不動産登記法等の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
平成17年法律第29号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- H17.3.8趣旨説明法務委員会 4125
- H17.3.15参考人招致・質疑法務委員会 563
- H17.3.22質疑・採決・附帯決議法務委員会 6207
- H17.3.29採決・委員長報告本会議 1548
参議院法務委員会
- H17.3.31趣旨説明法務委員会 85
- H17.4.5質疑・参考人招致・参考人質疑・採決・附帯決議法務委員会 9275
- H17.4.6採決・委員長報告・附帯決議本会議 1459
提案理由
南野知惠子 法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策) 平成17年3月8日不動産登記法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を説明いたします。
この法律案は、土地の筆界の迅速かつ適正な特定を図り、筆界をめぐる紛争の解決に資するため、登記官が、土地の所有権登記名義人等の申請に基づいて筆界を特定する制度を創設するほか、司法書士及び土地家屋調査士の業務について筆界特定についての手続の代理及び民間紛争解決手続の代理に関する規定を整備する等の法整備を行うものであります。
まず、不動産登記法の改正について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、筆界の特定は、筆界特定登記官が、土地の所有権の登記名義人等の申請により、筆界調査委員の意見を踏まえて行うこととしております。
第二に、筆界調査委員は、筆界特定のために必要な事実の調査を行い、筆界特定登記官に意見を提出することを職務とし、そのために必要な専門的知識及び経験を有する者のうちから任命することとしております。
第三に、筆界特定の手続において、対象となる土地の所有権登記名義人等には、意見を述べ、資料を提出する機会が与えられることとしております。
第四に、筆界特定の手続の記録は、登記所において公開することとしております。
次に、不動産登記法の改正に伴う司法書士法及び土地家屋調査士法の改正について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、簡易裁判所における訴訟手続について代理することができる司法書士については、みずから代理人として関与している簡易裁判所における事件の上訴の提起を代理することができること、紛争の目的の価額が百四十万円を超えない民事紛争の仲裁手続について代理することができること、及び筆界特定の対象となる土地の価額に基づき法務省令で算定する額が百四十万円を超えないときは、筆界特定の手続について代理することができることとしております。
第二に、土地家屋調査士については、筆界特定の手続について代理することができること、及び所定の研修の課程を修了し、かつ、法務大臣の認定を受けた土地家屋調査士は、筆界が明らかでないことを原因とする民事紛争に係る民間紛争解決手続であって法務大臣が指定する団体が行うものについて、弁護士との共同受任を条件として、代理することができることとしております。
なお、この法律の施行に伴い、政省令の制定等所要の手続が必要となりますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第162回国会衆議院法務委員会議録第4号17頁(平成17年3月8日)〔南野知惠子法務大臣発言・発言番号121〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一新たに創設された筆界特定制度が、土地の筆界の迅速かつ適正な特定を図り、筆界をめぐる紛争の解決に一層資するとともに、広く国民等に理解され、多くの者が利用できるよう、その周知徹底に努めること。
二筆界特定制度の運用に当たっては、筆界特定が土地所有権に重大な影響を与えるものであることにかんがみ、この筆界特定を行う筆界特定登記官及び筆界調査委員等において、その能力を高め、制度の信頼性及び公正性を確保できるよう、所要の措置を講ずるとともに、従前の不動産表示登記手続に著しい変更を生じないよう、特に配慮すること。
三筆界特定制度が、より利便性の高いものとなるよう、裁判外紛争解決機関等の関係団体との効果的な連携に、十分に配慮すること。
四筆界特定制度が、登記所備付地図の整備事業の一端を担うものであることにかんがみ、その申請手数料及び手続費用の決定に当たっては、国民が利用し易いものとなるよう、公費負担も含め、十分な検討を行うこと。
五境界確定訴訟の結果を、登記事務に反映させることができるよう、境界確定訴訟と筆界特定制度との連携に、十分に配慮すること。
六筆界特定制度が、的確かつ円滑に運用されるためには、登記所備付地図の整備促進が不可欠であることにかんがみ、人的物的体制の充実強化に、なお一層努めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一筆界特定制度が、簡易迅速に土地の筆界を特定する手段であることが広く国民に理解され、活用されるよう、その意義及び内容等について周知徹底に努めること。
二筆界特定が土地所有権に事実上重大な影響を与えるものであることにかんがみ、筆界特定手続の運用に当たっては、申請人、関係人等の意見の陳述の機会を十分に付与するなど、制度の適正・公正さを確保するよう努めるとともに、従前の不動産表示登記手続に著しい変更を生じないよう、特に配慮すること。
三筆界特定制度において申請人が負担する申請手数料及び手続費用については、筆界の有する公共性にかんがみ、国民に過大な負担を強いることのないよう、公費負担を含め、十分な検討を行うこと。
四筆界特定制度が国民に利便性の高いものとなるよう、簡易裁判所における調停手続及び裁判外紛争解決手続との連携について必要な検討を行うこと。
五境界確定訴訟の結果を登記事務に反映させることができるよう、境界確定訴訟と筆界特定制度との連携を含め、十分に配慮すること。
六筆界特定制度が円滑・適正に運用されるよう、筆界特定登記官の能力の向上を図るための所要の措置を講ずるとともに、登記所備付地図の作成・整備が一層促進されるよう、人的物的体制の充実強化に、なお一層努めること。
七土地家屋調査士が民間紛争解決手続代理関係業務を行うために必要な研修については、その内容等が国民の信頼と期待に十分応えるものとなるよう、能力担保措置に万全を期すこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116201034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。