介護保険法等の一部を改正する法律案
参議院 厚生労働委員会
平成17年法律第77号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H17.3.22趣旨説明・質疑本会議 1436
- H17.3.25趣旨説明厚生労働委員会 1090
- H17.4.1質疑厚生労働委員会 12147
- H17.4.6質疑厚生労働委員会 13329
- H17.4.8質疑厚生労働委員会 14240
- H17.4.12参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 15130
- H17.4.15質疑厚生労働委員会 16409
- H17.4.20派遣委員報告・質疑・派遣委員意見聴取厚生労働委員会 17395
- H17.4.22質疑厚生労働委員会 18114
- H17.4.27質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 19172
- H17.5.10委員長報告・採決・修正案・附帯決議本会議 2324
参議院厚生労働委員会
- H17.5.11趣旨説明・質疑本会議 2029
- H17.5.12趣旨説明厚生労働委員会 1914
- H17.5.17質疑厚生労働委員会 20269
- H17.5.19質疑厚生労働委員会 21313
- H17.6.7参考人招致・参考人質疑・質疑厚生労働委員会 22483
- H17.6.9質疑厚生労働委員会 23326
- H17.6.13参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 2484
- H17.6.14質疑厚生労働委員会 25292
- H17.6.16質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 26203
- H17.6.22委員長報告・採決・附帯決議本会議 2745
提案理由
尾辻秀久 厚生労働大臣 平成17年3月22日介護保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
介護保険制度については、本年で施行から五年を迎えるところですが、サービスの利用者数が施行当初の二倍を超えるなど、制度として国民の間に順調に定着しつつあります。一方で、サービス利用の伸びに伴い給付費も急速に増大しており、今後、高齢化が一層進展する我が国において、制度の持続可能性を確保していくことが喫緊の課題となっております。このような中で、介護保険制度が将来にわたり国民生活の安心を支え続けられるよう、また、認知症の高齢者の増加等の新たな課題に対応できる制度となるよう、制度全般にわたる改革を行うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、予防給付の対象者、内容、マネジメント体制の見直しを行うことなどにより、介護保険制度を予防重視型のシステムへ転換することとしております。
第二に、在宅と施設の間の利用者負担の不均衡の是正等の観点から、介護保険施設等における居住費及び食費を保険給付外とするとともに、低所得者の施設利用が困難となることのないよう、所得に応じた新たな給付を行うこととしております。
第三に、認知症の高齢者の増加等に対応し、身近な生活圏域単位での新たなサービス体系を確立するため、都道府県知事が事業者の指定等を行うこれまでのサービス体系に加え、市町村長が事業者を指定し、指導監督等を行うことができる地域密着型サービスを創設することとしております。
第四に、サービスの質の確保・向上を図るため、介護サービス事業者等の指定等について更新制を設けるとともに、介護サービス事業者について情報の公表を義務づけることとしております。
以上のほか、認定調査を委託できる者の範囲の見直しなど要介護認定の見直し、「痴呆」の用語の見直し、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し等の所要の改正を行うこととしております。
最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、平成十八年四月一日としております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第162回国会衆議院会議録第14号2頁(平成17年3月22日)〔尾辻秀久厚生労働大臣発言・発言番号13〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一附則第二条第一項に規定する検討は、平成十八年度末までに結果が得られるよう新たな場を設けて行うものとすること。また、その場においては介護保険制度の被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲の拡大も含めて検討を行うものとすること。
