特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案
参議院 内閣委員会
平成15年法律第65号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- H15.5.7趣旨説明内閣委員会 84
- H15.5.9質疑・附帯決議・採決内閣委員会 9183
- H15.5.13採決・委員長報告・附帯決議本会議 2927
参議院内閣委員会
- H15.5.22趣旨説明内閣委員会 9224
- H15.5.27質疑・附帯決議・採決内閣委員会 10172
- H15.5.28採決・委員長報告・附帯決議本会議 2723
提案理由
谷垣禎一 国家公安委員会委員長・産業再生機構担当大臣 平成15年5月7日ただいま議題となりました特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
この法律案は、最近における建物に侵入して行われる犯罪の情勢にかんがみ、その防止に資するため、正当な理由のない特殊開錠用具の所持等を禁止するほか、指定建物錠の防犯性能に関する表示制度を新設し、その他特殊開錠用具等を用いて建物に侵入する行為の防止対策の推進について定めること等をその内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
第一は、特殊開錠用具及び指定侵入工具の定義についてであります。特殊開錠用具とは、ピッキング用具その他の専ら特殊開錠を行うための器具であって、建物錠を開くことに用いられるものとして政令で定めるものをいうこととし、また、指定侵入工具とは、ドライバー、バールその他の工具であって、建物錠を破壊するためまたは建物の出入り口もしくは窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいうこととするものであります。
第二は、特殊開錠用具の所持及び指定侵入工具の携帯の禁止についてであります。これは、何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持してはならず、また、指定侵入工具を隠して携帯してはならないこととするものであります。
第三は、特殊開錠用具等を用いて建物に侵入する行為の防止対策の推進についてであります。
その一は、建物錠等の製造または輸入を業とする者は、建物錠等の防犯性能の向上に努めなければならないこととするとともに、国家公安委員会は、これらの者から建物錠等の防犯性能の向上のため援助を受けたい旨の申し出があった場合において、その申し出を相当と認めるときは、必要な援助を行うこととするものであります。
その二は、国家公安委員会は、建物錠のうち、防犯性能の向上を図ることが特に必要なものとして政令で定める指定建物錠について、その防犯性能に関し建物錠の製造または輸入を業とする者が表示すべき事項及び表示の方法その他表示に際して遵守すべき事項を定め、これを告示することとするものであります。あわせて、告示されたところに従って防犯性能に関する表示をしていない者に対する勧告及び命令の規定を設けることとしております。
その三は、錠取扱業者は、建物錠を販売する相手方に対してその防犯性能を正確に説明するとともに、顧客の依頼に応じて建物錠の特殊開錠を行うときは、その者の氏名及び住所を確認するよう努めなければならないこととするものであります。
その他、所要の規定を設けることとしております。
この法律の施行日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。ただし、指定建物錠の防犯性能の表示に関する規定については、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
なお、この法律の附則において、出入国管理及び難民認定法の一部を改正し、本邦に上陸することができない外国人に、同法の別表第一の上欄の在留資格をもって本邦に在留している間に特殊開錠用具の所持の禁止違反の罪により懲役に処する判決の宣告を受けた者で、その後出国して本邦外にある間にその判決が確定し、確定の日から五年を経過していないもの等を加える等、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
第156回国会衆議院内閣委員会議録第8号1頁(平成15年5月7日)〔谷垣禎一国家公安委員会委員長発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について十分配慮すべきである。
一特殊開錠用具の所持及び指定侵入工具の携帯に係る禁止規定の運用に当たっては、人権を不当に侵害することのないようにすること。
二住宅等侵入犯罪を予防するための住民の取組が促進されるよう、防犯に関する情報の提供等を推進すること。
三本法の施行状況等の推移を踏まえつつ、特殊開錠用具の販売等の規制及び錠取扱業者の信頼性の確保の在り方について検討すること。
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意すべきである。
一特殊開錠用具の所持及び指定侵入工具の携帯の禁止に係る規定については、明確な基準に従った適正な運用を確保し、いやしくも人権を不当に侵害しないようにすること。
二住宅等侵入犯罪が凶暴化、組織化、巧妙化及び全国に拡散するなど、ますます深刻化し、国民の不安を増大させている実態を踏まえ、捜査体制の充実を図るとともに、関係国等との一層の協力に努めること。
三総合的かつ効果的な防犯対策のため、国民への防犯に関する情報の提供等を積極的に行うほか、関係団体等との連携・協力を強化すること。
四本法に基づく政令、規則等の制定に当たっては、幅広く国民の意見を聞き、反映させるよう努めること。
五本法の施行状況を踏まえ、特殊開錠用具の販売等の規制及び錠取扱業者の信頼性の確保の在り方について検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115601065)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。