特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案
参議院 厚生労働委員会
平成23年法律第126号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H23.11.30趣旨説明厚生労働委員会 4191
- H23.12.2参考人招致・質疑・修正案趣旨説明・内閣意見聴取・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 5166
- H23.12.2委員長報告・採決(修正)本会議 1412
参議院厚生労働委員会
- H23.12.6趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明厚生労働委員会 4194
- H23.12.8質疑・修正案趣旨説明・内閣意見聴取・討論・採決・附帯決議・修正案厚生労働委員会 5182
- H23.12.9委員長報告・採決本会議 1277
提案理由
小宮山洋子 厚生労働大臣 平成23年11月30日ただいま議題となりました特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案について、その提案の理由と内容の概要を説明いたします。
B型肝炎訴訟については、平成十八年の最高裁判所判決で、集団予防接種等の際の注射器の連続使用によるB型肝炎ウイルスへの感染について国の責任が認められた後、全国各地で同様の訴訟が提起されましたが、裁判所の仲介のもとで和解協議を進めた結果、平成二十三年六月二十八日、国と原告との間で基本的な合意がなされました。
この問題は、かつて例のない非常に大きな広がりを持つものであり、長期にわたって責任ある対応をとる必要があるとの認識から、現在訴訟を提起されている方々だけでなく、今後提訴される方々への対応も含めた全体の解決を図るため、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
第一に、この法律は、集団予防接種等の際の注射器の連続使用により多数の方々にB型肝炎ウイルスの感染被害が生じ、かつ、その感染被害が未曾有のものであることから、特定B型肝炎ウイルス感染者とその相続人に対し、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等を支給するための措置を講じることにより、この感染被害の迅速で全体的な解決を図ることを目的としています。
第二に、確定判決または和解もしくは調停で、集団予防接種等の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染したことを証明された方々とその相続人に対し、その病態等に応じた額の特定B型肝炎ウイルス感染者給付金を支給することにしています。
この給付金については、早期にこの問題を解決するため、提訴を促す観点から、五年の請求期限を設けることにしています。
また、この給付金の支給を受ける方に対しては、訴訟等に係る弁護士への報酬と特定B型肝炎ウイルス感染者であることを確認するための検査費用について訴訟手当金を支給することにし、その後病態が進展した場合には追加給付金を支給することにしています。
第三に、確定判決等で集団予防接種等の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染したことを証明された方々のうち、まだ症状が出ていない方に対し、検査等に係る一部負担金相当等を支給する定期検査費、母子感染防止医療費、世帯内感染防止医療費、定期検査手当の支給を行うことにしています。
なお、この法律による給付の内容は、国と原告との間で結ばれた基本合意書の内容に基づき定めたものです。
第四に、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する業務は、社会保険診療報酬支払基金が行うことにし、支払基金は、給付金等支給関係業務に要する費用に充てるため、基金を設けることにしています。
また、政府は、支払基金に対し、給付金等支給関係業務に要する費用に充てるための資金を交付することにしています。
第五に、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の請求期限や、その支給に必要な財源については、この法律の施行後五年を目途に給付金等の支給の請求の状況を勘案し、検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じることにしています。
最後に、政府は、平成二十四年度から平成二十八年度までの各年度に支払基金に対して交付する資金については、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律の施行により一般会計の中で増加する所得税の収入の一部を活用して、確保することにしています。
なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することにしていますが、支払基金の給付金等支給関係業務等については、公布の日から施行することにしています。
以上が、この法律案の提案理由とその内容の概要です。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
第179回国会衆議院厚生労働委員会議録第4号22頁(平成23年11月30日)〔小宮山洋子厚生労働大臣発言・発言番号187〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一不法行為の損害賠償請求権は、不法行為の時から二十年を経過すると消滅するが、そのような除斥期間を経過した集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者に対しても、真摯に対応すること。また、今後、除斥期間を経過した肝硬変、肝がんの患者等の感染被害者が提訴した場合には、基本合意書の趣旨、本委員会における厚生労働大臣の答弁等に照らし、裁判所の仲介の下で、誠実に協議するよう努めること。
二適正かつ迅速な和解の実現のため、厚生労働省における和解手続が迅速に行われるように、必要な人員の確保をはじめ、事務処理体制の整備に努めること。また、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給関係業務が迅速かつ円滑に行われるように、社会保険診療報酬支払基金の事務処理体制の整備を図ること。
三感染被害者を含む肝炎患者等が、不当な偏見・差別を受けることなく安心して暮らせるように、集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者が相当数に及んでいることを含む情報の提供、ウイルス性肝炎に関する正しい知識の普及など、国民に対する広報・啓発に努めること。
四集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者の救済手続に関する国民への周知、集団予防接種等の際の注射器の連続使用を含む様々な感染可能性を明示した上での肝炎ウイルス検査の勧奨、肝炎医療の提供体制の整備、肝炎医療に係る研究の推進、医療費助成等、全ての肝炎ウイルス感染者に対し、必要な恒久対策を引き続き講ずるよう努めるとともに、とりわけ肝硬変及び肝がんの患者に対する医療費助成を含む支援の在り方について検討を進めること。
五給付金等の支給を円滑かつ確実に行うため、必要な安定的な財源を確保し、毎年度、所要の予算を計上すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一不法行為の損害賠償請求権は、不法行為の時から二十年を経過すると消滅するが、そのような除斥期間を経過した集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者に対しても、真摯に対応すること。また、今後、除斥期間を経過した肝硬変、肝がんの患者等の感染被害者が提訴した場合には、基本合意書の趣旨、本委員会における厚生労働大臣の答弁等に照らし、裁判所の仲介の下で、誠実に協議するよう努めること。
二適正かつ迅速な和解の実現のため、厚生労働省における和解手続が迅速に行われるように、必要な人員の確保・拡充をはじめ、事務処理体制の整備に努めること。また、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給関係業務が迅速かつ円滑に行われるように、社会保険診療報酬支払基金の事務処理体制の整備を図ること。
三感染被害者を含む肝炎患者等が、不当な偏見・差別を受けることなく安心して暮らせるように、集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者が相当数に及んでいることを含む情報の提供、ウイルス性肝炎に関する正しい知識の普及など、国民に対する広報・啓発に努めること。
四集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者の救済手続に関する国民への周知、集団予防接種等の際の注射器の連続使用を含む様々な感染可能性を明示した上での肝炎ウイルス検査の勧奨、肝炎医療の提供体制の整備、肝炎医療に係る研究の推進、医療費助成等、全ての肝炎ウイルス感染者に対し、必要な恒久対策を引き続き講ずるよう努めるとともに、とりわけ肝硬変及び肝がんの患者に対する医療費助成を含む支援の在り方について検討を進めること。
五給付金等の支給を円滑かつ確実に行うため、必要な安定的な財源を確保し、毎年度、所要の予算を計上すること。
六予防接種における注射筒の使用に関する厚生省の通知が昭和六十三年まで遅れたことに鑑み、今回の事故の検証を通じて、最新の保健医療上の知見が速やかに医療現場への情報提供及び指導につながるよう体制整備を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117901005)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。