TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第186回国会›閣法第37号
閣法第186回国会 第37号成立

原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案

平成26年法律第40号 原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律
提出平成26年2月28日 内閣
付託衆議院 経済産業委員会
参議院 経済産業委員会
成立
平成26年法律第40号
審議会議 10回・発言 1,267(政府答弁等 406)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院経済産業委員会

  1. H26.4.4趣旨説明経済産業委員会 7155
  2. H26.4.9質疑経済産業委員会 8355
  3. H26.4.11参考人招致・参考人質疑・質疑経済産業委員会 9197
  4. H26.4.16質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 10291
  5. H26.4.17委員長報告・採決本会議 1922

参議院経済産業委員会

  1. H26.4.18趣旨説明・質疑本会議 1841
  2. H26.4.22趣旨説明・質疑経済産業委員会 10202
  3. H26.4.24参考人招致・参考人質疑経済産業委員会 1187
  4. H26.5.13質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 1293
  5. H26.5.14委員長報告・採決本会議 2149

提案理由

茂木敏充 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構) 平成26年4月4日

原子力損害賠償支援機構法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故炉について、溶融燃料の取り出しや汚染水の処理など、その廃炉に向けた取り組みは、完了までに長い期間を要する極めて困難な事業であることから、国内外の英知を結集し、予防的かつ重層的に取り組みを進めることが必要であります。

 具体的には、東電任せにするのではなく、国が前面に出て、汚染水の処理を含めた廃炉に関する研究開発、技術的指導や、必要な監視機能を強化する新たな体制の構築に取り組む必要があります。その際、廃炉と賠償の関連性も考慮し、東電に対して賠償円滑化のための資金援助を行い、その経営全体を監督している原子力損害賠償支援機構が、福島第一原発の廃炉に関する技術支援等を総合的に行うことが適切です。このため、原子力損害賠償支援機構を改組して事故炉の廃炉関係業務を追加すること等により、福島第一原発の廃炉を着実に進める体制を構築することを目的として、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、廃炉関係業務の追加に伴い、組織の名称を原子力損害賠償・廃炉等支援機構に変更し、機構の目的に廃炉等の適正かつ着実な実施を追加します。また、事故炉の廃炉に関する重要事項を審議するため、機構に廃炉等技術委員会を設置します。

 第二に、事故炉の廃炉に関する研究開発を着実に推進するため、機構の業務に廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発を追加します。

 第三に、機構が、事故炉の廃炉の状況、課題を把握し、技術的観点から適切な助言、指導等を行えるよう、業務に廃炉等の適正かつ着実な実施の確保のための助言、指導、勧告を追加します。

 第四に、事故炉の廃炉に関する資金、人員等を十分に確保する観点から、事業者の廃炉の実施状況や実施体制等について、主務大臣による確認、監視を確保し、不十分な場合には是正命令を行えるよう、機構が東電と共同して作成する特別事業計画の記載事項に、事故炉の廃炉の実施状況や実施体制等に係る事項を追加します。また、毎事業年度、機構が主務大臣に対して廃炉業務の報告を行い、それを主務大臣が公表する規定を追加します。

 その他、廃炉業務を通じて得られた最新技術等の知見、情報を国内外へ提供する業務を追加する等、所要の規定を整備いたします。

 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

第186回国会衆議院経済産業委員会議録第7号24頁(平成26年4月4日)〔茂木敏充経済産業大臣発言・発言番号151〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 経済産業委員会平成26年4月16日

政府は、本法の施行に当たり、以下の点に留意すること。

一原子力損害賠償支援機構法制定時に国会修正によって追加された、原子力損害の賠償に関する法律の改正等の抜本的な見直しをはじめとする必要な措置(附則第六条第一項)、及び、本法の施行状況を踏まえ講ずるものとされる必要な措置(附則第六条第二項)に係る検討条項に関し、制定時の附帯決議の趣旨に鑑み、早急に結論を得るよう更に検討を進めること。

二福島第一原発事故発生後三年を経て、なお完了まで時間を要するとされる東京電力による被災者への損害賠償に関し、本年一月に認定された新・総合特別事業計画に従い、損害賠償の確実かつ迅速な実施を可能とするための万全の支援措置を講ずること。

三平成二十五年十月の会計検査院報告を踏まえ、私募債を利用する東京電力の資金調達形態に関しては、利害関係者の責任の明確化の観点から、新・総合特別事業計画で示された方針に沿って、可能な限り早期にこの形態によらないこととするよう指導・監督すること。また、将来、同事業計画に基づいて機構が東京電力株式の売却等によりその議決権の段階的な低減を実施していくに当たっては、東京電力による福島第一原発の廃炉作業の実施状況やそのための体制整備の在り方に関し、機構の運営委員会及び廃炉等技術委員会による適切かつ十分な検証・評価を踏まえて進めるものとすること。

