特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
平成25年法律第83号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- H25.11.5趣旨説明国土交通委員会 210
- H25.11.6質疑国土交通委員会 385
- H25.11.8質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 488
- H25.11.8委員長報告・採決本会議 977
参議院国土交通委員会
- H25.11.14趣旨説明国土交通委員会 55
- H25.11.19質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 6115
- H25.11.20委員長報告・採決本会議 858
提案理由
金子一義 議員(発議者) 平成25年11月5日ただいま議題となりました特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
タクシーは地域公共交通として重要な役割を担っていますが、一般乗用旅客自動車運送事業では供給過剰が発生しやすく、一旦発生すると、運転者の賃金の減少などの労働条件の悪化に直結し、安全性やサービスの質などの低下をもたらします。
このため、供給過剰地域で、供給過剰を効果的に解消するとともに、運転者の労働条件の改善やタクシーのサービス水準の向上などを実現し、利用者にとってさらに安全で、安心して利用できる公共交通機関として進化させるために、本法案を提出した次第であります。
次に、本法案の主な内容を御説明申し上げます。
第一に、国土交通大臣は、供給過剰であるなどの要件を満たす地域を特定地域として指定することができることとし、一般乗用旅客自動車運送事業の新規事業許可及び供給輸送力を増加させる事業計画の変更を禁止することとしております。また、協議会は、当該事業の適正化及び活性化を推進しようとするときは、特定地域計画を作成し、国土交通大臣の認可を受けなければならないこととし、認可を受けた特定地域計画について独占禁止法の適用を除外することにより、供給輸送力の削減等を促すこととしております。さらに、供給輸送力を削減しない事業者に対して、国土交通大臣が、営業方法の制限に係る勧告及び命令を行うことができることとしております。
第二に、国土交通大臣は、供給過剰となるおそれがあるなどの要件を満たす地域を準特定地域として指定することができることとし、一般乗用旅客自動車運送事業の新規事業許可基準及び供給輸送力を増加させる事業計画の変更の認可基準を厳格化することとしております。また、準特定地域計画制度及び活性化事業計画の認定制度を設け、一般乗用旅客自動車運送事業の活性化を推進することとしております。
第三に、特定地域及び準特定地域においては、国土交通大臣が運賃の範囲を指定し、一般乗用旅客自動車運送事業者は、その範囲内で運賃を届け出ることとしております。国土交通大臣は、運賃が当該運賃の範囲内にないときは、運賃の変更を命ずることができることとしております。
第四に、タクシーの運転者登録制度を全国に拡大することとし、指定地域における登録について、一定の経歴または試験の合格を要件としております。また、指定地域等は、国土交通大臣が指定することとしております。
第五に、一般旅客自動車運送事業者に、運転者の過労運転防止に必要な措置を講ずることを義務づけることとしております。
第六に、国土交通大臣は、旅客自動車運送事業者に対する指導事業を行う旅客自動車運送適正化事業実施機関を指定することができることとしております。
そのほか、経過措置等所要の措置について定めることとしております。
以上が、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の趣旨及び概要であります。
何とぞ各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
第185回国会衆議院国土交通委員会議録第2号1頁(平成25年11月5日)〔金子一義議員発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一一般乗用旅客自動車運送事業が地域の公共交通機関として重要な役割を担っていることを関係者は認識し、高齢者、妊婦、障害者、訪日外国人等の幅広いニーズに的確に応えるとともに、創意工夫を凝らしてサービスの高度化や高質化に積極的に取り組むことにより、需要の拡大を図ること。
二特定地域の指定については、その法的効果に鑑み厳格に行うこととし、現行特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づく特定地域に係る指定基準より厳しい客観的な基準を設定した上で、適切に運用すること。また、特定地域について指定事由がなくなったと認めるときは、すみやかに指定を解除すること。
三特定地域において設立される協議会に対し、特定地域の早期解除を図る観点からも積極的に活性化による需要の拡大に取り組むよう、適切に指導すること。
四特定地域の協議会における特定地域計画の作成に際しての協議会としての合意の要件として、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシー事業者のカテゴリー毎に車両台数シェアを等しくした基準を設定することとし、これを周知・指導すること。
五特定地域計画に記載する削減すべき供給輸送力、供給輸送力の削減の方法等については、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシー事業者のカテゴリーに応じて、一律ではない削減率による減車(地域毎に設定されている最低車両数を下回らない台数までとする。)や営業方法の制限を柔軟に行うことができることとし、参考となる具体的パターンを示すなどの方法によりこれを周知・指導すること。
六五のカテゴリーに応じて設定される削減率については、あらかじめ協議会で合意した基準により加減等の調整もできることとし、これを周知・指導すること。
七準特定地域における増車に係る事業計画変更の認可について、事業者の一台当たり増収実績(特定地域として指定されていた直近の期間に係るものも含む。)、雇用する運転者の賃金増の実績等をその基準として設定し、適切に運用すること。
八国土交通省は、公正取引委員会の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律についての見解に基づき、改正後の特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づく行為として、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上何が問題とならないとされるのか、また、何が問題となるのかについて明確となるよう、文書により周知を図ること。