二難病など医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ在宅の中重度者への対応や、在宅におけるターミナルケアへの対応などの観点から、訪問看護ステーションや地域に密着した医療機関を活用して医療と介護の連携を図ることにより、在宅療養をより一層支援していくために必要な措置を講じること。
三地域包括支援センターの運営については、公正・中立を確保する観点から、市町村の責任を明確化するとともに、地域に根ざした活動を行っている在宅介護支援センターの活用も含め、地域の実情に応じた弾力的な設置形態を認めること。
四ケアマネジャーについては、中立性・独立性を重視する観点から、資質の向上を図るとともに、介護報酬についても見直しを行うこと。また、介護に携わる人材の専門性の確立を重視する観点から、研修体系や資格の在り方の見直しを行うこと。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一附則第二条第一項に規定する検討は、平成十八年度末までに結果が得られるよう新たな場を設けて行うこと。また、その場においては介護保険制度の被保険者及び保険給付を受けられる者の範囲の拡大も含めて検討を行うこと。
二介護保険施設等における食費及び居住費を保険給付の対象外とするに当たっては、利用者の負担が過重なものとならないような負担上限額を設定し、低所得者への配慮と激変緩和に努めること。併せて、社会福祉法人による利用者負担減免制度の運用改善等のきめ細かな低所得者対策を講ずること。この場合においては、社会福祉法人に過剰な負担とならないように適正な措置を検討すること。
三介護保険施設等の給付の見直しに関しては、施行に向け周知に万全を期すとともに、施行後においては、利用者負担の実態の把握に努めること。なお、介護保険三施設における食費及び居住費の徴収に関しては、これらの施設における居住環境の整備を図るとともに、入所者の所得、施設の居住環境等の実情に応じて、適切に対処すること。また、高齢者の非課税限度額の見直しに関する影響については、税制改正の趣旨を踏まえた激変緩和措置を講ずること。
四平成十六年度税制改正における年金課税の強化(公的年金等控除の縮小)に伴う第一号被保険者の保険料負担の増加に対しては、激変緩和を図るため、課税層に対する保険料賦課において、多段階で弾力的な段階設定が可能となるよう措置すること。また、上記措置には、平成十六年度税制改正の激変緩和の意義があることについて、全国の担当部長会議等において十分な説明を行い、市町村への周知徹底を図ること。
五介護保険制度を費用負担の面で支える現役世代の意見を制度運営に十分反映させるため、厚生労働省に保険者や第一号被保険者とともに、第二号被保険者や医療保険者などで構成する運営協議会を設置すること。また、第二号被保険者の介護保険料の料率については、上限の設定など、その急激な増加を抑える方策について検討を行うこと。
六小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスの基盤整備及び介護施設の個室・ユニットケア化を推進すること。また、介護予防サービス及び地域密着型サービスを提供する事業所については、既存施設を活用するなど効率的な整備の推進に努めること。さらに、介護施設、グループホーム等の居住系サービス及び介護サービス付きの「住まい」の整備の在り方について、住宅政策との連携を図りつつ検討を行うこと。さらに、介護者の急病など緊急・突発的なニーズに対応できるよう、ショートステイを利用しやすいものに見直すこと。
七新予防給付の導入に伴い、認定区分が要介護一から要支援二に変更される者について、これらの者が現に受けているサービスを引き続き受けられるよう、十分配慮すること。また、新予防給付に係る介護報酬の設定に当たっては、自立支援の観点から、時間単位だけではなく、例えば、月単位やプログラム単位の包括的な設定を導入するなど、柔軟性のある仕組みを検討すること。
八要介護認定の有効期間の設定については、保険者である市町村の意向に配慮しつつ、利用者の要介護度の改善が見られた場合、要介護区分を速やかに変更するよう努めること。
九要支援・要介護になるおそれのある高齢者への適切な介護予防サービス提供に向けて、地域包括支援センターの保健師等が要介護認定非該当者や未申請者の実態把握を行うことができるよう努めるものとすること。また、新予防給付及び地域支援事業の効果に関して信頼性の高い研究成果を蓄積し、市町村に対して情報提供に努めること。
