社会保険労務士法の一部を改正する法律案
衆議院 厚生労働委員会
平成17年法律第62号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院厚生労働委員会
- H17.4.5趣旨説明厚生労働委員会 118
- H17.4.7質疑・附帯決議・採決厚生労働委員会 12151
- H17.4.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 1541
衆議院厚生労働委員会
- H17.6.7趣旨説明厚生労働委員会 2576
- H17.6.8質疑・附帯決議・採決厚生労働委員会 26322
- H17.6.10委員長報告・採決・附帯決議本会議 2936
提案理由
尾辻秀久 厚生労働大臣 平成17年4月5日ただいま議題となりました社会保険労務士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
企業経営をめぐる環境変化の中で、就業形態の多様化や人事労務管理の個別化が進展していることなどを背景として、個別労働関係紛争が増加しており、このような紛争について簡易かつ迅速な解決を促進することが重要な課題となっております。
こうした状況に対応し、政府といたしましては、社会保険労務士の人事労務管理に係る専門性を活用し、個別労働関係紛争に関する裁判外紛争解決手続の利用の促進を図るため、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、社会保険労務士の行う紛争解決手続代理業務の拡大であります。
現在、社会保険労務士は、その業務として、個別労働関係紛争に関して都道府県労働局が行うあっせんの代理を行うことができることとしているところ、これに加えて、男女雇用機会均等法に基づく調停の手続、個別労働関係紛争に関して都道府県労働委員会が行うあっせんの手続及び個別労働関係紛争に関して厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続について、それぞれ代理することができることとしております。
第二に、紛争解決手続代理業務に係る研修を修了した者に対して試験を実施し、この試験に合格し、かつ、その旨の付記を受けた社会保険労務士に限り、紛争解決手続代理業務を行うことができることとしております。
第三に、社会保険労務士の労働争議への介入を禁止する規定を削除することとしております。
なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第162回国会参議院厚生労働委員会会議録第11号1頁(平成17年4月5日)〔尾辻秀久厚生労働大臣発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一個別労働関係紛争の件数が急激に増加している現状にかんがみ、紛争をもたらしている諸要因の解消を図るべく、あらゆる政策努力を尽くすこと。
二個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続を行うものを指定するに当たっては、適切な審査を行うとともに、指定後も公正かつ適正な業務が行われるよう配慮すること。
三特定社会保険労務士が人事労務管理に係る専門的知見・能力を活用しつつ、個別労働関係紛争における代理人として紛争解決手続を担うことができるよう、紛争解決手続代理業務に係る研修及び試験については、必要な知識、実務能力、職業倫理が担保されるものとすること。
四特定社会保険労務士の業務内容及び代理可能な範囲については、広報等その周知徹底に努め、国民に誤解を与えたり、混乱、不利益をもたらすことのないよう万全を期すこと。
五労働争議への介入を禁止する規定の削除が、正常な労使関係を損なうことがないよう、社会保険労務士会及び全国社会保険労務士会連合会を通じて指導すること。
六社会保険労務士の業務範囲の拡大に伴い、全国社会保険労務士会連合会において、綱紀委員会や苦情処理相談窓口の設置など、国民からの信頼に十分応え得る体制整備が図られるよう指導すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
一附則第二条に規定する検討は、平成二十一年度末までに結果が得られるよう関係審議会において行うものとすること。また、その際、雇用義務の対象に精神障害者を加えることも含めて検討を行うものとすること。
二精神障害者を実雇用率に算定するに当たって、雇用率の達成指導を引き続き厳正に行うとともに、精神障害者保健福祉手帳の取得強要及び申し出の強要など本人の意に反した雇用率制度の適用等が行われないよう、プライバシーに配慮した対象者の把握・確認の在り方について、必要な措置を講ずること。また、従来、各企業において取り組まれているメンタルヘルス対策が後退することのないよう、周知及び指導を徹底すること。
三精神障害者の雇用環境の整備を図るため、障害者本人及び企業に対する支援策の充実を図るとともに、公共職業安定所、地域障害者職業センター等の支援機関における相談・支援体制の整備に努めること。
四在宅就業支援団体の育成に努めるとともに、在宅就業支援団体の適正な業務の運営を確保するため、その登録に当たって登録要件への適合等を厳正に審査するとともに、登録後においても、業務運営基準の遵守等を徹底するための厳正な監督指導を実施するものとすること。
五障害者の職場定着を着実に進めるため、職場適応援助者(ジョブコーチ)に関する助成金の新設に当たって、企業において障害者雇用の経験を有する人材を活用する等により、質を確保しつつ必要な数の職場適応援助者の確保に努めること。
六派遣労働者としての障害者の雇用について、障害者雇用の促進を図る観点からその実情を含め検討を加え、その結果に基づいて、必要な措置を講ずるものとすること。
七障害者の働く場の一層の創出を図るため、企業内で職務を整理して仕事を分かち合うこと、工業団地や商店街のような地域において、障害者を多数雇用する企業に仕事を出し合うこと等を通じて、企業が企業内外における障害者の働く場の創出に取り組むことを推進すること。
八企業名及びその雇用率の公表を前提とした指導を強化し、雇用率制度の厳正な運用を図るとともに、そのための体制整備に努めること。特に都道府県等の教育委員会の実雇用率は、依然として法定雇用率を大きく下回る水準にとどまっており、作成した採用計画の着実な実施等、障害者の採用拡大に向けてなお一層の取組を進めるよう必要な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116201061)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。