著作権法の一部を改正する法律案
参議院 文教科学委員会
平成26年法律第35号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部科学委員会
- H26.3.28趣旨説明文部科学委員会 86
- H26.4.2質疑・参考人招致・参考人質疑文部科学委員会 9209
- H26.4.4質疑・採決・附帯決議文部科学委員会 10162
- H26.4.8委員長報告・採決本会議 1530
参議院文教科学委員会
- H26.4.17趣旨説明文教科学委員会 1010
- H26.4.22参考人招致・参考人質疑文教科学委員会 11104
- H26.4.24質疑・採決・附帯決議文教科学委員会 12114
- H26.4.25委員長報告・採決本会議 2012
提案理由
下村博文 文部科学大臣 平成26年3月28日このたび政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国の著作権制度については、これまでも逐次整備を進めてまいりましたが、文化芸術立国、知的財産立国の実現に向け、一層の充実が必要となっているとともに、著作権法制における国際的な協調の必要性が高まっているところであります。
この法律案は、インターネットその他の新たな情報伝達手段の発達に伴い、電子書籍が増加する一方、インターネット上での違法流通が広がっていることに対応し、紙媒体による出版文化の継承、発展と健全な電子書籍市場の形成を図り、我が国の多様で豊かな出版文化のさらなる進展に寄与することを目的として、電子書籍に対応した出版権の整備を行うものであります。
また、この法律案は、俳優や舞踊家等が行う視聴覚的実演に関する国際的な保護制度の改善を図るため、世界知的所有権機関において平成二十四年六月に採択された視聴覚的実演に関する北京条約の締結のため必要な措置を講じるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、出版者がいわゆる電子出版について著作権者から出版権の設定を受け、インターネットを用いた無断送信等を差しとめることができるよう、紙媒体による出版のみを対象としている現行出版権制度を見直し、電子書籍をインターネット送信すること等を引き受ける出版者に対して、出版権を設定できることとしております。あわせて、このような出版権を設定した場合の出版権の内容、出版の義務、出版権の消滅の請求等について規定を整備するものであります。
第二に、著作権法による保護を受ける実演に、視聴覚的実演に関する北京条約の締約国の国民が行う実演を加えることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第186回国会衆議院文部科学委員会議録第8号1頁(平成26年3月28日)〔下村博文文部科学大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一我が国の「知の再生産」や「日本文化の創造と伝搬」に貢献してきた日本の多様で豊かな出版・活字文化を、グローバル化やデジタル化が進展する新しい時代においても一層発展させ、著作者の権利を保護しつつ、多様な著作物を多様な出版形態でより多くの国内外の利用者に届けていくことが重要であることに鑑み、真に実効性ある海賊版対策の実施など、本法により拡充された出版権制度の更なる利用促進に向けて必要な対策を講ずること。
二我が国が世界に誇る出版・活字文化は、著作者と出版を引き受ける者との間の信頼関係に基づく企画から編集、制作、宣伝、販売という一連のプロセスからなる出版事業がその基盤にあることを踏まえ、本法によって設定可能となる電子出版に係る出版権の下でも従前の出版事業が尊重されるよう、その具体的な契約及び運用の在り方を示して関係者に周知するとともに、その実務上の効果について一定期間後に具体的な検証を行い、必要に応じた見直しを検討すること。
三電子出版の流通の促進を図るためには、契約当事者間で適切な出版権設定を行いつつ、関係者の協力によって有効な海賊版対策を行うことが必要不可欠であることから、これまで出版権設定が進んでこなかった雑誌等、複数の著作物によって構成される著作物などについても出版権設定が可能であることについて周知に努めるとともに、具体的な契約モデルの構築について関係者に対する支援を行うこと。また、物権的に細分化された出版権が設定された場合に、当該出版権が及ばない形態の海賊版が流通した場合には効果的な海賊版対策を行うことができないため、効果的な海賊版対策を講ずる観点から適切な出版権が設定されるよう推奨すること。
四効果的な海賊版対策を講ずる観点からは、著作者が契約締結時において電子書籍を出版する意志や計画がない場合であっても、紙媒体の出版と電子出版等を合わせて一体的な出版権の設定がなされることが推奨されるが、その後、電子書籍の出版を希望するに至った場合において、著作者の意図に反して出版が行われず放置されるといったいわゆる塩漬け問題が生ずることのないよう、適切な対策を講ずること。
五電子的な海賊版については、ひとたびインターネット等で公衆送信が行われればもはや完全に差し止めることは困難であり、甚大な被害が生じてしまうことから、電子出版に係る出版権しか持たない出版者においても、違法配信目的で複製がなされた場合には、第百十二条第一項の「出版権を侵害するおそれがある場合」としてその段階で差止請求を行うことができることを出版者に対し周知すること。
六出版権者及び著作権者による海賊版対策の取組の状況を踏まえ、紙媒体の出版についてのみ出版権の設定を受けている出版権者であっても、インターネット上の海賊版又はDVD等の記録媒体等による海賊版に対し差止請求を行うことができる契約慣行の改善や「みなし侵害規定」等の制度的対応など効果的な海賊版対策について検討すること。
