外国人登録法の一部を改正する法律案
衆議院 法務委員会
平成11年法律第134号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院法務委員会
- H11.4.14趣旨説明・質疑本会議 1325
- H11.4.15趣旨説明法務委員会 5113
- H11.4.20質疑法務委員会 6285
- H11.4.22参考人招致法務委員会 7122
- H11.5.6質疑法務委員会 9330
- H11.5.13質疑法務委員会 10233
- H11.5.20修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案法務委員会 12265
- H11.5.21委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 2157
衆議院法務委員会
- H11.7.23趣旨説明・質疑本会議 4817
- H11.7.30趣旨説明・質疑法務委員会 25292
- H11.8.3参考人招致法務委員会 26147
- H11.8.6質疑法務委員会 27192
- H11.8.13質疑・附帯決議・採決法務委員会 28140
- H11.8.13委員長報告・採決・附帯決議本会議 5328
提案理由
陣内孝雄 法務大臣 平成11年4月14日初めに、外国人登録法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
外国人登録法に基づく指紋押捺制度については、これまで累次にわたり指紋押捺義務を緩和するための改正が行われてきたところであります。
平成四年の外国人登録法の改正において、永住者及び特別永住者について指紋押捺制度を廃止しましたが、同改正案の御審議の際、衆議院及び参議院の法務委員会において、指紋の押捺を含む外国人登録制度のあり方についてさらに検討するようにとの附帯決議がなされており、その御趣旨を踏まえ検討を進めてきたところ、同改正により永住者及び特別永住者について指紋押捺制度にかえて導入した署名及び家族事項の登録という同一人性確認手段は、その後六年余りを経て特段の問題も生じておらず、かかる確認手段はそれなりに定着しているものと認められます。他方において、諸外国、特に先進国において指紋押捺制度を採用している国は少なく、また、外国人登録事務を実施している地方自治体から、事務の合理化などの観点から、指紋押捺制度の廃止についての要請が出されているところであります。
この法律案は、以上のような状況を踏まえ、現在指紋押捺義務が課されている外国人について、指紋押捺制度を廃止し、これにかえて署名及び家族事項の登録を導入するとともに、登録原票についてその管理に関する規定の整備及び一定範囲の開示制度を新設し、あわせて外国人の負担軽減及び事務処理の簡素化を図るため、外国人登録法の一部を改正することを目的とするものであります。
次に、この法律案の主要点について御説明申し上げます。
第一は、現在、指紋押捺義務が課されている外国人についても、指紋押捺を要しないものとするとともに、永住者及び特別永住者と同様の署名及び家族事項の登録という同一人性確認の手段を採用することとするものであります。
第二は、登録原票の管理に関する規定を整備するとともに、原則として非開示としている登録原票について、一定の範囲でその開示を認める旨の規定を新設するものであります。
第三は、永住者及び特別永住者について、登録事項のうち、「職業」及び「勤務所又は事務所の名称及び所在地」を登録原票に登録することを要しないこととするものであります。
第四は、永住者及び特別永住者について、確認期間、すなわち登録証明書の切りかえ期間を現在の五回目の誕生日から七回目の誕生日に伸長することであります。
第五は、居住地、在留の資格、在留期間等に係る変更登録申請については、外国人の同居の親族も当該外国人にかわって代理申請をすることができるよう代理申請の範囲を拡大することとするものであります。
以上が外国人登録法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
第145回国会参議院会議録第13号1頁(平成11年4月14日)〔陣内孝雄法務大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の諸点について格段の努力をすべきである。
一今回の改正により指紋押なつ制度が全廃されるに至った経緯にかんがみ、指紋押なつ拒否を理由に在留資格において著しい不利益を受けている外国人に対し、その不利益を除去するための措置を速やかに検討すること。
二永住者に外国人登録証の常時携帯を義務づける必要性、合理性について十分な検証を行い、同制度の抜本的な見直しを検討すること。とりわけ特別永住者に対しては、その歴史的経緯等が十分考慮されなければならない。
三特別永住者の外国人登録証常時携帯義務違反に対する罰則の適用に当たっては、改正により刑事罰の対象から除外された趣旨を踏まえ、違反者に対する行政罰についても、その運用は抑制的であらねばならず、いやしくも濫用にわたることのないよう努めること。
四本邦在留の外国人に対する行政の在り方にかかわる内外の諸情勢の推移を踏まえ、外国人登録事項、登録証の更新切替期間、登録原票等の公開をはじめとする外国人登録制度の在り方について、制度の見直しを検討すること。
五特別永住者に対しては、その在留資格が法定されるに至った歴史的経緯等を十分考慮し、再入国許可制度の在り方について検討するとともに、運用については、人権上適切な配慮をすること。
六退去強制者の上陸拒否期間の延長、不法在留罪の新設等に伴い、退去強制手続、上陸特別許可、在留資格認定証明書の交付、在留特別許可等の各制度の運用に当たっては、当該外国人の在留中に生じた家族的結合等の実情を十分考慮すること。
政府は、次の諸点について格段の努力をなすべきである。
一指紋押なつ制度の全廃等本改正の趣旨・内容について関係者等に周知徹底されるよう努めること。
二外国人登録証明書の常時携帯・提示義務等に関する規定の運用に当たっては、特別永住者について常時携帯義務違反が刑事罰の対象から除外された趣旨も踏まえ、いやしくも濫用にわたることのないように努めること。
三登録原票の開示に当たっては、外国人のプライバシーが不当に侵害されることがないよう適切な措置を講ずること。
四法改正により指紋押なつを必要としなくなった者の指紋原紙については、これを速やかに廃棄すること。また、それらの者の外国人登録原票の指紋部分について速やかに適切な措置を講ずること。
五本邦在留の外国人に対する行政の在り方にかかわる内外の諸情勢の推移を踏まえ、外国人の人権を尊重する見地から、外国人登録制度の在り方について、その目的を含め検討すること。
六外国人登録法に定める罰則について、他の法律との均衡並びにこの法律における罰則間の均衡など、適切な措置につき検討を行うこと。
七外国人登録証明書の常時携帯義務の必要性、合理性について十分な検証を行い、同制度の抜本的な見直しを検討すること。とりわけ特別永住者に対しては、その歴史的経緯等が十分考慮されなければならない。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114501079)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。