯決議商工委員会 12202
- H10.5.8採決・委員長報告・附帯決議本会議 3634
参議院経済・産業委員会
- H10.5.11趣旨説明・質疑本会議 2528
- H10.5.12趣旨説明・質疑経済・産業委員会 11125
- H10.5.14参考人招致経済・産業委員会 1274
- H10.5.21質疑経済・産業委員会 15198
- H10.5.26修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案経済・産業委員会 1624
- H10.5.27委員長報告・採決・附帯決議本会議 3012
提案理由
堀内光雄 通商産業大臣 平成10年4月16日続いて、大規模小売店舗立地法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
我が国の小売業は、需要面ではモータリゼーションの急速な進展と消費者の生活様式の変化により、また、供給面では新たな業態の急速な成長等を背景に、大きな構造的変化を遂げつつあります。こうした中、単に規模の経済を追求するよりも、魅力ある商業集積の構築や情報化、システム化を進めることが小売業の競争上重要になっております。
一方で、周辺の地域住民を主要な顧客とし、地域密着性が高いという特徴を有する小売業が健全な発展を図るためには、地域社会との融和が極めて重要であり、特に、近年、大規模小売店舗の立地に伴う交通渋滞や騒音等の社会的問題への対応について要請が高まっております。
これらを背景に、事業活動の調整を行う現行制度の限界が指摘されており、社会的問題に対応し、新たな実効性ある措置を講ずることが必要となっております。
以上のような観点から、大規模小売店舗の設置者がその周辺の地域の生活環境の保持のための適正な配慮を行うことを確保することにより、小売業の健全な発達を図るべく、店舗の新増設に際し、都道府県等が生活環境の保持の見地から意見を述べるための手続等を定めるとともに、その意見を反映させるための措置を講ずるため、今般、本法案を提案した次第であります。
次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、通商産業大臣は、大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持を通じた小売業の健全な発達を図る観点から、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項について指針を定めることとしております。
第二に、大規模小売店舗の設置者が店舗を新増設する場合には、大規模小売店舗の施設の配置や運営方法等について都道府県等に届け出を行い、その内容を周知させる説明会を開催することとしております。
第三に、この届け出内容について、市町村、地域住民、事業者、商工会議所または商工会その他の団体等は、都道府県等に意見を述べることができることとしております。都道府県等は、これらの意見に配意するとともに、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、その周辺の地域の生活環境の保持の見地からの意見を述べることができることとしております。
第四に、これに対する大規模小売店舗の設置者の対応が、都道府県等の意見を適正に反映しておらず、その周辺の地域の生活環境に著しい悪影響を及ぼす事態の発生を回避することが困難と認められるときは、都道府県等は、市町村の意見を聞き、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、必要な措置をとるよう勧告できることとしております。さらに、正当な理由がなく、設置者が勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができることとしております。
なお、このような新たな実効性ある制度が施行される二とに伴い、現行の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律は、本法で廃止することとしております。
以上が、本法案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第142回国会衆議院商工委員会議録第9号1頁(平成10年4月16日)〔堀内光雄通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、中心市街地が「街の顔」として二十一世紀に向けた新しい活力を生み出す基盤となるよう、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一本施策の実施に当たっては、新しい街づくりの理念が実現できるよう、従来の施策の点検と評価の結果を十分に踏まえ、その適確かつ効率的な推進を図ること。また、その内容については、市町村における柔軟な施策選択を可能とするため今後とも不断の見直しを行うこと。
二市町村における本施策の一体的・総合的な取組みを推進すべく、関係省庁間の有機的な連携体制の構築を図るとともに、市町村の負担を過重なものとしないため関係省庁の窓口の一元化を図ること。また、都道府県や市町村の関係部局間の連携や窓口の一元化が円滑に推進されるよう適切な助言等を行うこと。
三国の基本方針は、中心市街地の空洞化の懸念を抱え、本法の趣旨を踏まえて活性化のための先進的・総合的な取組みを行おうとする市町村を幅広く本法の対象とし、それらが十分な支援を受けられるよう定めること。
四市町村の基本計画は、自らのイニシアティブの下、地域の特性と創造性が最大限に発揮されることが重要であり、政府の事業支援や指導・助言等を通じた関与は必要最小限にとどめること。
五認定構想推進事業者、いわゆるタウンマネージメント機関による中小小売商業高度化事業や中心市街地整備推進機構による市街地の整備改善のための事業が市町村の基本計画の下で一体となって行われるよう指導するとともに、街づくりの一層円滑な推進に向けて不断にその運用体制の点検を行うこと。また、街づくりの推進は、企画力や指導力に優れた人材の育成・確保が不可欠であり、地域の人材育成のための十分な支援措置を講ずること。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一小売業は地域密着性が高いという特性を有していることにかんがみ、大規模小売店舗の立地について、地域社会との融和の中で円滑に進められるよう地域住民、関係団体等の意見を広く聴取し、的確に対応するためのシステムを創設すること。
二大規模小売店舗の立地が街づくりに影響することにかんがみ、生活環境の保持、住民利便の確保の観点から、地域・街づくりにも十分配慮して指針等を策定すること。
三大規模小売店舗の立地及び運営に際して、本法の趣旨が十分に尊重され、周辺環境に適切な配慮がなされるよう、大規模小売店舗の設置者に対し実効性のある対応を促すこと。
四中小小売業は、身近な購買機会を提供し、さらには、地域コミュニティの核である等、社会・経済的に極めて重要な役割を担っていることから、中小小売業の活性化のための諸施策の充実に努めること。
五本法施行までの間の現行法の運用に十分に配慮するとともに、施行後においては、大規模小売店舗の立地後の地域社会等への影響、状況を常時把握し、必要に応じて適切な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。