九国土交通省は、地方運輸局長が特定地域及び準特定地域における協議会の構成員ではなくなることを踏まえ、協議会における協議や検討に必要な各種データの提供をはじめ、協議会の円滑な運営のために必要な支援を適時適切に行うこと。
十国土交通大臣が指定する運賃の範囲については、利用者利便の確保の観点を十分に踏まえて、能率的な経営を行う標準的な事業者における適正な原価に適正な利潤を加えることにより設定することとし、安易な値上げが行われないよう指定に取り組むこと。
十一特定地域及び準特定地域以外の地域で適用される自動認可運賃について、その幅を従前通り維持するとともに、引き続き個別の申請に対する審査を厳格に行うこと。
十二国土交通省及び厚生労働省は、累進歩合制の廃止について改善指導に努めること。また、労使双方に対し、本法の趣旨を踏まえた真摯な対応を行うよう促すとともに、取組状況を把握し助言等必要な支援を行うこと。
十三一般乗用旅客自動車運送事業者は、歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、累進歩合制の廃止、事業に要する経費を運転者に負担させる慣行の見直し等賃金制度等の改善等に努めるとともに、運行の安全を確保し、拘束時間外に運転代行業務に従事すること等により安全な運転をすることができない運転者を乗務させることがないよう万全を期すること。
十四国土交通省は、運転代行業者による場合も含め、いわゆる白タク行為が行われることがないよう、関係機関と連携して監視・取締りの強化を図ること。
十五本法の施行後も、個人タクシー事業者による事業の譲渡・譲受が円滑に行われるよう、譲受しようとする者に対する試験制度等の運用改善に取り組むこと。
十六本法の施行後における施行の状況や効果について、三年毎に総合的に検証を行い、その結果を両院に報告すること。
十七国土交通省は、本法の施行の状況等を検証し、関係法令に基づく諸施策について不断に検討を行うこと。
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一一般乗用旅客自動車運送事業が地域の公共交通機関として重要な役割を担っていることを関係者は認識し、運転者登録制度の拡充や旅客自動車運送適正化事業実施機関制度の導入等が行われることを踏まえ、引き続き運行の安全を徹底するとともに、サービスの高度化や高質化に積極的に取り組むことを通じてサービス面での競争を活発に行い、利用者利便の一層の向上が図られるようにすること。
二特定地域の指定については、その法的効果に鑑み厳格に行うこととし、現行特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づく特定地域に係る指定基準より厳しい客観的な基準を設定した上で、適切に運用すること。
三特定地域の協議会における特定地域計画の作成に際しての協議会としての合意の要件として、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシー事業者のカテゴリー毎に車両台数シェアを等しくした基準を設定することとし、これを周知・指導すること。
四特定地域計画に記載する削減すべき供給輸送力、供給輸送力の削減の方法等については、保有車両数の規模による法人事業者の区分や個人タクシー事業者のカテゴリーに応じて、一律ではない削減率による減車(地域毎に設定されている最低車両数を下回らない台数までとする。)や営業方法の制限を柔軟に行うことができることとし、参考となる具体的パターンを示すなどの方法によりこれを周知・指導すること。また、設定される削減率については、あらかじめ協議会で合意した基準により加減等の調整もできることとし、これを周知・指導すること。
五準特定地域における増車に係る事業計画変更の認定について、事業者の一台当たり増収実績(特定地域として指定されていた直近の期間に係るものも含む。)、雇用する運転者の賃金増の実績等をその基準として設定し、適切に運用すること。
六国土交通省は、公正取引委員会の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律についての見解に基づき、改正後の特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法に基づく行為として、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律上何が問題とならないとされるのか、また、何が問題となるのかについて明確となるよう、文書により周知を図ること。
七国土交通大臣が指定する運賃の範囲については、利用者利便の確保の観点を十分に踏まえて、安易な値上げが行われないよう指定に取り組むこと。
八国土交通省及び厚生労働省は、累進歩合制の廃止について改善指導に努めること。また、労使双方に対し、本法の趣旨を踏まえた真摯な対応を行うよう促すとともに、取組状況を把握し助言等必要な支援を行うこと。
九一般乗用旅客自動車運送事業者は、歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、累進歩合制の廃止、事業に要する経費を運転者に負担させる慣行の見直し、過度な遠距離割引運賃の是正等賃金制度等の改善等に努めるとともに、運行の安全を確保し、拘束時間外に運転代行業務に従事すること等により安全な運転をすることができない運転者を乗務させることがないよう万全を期すること。
十国土交通省は、運転代行業者による場合も含め、いわゆる白タク行為が行われることがないよう、関係機関と連携して監視・取締りの強化を図ること。
十一本法の施行後も、個人タクシー事業者による事業の譲渡・譲受が円滑に行われるよう、譲受しようとする者に対する試験制度等の運用改善に取り組むこと。
十二旅客自動車運送適正化事業実施機関による事業の推進に当たっては、その周知を図るとともに、適正化事業が的確に行われ、旅客からの旅客自動車運送事業に関する苦情の解決が迅速になされるよう、適切な支援等に努めること。
十三本法の趣旨を踏まえ、タクシーの供給過剰対策、運転者の健康を守る観点等からの過労運転防止対策などの推進を図るため、関係省庁連携の下、監査指導体制の充実強化に努めること。
十四本法の施行後における施行の状況や効果について、三年毎に総合的に検証を行い、その結果を本院に報告すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118502002)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。