廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 環境委員会
平成22年法律第34号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
小沢鋭仁 環境大臣 平成22年4月9日ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律につきましては、これまで不適正処理対策を内容とする規制の強化を行ってきたところですが、巧妙かつ悪質な不適正処理は依然として後を絶たず、また、廃棄物処理に対する不信感から廃棄物処理施設の立地が進まないといった悪循環が依然として根強く残っています。一方で、廃棄物の再生利用が進んできているものの、排出抑制や焼却する際の熱回収は不十分な状況にあります。不適正処理の悪循環を早急に断ち切ることにより、廃棄物処理に対する国民の信頼を回復しつつ、長期的な廃棄物の適正処理体制を構築することは、循環型社会づくりを進める上で不可欠です。これらの課題に対処するため、本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、廃棄物を排出する事業者による適正な処理を確保するための対策の強化についてであります。
排出事業者による不適正保管を未然に防止するため、産業廃棄物を排出する事業者は、事業場の外において当該産業廃棄物の保管を行おうとするときは、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならないこととしております。また、不法投棄の件数で約七割、量では約九割を占める建設系廃棄物について、事業形態が重層化、複雑化し、処理責任の所在が不明確になっている建設業の実態にかんがみ、元請業者を一元的に排出事業者とすることとしております。
第二に、廃棄物処理施設の維持管理対策の強化についてであります。
廃棄物処理施設の適正な維持管理を確保し施設に対する住民の信頼を醸成するため、廃棄物処理施設に対し、都道府県知事の定期検査、及び施設の維持管理情報についてインターネット等による公表を義務づけることとしております。また、許可を取り消された最終処分場について、その許可を取り消された者に対し引き続き維持管理を義務づけるとともに、当該維持管理を行う者及び維持管理の代執行を行った都道府県知事は、その最終処分場に係る維持管理積立金を取り戻すことができることとしております。
第三に、不法投棄等に対する罰則の強化についてであります。
不法投棄等の不適正処理の未然防止と被害の拡大防止を図るため、法人の従業員等が不法投棄等を行った場合の法人に対する罰則を三億円以下の罰金に引き上げるとともに、立入検査の対象を土地所有者その他の関係者、車両その他の場所にまで、措置命令の対象を基準に違反した収集運搬、保管にまで、それぞれ拡大することとしております。
第四に、廃棄物処理業の優良化の推進についてであります。
産業廃棄物処理業者の優良化を促進するため、その許可の更新期間について、許可を受けた者の事業の実施能力及び実績を勘案したものとすることができることとしております。また、廃棄物処理業等の許可の欠格要件について、廃棄物処理業者等が特に悪質な違反を犯して許可を取り消された場合を除き、その役員が役員を兼務する他の廃棄物処理業者等に許可の取り消しが連鎖しないよう措置することとしております。
第五に、適正な循環的利用の確保についてであります。
廃棄物焼却時の熱利用を促進するため、廃棄物の焼却時に一定基準以上の熱回収を行う者についての認定制度を設けることとしております。また、発展途上国では適正処理が困難であるが我が国では処理可能な廃棄物の輸入を可能とするため、輸入をすることができる者に、国内で処理することに相当の理由があると認められる国外廃棄物を委託して処分しようとする者を追加することとしております。
以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
以上です。
第174回国会衆議院環境委員会議録第7号1頁(平成22年4月9日)〔小沢鋭仁環境大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一排出事業者責任の在り方については、不適正処理の状況を踏まえ、今後とも責任の強化・徹底の観点から適宜必要な見直しを行うこと。特に、建設系廃棄物に係る排出事業者の元請業者への一元化については、都道府県及び関係業界との連携の下、その周知徹底を図るとともに不適正処理の防止に努めること。
二優良な産業廃棄物処理業者の許可の有効期間に係る特例については、許可期間をめぐって都道府県、排出事業者及び処理業者の間で混乱が生じないよう適切に対処すること。また、処理業者の優良化がより一層図られるよう、優良化の認定やインセンティブ等の在り方について引き続き検討すること。
三電子マニフェストについては、その普及拡大のため、特に処理業者の加入を促進するとともに、産業廃棄物の排出量、受託件数等に応じて、一定規模以上の排出事業者や処理業者への義務付けを検討すること。
四廃棄物分野における温室効果ガスの排出量は増加傾向にあることから、廃棄物の焼却時のサーマルリサイクルを積極的に進めるとともに、収集運搬の効率化やバイオマスの利活用、施設の更新等、廃棄物分野における温暖化対策を総合的に進めること。
五廃棄物の定義、一般廃棄物と産業廃棄物の区分、拡大生産者責任の強化等、廃棄物処理法において従来より課題とされている事項について今後とも検討すること。また、廃棄物の適正処理のみでは持続可能な循環型社会の実現は困難なことから、総合的な見地から、廃棄物・リサイクル制度の在り方について、関係省庁一体となって検討を行うこと。
六放射性廃棄物に起因する放射性物質による環境汚染が懸念されることから、放射性廃棄物が廃棄物等のリサイクルや処分において非意図的に混入し、汚染が拡散することのないよう対策に努めること。
七希少な資源の有効利用を図るため、廃小型電子・電気機器等からのレアメタルの効率的な回収について検討を行うとともに、資源戦略の観点から、低未利用の希少資源に係る回収・活用の技術開発について積極的に取り組むこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117401043)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。