四機構による廃炉関係業務の実施に関し、学術的・技術的信頼性のみならず社会的な信頼性も確保されるよう、廃炉等技術委員会には、委員への登用の検討を含め、国内の原子力関連業界等から独立性を保ち、かつ優れた実績を有する海外の研究者・技術者の積極的な参画を図ること。一方、機構に設置される予定の廃炉部門の人員の採用に当たっては、国内の叡智を結集する観点から、広く政府系研究機関や原子力事業者、原発機器メーカー等の関連する専門人材を招聘し、我が国における廃炉に係る人材・技術の集約を図ること。

五機構の業務に「廃炉等に関する情報の提供」が追加されることに伴い、機構は、廃炉関係業務の実施を通じて集積される技術及び知見が内外の原子炉の廃炉に際して積極的に活用されるための体制を整備すること。また、損害賠償支援業務に係るものも含め、その業務に関し内外に対してこれまで以上に適時適切な情報の公開を進めること。

六福島第一原発において現在に至るまで汚染水の漏洩が相次ぎ、収束の兆しが見られない状況について、政府は、早急かつ確実に汚染水を封じ込む環境が達成できるよう、東京電力に対して厳しく指導監督を行うとともに、国費を投じて実施する遮水壁の構築等の施策を迅速かつ確実に行うこと。

七政府及び機構は、東京電力が自らの責任において福島第一原発の廃炉作業を確実に実施することができるよう、報告徴収権限等の行使を通じて作業の進捗状況及び作業員の作業環境に関する適時適切な状況把握に努めるとともに、高線量下の作業であるという特殊な労働環境を踏まえ、関係省庁と機構との十分な連携・協力により、現地労働基準監督署の職員の増員等、現場作業員の労働環境及び就労条件の改善が達成されるための監督体制の拡充強化を図ること。

参議院 経済産業委員会平成26年5月13日

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一原子力損害賠償支援機構法制定時に国会修正によって追加された、原子力損害の賠償に関する法律の改正等の抜本的な見直しをはじめとする必要な措置(附則第六条第一項)、及び、本法の施行状況を踏まえ講ずるものとされる必要な措置(附則第六条第二項)に係る検討条項に関し、制定時の附帯決議の趣旨に鑑み、早急に結論を得るよう更に検討を進めること。

二福島第一原発事故発生後三年を経て、なお完了まで時間を要するとされる東京電力による被災者への損害賠償に関し、本年一月に認定された新・総合特別事業計画に従い、損害賠償の迅速かつ適切な実施を可能とするための万全の支援を行うこと。

三機構が新・総合特別事業計画に基づいて東京電力株式の売却等によりその議決権の段階的な低減を実施していくに当たっては、東京電力による福島第一原発の廃炉作業の実施状況やそのための体制整備の在り方に関し、機構の運営委員会及び廃炉等技術委員会による適切かつ十分な検証・評価を踏まえて進めるものとすること。

四今後長期にわたる事故炉の廃止措置を着実に進めるため、原子力技術を支える新たな研究者や技術者の育成を図るとともに、現場作業を通じて技術の伝承を図るなど熟練した作業員の確保に努めること。また、国内外の英知を結集して過酷な環境下における廃炉作業を円滑に行うための技術の開発に努めること。

五機構の業務に「廃炉等に関する情報の提供」が追加されることに伴い、廃炉関係業務の実施を通じて集積される技術及び知見が内外の原子炉の廃炉に際して積極的に活用されるための機構の体制整備を図ること。また、損害賠償支援業務に係るものも含め、機構の業務に関し内外に対してこれまで以上に適時適切な情報の公開を進めること。

六福島第一原発において現在に至るまで汚染水の漏洩が相次ぎ、収束の兆しが見られない状況を踏まえ、早急かつ確実に汚染水を封じ込める環境が達成できるよう、東京電力に対して厳しく指導・監督を行うとともに、国費を投じて実施する遮水壁の構築等の施策を迅速かつ確実に行うこと。

七福島第一原発の廃炉作業については、高線量下で行われるという特殊な労働環境であることに鑑み、関係省庁と機構との十分な連携・協力により、現場作業員の労働環境及び就労条件の改善が達成されるための監督体制の拡充強化を図ること。

八機構が行う研究開発は、基本的に研究開発の企画を想定し、国際廃炉研究開発機構や日本原子力研究開発機構などとの適切な役割分担を行い、原子力事業者が納付する一般負担金の過度な増大を招くことのないよう留意すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118601037)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。