十新予防給付・地域支援事業の実施状況をみながら、平成二十年度末までに予防効果の評価検討と同時に、保険料、サービスの水準、要介護認定審査等における地域格差の縮小を図り、全国平等のサービスとなるように必要な財政措置等を講じること。また、地域支援事業における介護予防サービスの対象者選定に係る「介護予防のスクリーニング」においては、全国共通の客観的基準に基づいた判定が行われるように努めること。
十一介護予防プランにおいて口腔機能向上のための口腔ケアプランを策定する際には、歯科医師、歯科衛生士等の専門家の意見を聴くこととすること。
十二地域包括支援センターの運営については、公正・中立を確保する観点から、市町村の責任を明確化した上で、地域に根ざした活動を行っている在宅介護支援センターの活用も含め、地域の実情に応じた弾力的な設置形態を認めること。また、専門職の配置については、その資格について経過措置を設けるなど、地域の実情を踏まえた人材の確保ができるように十分配慮するとともに、主任ケアマネジャー(仮称)については、介護現場での経験を重視し、適切なケアマネジメントを行える人材を登用すること。
十三介護保険事業及び介護予防事業の実施に関しては、生涯を通じた健康づくり支援という観点から、生活習慣病予防等その他の健康づくり関連事業との連携性、整合性を有するよう努めること。
十四ケアマネジャーについては、資質の向上を図るとともに、中立性・独立性を重視する観点から、基準及び介護報酬について所要の見直しを行うこと。
十五ケアマネジメントについては、包括的なケアマネジメントの実施、多職種協働の強化、サービス担当者会議の積極的な開催や自立した生活の実現を目指したケアプランの作成など、介護保険制度の特色であるケアマネジメントの真価が発揮できるように十分な指導や支援に努めること。
十六介護需要が増大する中で、介護労働の魅力を高め、優秀な人材を介護の職場に確保していくため、介護労働者の雇用管理や労働条件の改善、研修体系や資格の在り方の見直しに取り組むこと。また、労働条件の改善及びサービスの質の確保・向上の観点から、介護施設の施設基準を見直すとともに、直行直帰型のホームヘルパー及びグループホームの夜勤についてその労働実態を把握し、所要の改善を図ること。
十七介護サービス事業者の指定及び取消の要件に、労働関係及び社会保険関係法規の遵守状況を含めることを検討するとともに、介護サービス情報の公表に当たり、短時間勤務も含めた従業員の健康診断及び感染症予防に関する研修の実施の有無を対象項目に含めること。
十八難病など医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ在宅の中重度者への対応や、在宅におけるターミナルケアへの対応などの観点から、訪問看護ステーションや地域に密着した医療機関を活用して医療と介護の連携を図ることにより、在宅療養をより一層支援していくために必要な措置を講じること。
十九介護現場における医療行為の在り方について、介護職員、介護を受ける当事者、家族及び医師、看護師等の医療関係者等の意見が反映されるような検討の場を設けること。
二十在宅療養者における介護保険及び医療保険の自己負担の上限額の在り方については、次期医療制度改革の際に結論を得ること。また、この法律の施行後三年を目途として行われる新予防給付及び地域支援事業等に係る検討を行うに際しては、新予防給付の対象者やそのプログラムの内容についても必要な検討を行うこと。
二十一認知症予防の研究の推進や対策の確立、認知症に関する国民に対する正しい知識の普及、関連領域としての高齢者のうつ対策の推進など、総合的な認知症対策を講ずること。また、認知症高齢者が、悪質な事業者等に利用されることなく、安心して介護サービスを受け、地域で暮らせるように、さらに、高齢者の虐待防止の観点からも、市町村の必須事業となった権利擁護事業の充実や、成年後見制度の活用促進が図られるように措置すること。
二十二介護サービス事業所における施設長・管理者について、就任前の研修と修了試験、就任後の定期的な研修を義務づけ、事業者指定・更新の際の要件とするよう検討すること。また、サービス提供責任者の業務内容を明確化し、必要な職業能力開発の仕組みを整備すること。
二十三市町村の保険者機能の強化及び介護給付費の適正化を一層推進するため、居宅サービスの実施状況を、保険者において国民健康保険団体連合会と連携し、より正確に把握・管理するシステムの確立を早急に図るとともに、介護費用通知の実施拡大、不正請求の防止を徹底すること。
二十四介護保険事業に従事する人材を適切に確保する観点から、社会福祉施設職員等退職手当共済制度への加入継続の努力を促すとともに、今回の改正により公的助成が廃止される施設等の制度改正後の新規採用職員について、中小企業退職金共済制度に加入する選択も可能となるよう必要な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116201030)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。