原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 文教科学委員会
平成21年法律第19号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
塩谷立 文部科学大臣 平成21年3月25日このたび、政府から提出いたしました原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
原子力の開発利用を進めるに当たっては、安全の確保を図ることが大前提でありますが、さらに万が一の際における損害賠償制度を充実し、被害者の保護と原子力事業の健全な発達に資することが必要であります。
このような観点から、原子力損害の賠償責任を無過失責任とし、原子力事業者への賠償責任の集中、損害賠償措置の義務づけ等から成る原子力損害賠償制度が、我が国における原子力の本格的な導入に合わせて昭和三十六年に整備され、その後の諸情勢の変化に対応して所要の法改正が行われてまいりました。
原子力損害賠償補償契約の締結及び原子力事業者が賠償すべき額が賠償措置額を超える場合における政府の援助に係る規定が適用される期限が平成二十一年十二月三十一日までとなっておりますが、今後とも新たな原子力事業が予定されており、その期限の延長を確実に行うことが必要であります。
また、前回改正時以降、平成十一年九月三十日に我が国唯一の原子力損害の賠償事例となった、株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における臨界事故が発生いたしましたが、その際の経験を教訓とするとともに、近年の原子力損害賠償に関する国際動向等を踏まえ、原子力損害賠償制度の見直しを適切に行うことが必要であります。
この法律案は、このような観点から、原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律について所要の改正を行おうとするものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、原子力事業者が原子力損害の賠償に備えあらかじめ講ずべき損害賠償措置に係る賠償措置額について、現行の六百億円から千二百億円に引き上げることとしております。
第二に、原子力損害賠償補償契約の締結及び原子力事業者が賠償すべき額が賠償措置額を超える場合における政府の援助に係る期限を延長し、平成三十一年十二月三十一日までに開始された原子炉の運転等に係る原子力損害について、これらを行うことができることとしております。
第三に、原子力損害賠償紛争審査会は、原子力損害の賠償に関する紛争について、原子力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針を定めることができることとするものであります。
第四に、政府は、原子力損害賠償補償契約に基づく業務の一部を損害保険会社等に委託することができることとするものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第171回国会衆議院文部科学委員会議録第4号20頁(平成21年3月25日)〔塩谷立文部科学大臣発言・発言番号150〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一賠償措置額については、国際水準等を勘案した適正な額となるよう、遅滞なくその引上げに努めること。
二原子力損害賠償制度については、被害者保護の充実と原子力事業の健全な発達に資するよう、諸外国の例を参考にしつつ、賠償措置額を超える原子力損害が発生した場合の賠償資金の確保や原子力損害賠償補償契約の補償料に関し、その在り方を検討すること。
三国際的な原子力損害賠償の枠組みへの加盟については、我が国及び近隣諸国における原子力損害賠償制度の実情と国際的な動向等に十分配慮し、今後も多角的に検討を進めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117101022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。