日本郵政株式会社法案
参議院 郵政民営化に関する特別委員会
平成17年法律第98号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院郵政民営化に関する特別委員会
- H17.10.6趣旨説明郵政民営化に関する特別委員会 26
- H17.10.6趣旨説明・質疑本会議 531
- H17.10.7質疑郵政民営化に関する特別委員会 3270
- H17.10.11質疑・討論・採決郵政民営化に関する特別委員会 4143
- H17.10.11委員長報告・討論・採決本会議 647
参議院郵政民営化に関する特別委員会
- H17.10.12趣旨説明郵政民営化に関する特別委員会 28
- H17.10.12趣旨説明・質疑本会議 515
- H17.10.13質疑郵政民営化に関する特別委員会 3308
- H17.10.14質疑・討論・採決・附帯決議郵政民営化に関する特別委員会 4200
- H17.10.14委員長報告・討論・採決・附帯決議本会議 626
提案理由
竹中平蔵 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 平成17年10月6日次に、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案及び郵便局株式会社法案についてであります。
いずれの法案も会社の目的、業務の範囲等について定めるものでありますが、まず、日本郵政株式会社につきましては、第一に、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済み株式の総数を保有し、両社の経営管理を行うこと並びに両社の業務の支援を行うことを目的とすることを定めております。
第二に、政府は、常時、日本郵政株式会社の発行済み株式の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならないことを定めております。
第三に、日本郵政株式会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社が発行する株式を引き受けるとともに、両社の発行済み株式の総数を保有していなければならないこと、両社の経営の基本方針の策定及びその実施の確保並びに両社の株主としての権利の行使の業務を行うほか、その目的を達成するために必要な業務を行うことができることを定めております。
郵便事業株式会社につきましては、第一に、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むことを目的とすることを定めております。
第二に、郵便事業株式会社は、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むほか、お年玉付郵便葉書等及び寄附金付郵便葉書等の発行の業務を営むことができるとともに、これらの業務の遂行に支障のない範囲内で、これらの業務以外の業務を営むことができることを定めております。
郵便局株式会社につきましては、第一に、郵便窓口業務及び郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とすることを定めております。
第二に、郵便局株式会社は、郵便事業株式会社の委託を受けて行う郵便窓口業務及び印紙の売りさばきの業務を営むほか、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律に定められた事務に係る業務、銀行業及び生命保険業の代理業務その他の郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことができるとともに、これらの業務の遂行に支障のない範囲内で、これらの業務以外の業務を営むことができることを定めております。
第三に、郵便局株式会社は、郵便局の設置について、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならないことを定めております。
さらに、郵便事業株式会社に関し、第三種郵便物、第四種郵便物に係る業務等であって一定の要件を満たす社会貢献業務に関する規定を、郵便局株式会社に関し、地域住民の生活の安定の確保のために必要であること等の要件を満たす地域貢献業務に関する規定を、それぞれ設けることとしております。また、これらの業務の実施のため、日本郵政株式会社に社会・地域貢献基金を設け、一兆円に達するまで積み立てなければならないこととするとともに、一兆円を超えて積み立てることができること、二兆円まで積み立てる場合には、一兆円までと同じルールで積み立てなければならないこと等を定めております。
このほか、これら三会社に対する監督に関する規定その他所要の規定を設けております。
第163回国会衆議院郵政民営化に関する特別委員会議録第2号1頁(平成17年10月6日)〔竹中平蔵内閣府特命担当大臣(経済財政政策)発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一国民の貴重な財産であり、国民共有の生活インフラ、セーフティネットである郵便局ネットワークが維持されるとともに、郵便局において郵便の他、貯金、保険のサービスが確実に提供されるよう、関係法令の適切かつ確実な運用を図り、現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう、万全を期すること。簡易郵便局についても郵便局ネットワークの重要な一翼を構成するものであり、同様の考え方の下で万全の対応をすること。
