建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案
衆議院 国土交通委員会
平成16年法律第67号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院国土交通委員会
- H16.5.11趣旨説明国土交通委員会 145
- H16.5.13質疑・採決・討論・附帯決議国土交通委員会 15159
- H16.5.14採決・委員長報告・附帯決議本会議 2134
衆議院国土交通委員会
- H16.5.19趣旨説明国土交通委員会 22250
- H16.5.21質疑・採決・討論・附帯決議国土交通委員会 23225
- H16.5.25委員長報告・採決・附帯決議本会議 3541
提案理由
石原伸晃 国土交通大臣 平成16年5月11日まず、建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
我が国の国民の生活や経済を支えている建築物は、新規建設中心の時代からストック再生の時代を迎えております。
しかしながら、建築物の安全性と市街地の防災機能に着目いたしますと、平成七年の阪神・淡路大震災において多数の尊い命が奪われたほか、昨年の宮城県北部地震においても大きな被害が発生するなど、地震や火災に対する安全性が十分確保されているとは言えない状況にあります。
今後の大規模地震に備えた安全で安心できるまちづくりの実現には、既存建築物に対する制度面の充実強化等が緊急に必要となっております。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、劣化の進行を放置すれば地震により崩壊する危険性が高いなど、危険又は有害となるおそれのある既存不適格建築物に対して、建築行政を所管する特定行政庁が、勧告・是正命令を行うことができることとするほか、建築物の適正な維持保全を図るため、報告・検査制度を充実強化することとしております。
第二に、既存不適格建築物について順次改修を進めていくことなどを可能とするための、建築規制の合理化を行うこととしております。
第三に、災害が起きた場合等に多数の生命にかかわる建築基準に違反している建築物について、是正命令に従わない場合の法人重課を最高一億円とするなど、罰金の大幅な引上げを行うこととしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
第159回国会参議院国土交通委員会会議録第14号1頁(平成16年5月11日)〔石原伸晃国土交通大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一個人住宅の耐震化をはじめとする既存建築物の安全・衛生に係る性能の確保を早期に促進するため、簡易・安価な診断・改修手法の開発、補助・融資・税制等支援制度の普及・充実を図るとともに、住宅所有者等が信頼して利用できる総合的な相談体制の整備等に努めること。
二著しく危険又は有害となるおそれがある既存不適格建築物に対する勧告及び是正命令制度の創設に当たっては、適時適切に勧告及び是正命令が行われるよう、具体的な勧告基準、是正命令基準を定めるとともに、特定行政庁に対し必要な助言・援助等を行うこと。
三不特定又は多数の者が利用する建築物の定期報告制度については、未だ多くの建築物において定期報告がなされていない状況にあることから、定期報告率の向上と実施内容の充実に努めること。また、建築物の利用者が定期報告の有無等につきチェックできる仕組み、定期報告を怠っている悪質な所有者等に関する情報公表制度等を早急に検討すること。
四中間検査及び完了検査の実施率の一層の向上を図るとともに、消防・警察部局、NPO等と連携しつつ、違反建築物の把握とその是正のための対策が確実に行われるように努めること。
五特例容積率適用地区制度については、近隣紛争の発生を防止し、良好な街なみや都市景観を維持するため、地域住民の意見が十分に反映されるよう、特段の配慮をすること。
六二以上の工事に分けて行う既存不適格建築物の増築等に関しては、全体計画の達成が一定期間内に確実に行われるよう、特段の配慮をすること。
七自動回転扉等については、国民が安心して利用できるよう、その安全性の確保に十分留意し、安全基準及び管理体制の一層の整備に努めること。
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれまして十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
一増改築等による建築物の安全性の向上を図るため、事業者等に対し既存不適格建築物に係る本法の措置について周知徹底を図るとともに、住宅所有者等のための総合的な相談体制の整備・充実に努めること。また、耐震診断・耐震改修等に係る補助・融資・税制上の支援措置の普及・充実及び既存建築物に係る耐震・免震技術等の研究開発に積極的に努めること。
二著しく危険又は有害となるおそれがある既存不適格建築物に対する勧告及び是正命令制度については、適切な運用が行われるよう、勧告及び是正命令に係るガイドラインを策定するとともに、特定行政庁に対し必要な助言、援助等を行うこと。
三不特定又は多数の者が利用する建築物に係る定期報告制度については、多くの建築物について報告がなされていない現状にかんがみ、報告率を上げるため、本制度の周知徹底を図るとともに、定期報告の対象建築物に係る台帳の整備、未報告物件に係る督促等の推進に努めること。また、定期報告を怠っている悪質な所有者等に関する情報の公表制度等を早急に検討すること。
四違反建築物については、既存建築物に係る違反是正作業マニュアルの活用、消防・警察部局やNPO等との連携強化、罰則の厳格な適用等によりその是正を強力に推進すること。
五特例容積率適用地区制度及び一団地の総合的設計制度については、地域住民の意見の反映や良好な市街地環境の確保に配慮しつつ、適切な運用が図られるよう努めること。
六自動回転扉等については、安全基準及び管理体制を早急に整備し、事故の防止に努めること。また建築物の事故についての情報収集システムを早急に構築し、事故情報を建築物の安全対策に的確に反映すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115901078)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。