公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 文教科学委員会
平成25年法律第90号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部科学委員会
- H25.11.1趣旨説明文部科学委員会 2167
- H25.11.6質疑文部科学委員会 3327
- H25.11.8参考人招致・参考人質疑文部科学委員会 4131
- H25.11.13質疑・討論・採決・附帯決議文部科学委員会 5165
- H25.11.15委員長報告・採決本会議 1025
参議院文教科学委員会
- H25.11.20趣旨説明・質疑本会議 858
- H25.11.21趣旨説明文教科学委員会 37
- H25.11.26質疑・討論・採決・附帯決議文教科学委員会 4220
- H25.11.27委員長報告・討論・採決本会議 1065
提案理由
下村博文 文部科学大臣 平成25年11月1日このたび、政府から提出いたしました公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現在の法律は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与することを目的として、平成二十二年に制定されたものでありますが、その施行後においても、低所得世帯の生徒について高等学校教育に係る経済的負担が十分に軽減されておらず、特に、私立高等学校の低所得世帯の生徒には、授業料を中心に依然として負担が大きい状況にあります。
このため、低所得世帯の生徒に対する一層の支援と公私間の教育費格差の是正を図る必要がありますが、厳しい財政状況のもと、そのための財源を捻出するためには、限られた財源を有効活用する観点から、高等学校等就学支援金の支給に所得制限を設けることが必要であります。
この法律案は、このような観点から、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を適正に行うため、高等学校等就学支援金の支給について、所得制限を行う等の必要な見直しを行うものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、公立高等学校に係る授業料の不徴収制度を廃止し、私立高等学校の生徒と同様に、公立高等学校の生徒についても高等学校等就学支援金の支給の対象とすることとしております。
第二に、保護者等の収入の状況に照らして、高等学校等就学支援金の支給により保護者等の経済的負担を軽減する必要があるとは認められない生徒については、高等学校等就学支援金を支給しないこととしております。
第三に、この法律案の施行前から引き続き高等学校等に在学している生徒については、従前の制度を適用するなど、必要な経過措置を設けることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第185回国会衆議院文部科学委員会議録第2号25頁(平成25年11月1日)〔下村博文文部科学大臣発言・発言番号163〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一本法施行後三年を経過した後、低所得世帯への支援の拡充の状況及び公私間の教育費負担の格差是正の状況等を勘案しつつ、教育の機会均等を図る観点から、政策の効果を検証した上で、必要な措置を講ずるものとすること。
二就学支援金の受給資格の認定に当たっては、本来就学支援金の支給対象となる者が漏れないよう十分配慮すること。
三本制度の趣旨・内容について、関係者に対する周知・説明を十分に行い、特に、進路選択の時期に当たる中学三年生の生徒及び保護者に対し、特段の配慮を行うこと。
四就学支援金の受給資格の認定に当たっては、家庭環境等も考慮し、教育費を支出することが困難な者に特段の配慮を行うこと。また、急な家計変動が生じた者に対し特段の配慮を行うこと。
五就学支援金の受給資格の認定に当たっては、プライバシーに関して十分配慮すること。
六就学支援金の受給資格の認定に当たっては、自治体や学校現場に相応の事務量が発生することに鑑み、そのための条件整備に努めること。
七教育は未来への投資であることに鑑み、就学支援金については、将来的に所得制限を行うことなく、全ての生徒に支給することができるよう必要な予算の確保に努めること。また、引き続き教育費負担の軽減を図るとともに、一層の教育予算の拡充に努めること。
八所得制限を導入することにより捻出される財源によって創設される予定の奨学のための給付金など高校生世帯の教育費負担軽減施策については、その確実かつ継続的な実施を図るため、平成二十六年度予算の編成を通じ、最大限努力すること。
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一本法の施行から三年を経過した後、学校現場や地方公共団体等に対する本制度の影響、低所得世帯への経済的支援の拡充や公私間の教育費負担格差是正の状況等、本制度の具体的効果や影響を様々な角度から検証した上で、全ての子どもたちに教育の機会均等を確保する観点から、速やかに必要な措置を講ずるものとすること。
二本制度の趣旨・内容及び就学支援金支給に係る具体的要件・手続について、当事者・関係者に対する周知・説明を十分に行うこと。特に、進路選択の時期に当たる中学三年生の生徒及び保護者が、制度変更等の影響により、進路の変更や断念を迫られることのないよう、特段の配慮を行うこと。
三就学支援金の受給資格の認定に当たっては、本来就学支援金の受給権を持つ生徒等が支給から漏れることのないよう十分な対策を講ずること。特に、家庭環境等の実情にも十分考慮し、教育費を支出することが困難な生徒等に対しては別途、特段の配慮を行うこと。
四受給資格認定のための申請の取扱いについては、その過程における生徒等のプライバシーや個人情報の保護・管理に関して十分な対策を講ずるとともに、学校現場で生徒等が分断・差別されたり、いわゆる「スティグマ」に悩まされることのないよう十分な配慮を行うこと。また、その事務処理等のために地方公共団体や学校現場に相当の事務量が発生することに鑑み、要員の確保や様々な財政措置等を行うことにより、その負担軽減に努めること。
五急な家計変動が生じた生徒等に対しては、授業料減免の早急な実施等により、就学支援金の支給や加算が開始されるまでの接続を確保するなど、教育の継続に支障がないよう特段の配慮を行うこと。
六高等学校等の中途退学後の再入学など、やむを得ない理由により修業年限を超えて在学している生徒等に対する授業料徴収に関しては、教育的な配慮を十分に行うこと。特に、定時制・通信制の高等学校については、様々な事情を抱えている生徒が多いことに鑑み、特段の配慮を行うこと。
七教育は未来への投資であることに鑑み、就学支援金については、将来的に所得制限を行うことなく、全ての生徒等に支給することができるよう必要な予算の確保に努めること。また、引き続き教育費負担の軽減を図るとともに、一層の教育予算の拡充に努めること。
八所得制限の導入により捻出される財源については、公私間格差の縮減や、奨学のための給付金の創設など教育費負担軽減施策に確実に用いること。そのために、平成二十六年度予算はもとより、今後の予算編成を通じて最大限の努力を行うとともに、その財源が地方公共団体によって確実かつ継続的に就学支援の拡充のために使われるよう、強く要請し、毎年その状況について調査・確認を行うこと。
九国際人権A規約における中等教育の漸進的無償化条項の趣旨を踏まえ、後期中等教育の無償化を早期に実現するよう最大限努力すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118501007)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。