二長期の代理店契約、基金の活用等により、郵便局が長年提供してきた貯金、保険のサービスが民営化後も引き続き提供されるよう配慮すること。そのため、承継計画において、郵便局株式会社と郵便貯金銀行、郵便保険会社の間で移行期間を超える長期・全国一括の代理店契約の締結を明確にすること。なお、基金についても、二兆円規模まで積み立てること。
三持株会社及び四子会社が、統合的な経営戦略に基づき、郵便局ネットワークを維持・活用できるよう、以下のとおり株式の持ち合いを認めること。 1 持株会社について、移行期が終了した後は、特殊会社としての性格を考慮しつつ経営判断により他の民間金融機関と同様な株式保有を可能とし、その結果、株式の連続的保有が生じることを妨げないこと。そのため、郵政民営化法第百六条、第百三十六条の趣旨を踏まえ、株主総会に係る株主の権利行使の基準日を適切に定款に規定すること。 2 移行期間中と言えども、郵政民営化法第百五条、第百三十五条の決定がなされた場合及び持株会社が郵便貯金銀行、郵便保険会社の全株式を処分した後は、郵便局株式会社が、特殊会社としての性格を考慮しつつ、経営判断により密接な取引関係を有する郵便貯金銀行、郵便保険会社株式を他の民間金融機関の例と同様に保有しグループとしての経営が可能であること。 3 前記1、2によりグループとして株式の連続保有が可能となっていることに加え、民営化委員会が行う三年ごとの経営形態のあり方を含めた総合的な見直しの中で必要があれば更なる措置を講ずること。 4 新たに設立される株式会社がそれぞれの経営判断により、新規事業への投資に加え、必要に応じ前記1、2、3を踏まえた適切な経営形態を採ることを可能とするため、持株会社において財務計画を定めるなど必要な措置を講ずること。
四民営化委員会が行う三年ごとの見直しには、設置基準に基づく郵便局の設置状況、金融保険サービスの提供状況を含めること。また、民営化の進捗状況及び民営化会社の経営状況を総合的に点検・見直しを行うとともに、国際的な金融市場の動向等を見極めながら、必要があれば経営形態のあり方を含めた総合的な見直しを行うこと。なお、民営化委員会の三年ごとの見直しに関する意見については、郵政民営化法第十一条第二項によって国会へ報告されることとされているが、更に、郵政民営化推進本部がその意見を受けて施策を講ずるに当たっては、国会へ報告し、その意見を十分聴取するよう求める。
五民営化後の各会社については、ロゴマークの統一、活発な人事交流等により、郵政グループとしての一体感の醸成を図り、職員のモラールの維持・向上に万全を期すること。特にロゴマークについては、国営、公社の時代を通じて長年国民に親しまれてきた貴重な財産であり、引き続き使用すること。
六郵政民営化法附則第三条の運用に当たっては、郵政民営化のための情報システムについて、万が一にもシステムリスクが顕在化し、国民生活に支障の生ずることのないよう、日本郵政公社と協力しつつ適切に対応すること。
七日本郵政公社は、民営化後の郵便貯金銀行、郵便保険会社が、預金保険機構、生命保険契約者保護機構に加入することに鑑み、民営化までに郵便貯金の限度額、簡易保険の保険金額の管理や口座の管理の徹底を含めコンプライアンス面での態勢を確立すること。
八移行期間における業務範囲の段階的拡大を的確かつ円滑に実現するため、経営委員会(準備企画会社)及び民営化委員会を準備期間内のできるだけ早い時期に設置し、関係会社及び関係行政機関で予め先行的に検討と準備を進めること。なお、経営委員会(準備企画会社)と日本郵政公社が一体となって円滑に民営化の準備を進められるよう配慮すること。
九民営化委員会の運営については、透明性の高いルールの下、積極的な情報公開に努めること。また、民営化委員会の人選については、広く国民各層の声を反映できるよう公平・中立を旨とすること。
十毎年巨額の国債を発行しているわが国の財政体質を早急に改善するとともに、それまでの間、郵政民営化法第百六十二条の適切な運用により国債の消化に支障を生ずることのないよう対応すること。
十一職員が安心して働ける環境づくりについて、以下の点にきめ細やかな配慮をするなど適切に対応すること。 1 現行の労働条件及び処遇が将来的にも低下することなく職員の勤労意欲が高まるよう十分配慮すること。 2 民営化後の職員の雇用安定化に万全を期すること。 3 民営化の円滑な実施のため、計画の段階から労使交渉が支障なく行われること。 4 労使交渉の結果が誠実に実施されること。 5 新会社間の人事交流が円滑に行われること。
十二民営化後においても良好な労使関係の維持に努めるとともに、万一、労働争議が発生した場合にも特別送達等の公的サービスはしっかり担保されるよう、万全の体制を構築すること。
十三特定郵便局の局舎の賃貸借契約の期間については、業務基盤の安定性を確保する観点から、民間における契約の状況を参考としつつ、長期の契約とするなど、適切な対応を行うこと。また、特定郵便局の局舎の賃貸借料は、現在、適切な算出基準に基づいて算出されているところであり、民営化後も引き続き適切な算出基準に基づく賃貸借料を維持すること。
十四商法等の規定を活用し、敵対的買収に対する適切な防衛策を措置すること。
十五税制等に関し、以下の点について十分配慮すること。 1 税制については、民営化に伴う激変緩和の必要性の有無、四分社化、基金の設置など郵政民営化に特別な論点を踏まえつつ、消費税の減免などを含め関係税制について所要の検討を行うこと。 2 郵政民営化により法人税等の税収が増加することを踏まえ、過疎対策や高齢者対策の充実を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116301002)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。