七海賊版については、日本国外での被害が圧倒的多数であることから、その対策強化を図るための国際的な連携・協力の強化など、海外での不正流通取締対策に積極的に取り組むとともに、出版物の正規版の海外流通の促進に向けて官民挙げた取組を推進すること。
八本法によって、多様な形態の出版権設定が行われる可能性があることから、著作物における出版権設定の詳細を明らかにするため、将来的な利活用の促進も視野に入れつつ、出版権の登録・管理制度等を早急に整備するため、具体的な検討に着手すること。また、当事者間の契約上の紛争予防及び紛争が発生した際の円満な解決の促進を目指し、出版契約における裁判外紛争解決手段(ADR)を創設すべく、必要な措置を講ずること。
九教科用拡大図書や副教材の拡大写本を始め、弱視者のための録音図書等の作成においてボランティアが果たしてきた役割の重要性に鑑み、障害者のための著作物利用の促進と円滑化に向け、著作権法の適切な見直しを検討すること。特に、障害者の情報アクセス権を保障し、情報格差を是正していく観点から、障害者権利条約をはじめとする国際条約や関係団体等の意見を十分に考慮しつつ、障害の種類にかかわらず全ての障害者がそれぞれの障害に応じた形態の出版物を容易に入手できるよう、第三十七条第三項の改正に向け、速やかに結論を得ること。
十視聴覚的実演に関する北京条約や関係団体等の意見を十分に考慮しつつ、俳優、舞踊家などの視聴覚的実演家の権利に関し、契約及び運用の在り方や法制上の在り方も含め検討を行うこと。
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一我が国の「知の再生産」や「日本文化の創造と伝搬」に貢献してきた日本の多様で豊かな出版・活字文化を、グローバル化やデジタル化が進展する新しい時代においても一層発展させ、著作者の権利を保護しつつ、多様な著作物を多様な出版形態でより多くの国内外の利用者に届けていくことが重要であることに鑑み、真に実効性ある海賊版対策の実施など、本法により拡充された出版権制度の更なる利用促進に向けて必要な対策を講ずること。
二我が国が世界に誇る出版・活字文化は、著作者と出版を引き受ける者との間の信頼関係に基づく企画から編集、制作、宣伝、販売という一連のプロセスからなる出版事業がその基盤にあることを踏まえ、本法によって設定可能となる電子出版に係る出版権の下でも従前の出版事業が尊重されるよう、その具体的な契約及び運用の在り方を示して関係者に周知するとともに、その実務上の効果について一定期間後に具体的な検証を行い、必要に応じた見直しを検討すること。
三電子出版の流通の促進を図るためには、契約当事者間で適切な出版権設定を行いつつ、関係者の協力によって有効な海賊版対策を行うことが必要不可欠であることから、これまで出版権設定が進んでこなかった雑誌等、複数の著作物によって構成される著作物などについても出版権設定が可能であることについて周知に努めるとともに、具体的な契約モデルの構築について関係者に対する支援を行うこと。また、物権的に細分化された出版権が設定された場合に、当該出版権が及ばない形態の海賊版が流通した場合には効果的な海賊版対策を行うことができないため、効果的な海賊版対策を講ずる観点から適切な出版権が設定されるよう推奨すること。
四効果的な海賊版対策を講ずる観点から、著作者が契約締結時において電子書籍を出版する意思や計画がない場合であっても、紙媒体の出版と電子出版等を合わせて一体的な出版権の設定がなされることが想定されるが、その後、電子書籍の出版を希望するに至った場合において、著作者の意図に反して出版が行われず放置されるといったいわゆる塩漬け問題が生ずることのないよう、適切な対策を講ずること。
五電子的な海賊版については、一たびインターネット等で公衆送信が行われればもはや完全に差し止めることは困難であり、甚大な被害が生じてしまうことから、電子出版に係る出版権しか持たない出版者においても、違法配信目的で複製がなされた場合には、第百十二条第一項の「出版権を侵害するおそれがある場合」としてその段階で差止請求を行うことができることを出版者に対し周知すること。
六出版権者及び著作権者による海賊版対策の取組の状況を踏まえ、紙媒体の出版についてのみ出版権の設定を受けている出版権者であっても、インターネット上の海賊版又はDVD等の記録媒体等による海賊版に対し差止請求を行うことができる契約慣行の改善や「みなし侵害規定」等の制度的対応など効果的な海賊版対策について検討すること。
七海賊版については、日本国外での被害が圧倒的多数であることから、その対策強化を図るための国際的な連携・協力の強化など、海外での不正流通取締対策に積極的に取り組むとともに、出版物の正規版の海外流通の促進に向けて官民挙げた取組を推進すること。
八本法によって、多様な形態の出版権設定が行われる可能性があることから、著作物における出版権設定の詳細を明らかにするため、将来的な利活用の促進も視野に入れつつ、出版権の登録・管理制度等を早急に整備するため、具体的な検討に着手すること。また、当事者間の契約上の紛争予防及び紛争が発生した際の円満な解決の促進を目指し、出版契約における裁判外紛争解決手段(ADR)を創設すべく、必要な措置を講ずること。
九ナショナルアーカイブが、図書を始めとする我が国の貴重な文化関係資料を次世代に継承し、その活用を図る上で重要な役割を果たすものであることに鑑み、その構築に向けて、国立国会図書館を始めとする関係機関と連携・協力しつつ、著作権制度上の課題等について調査・研究を行うなど取組を推進すること。
十教科用拡大図書や副教材の拡大写本を始め、弱視者のための録音図書等の作成においてボランティアが果たしてきた役割の重要性に鑑み、障害者のための著作物利用の促進と円滑化に向け、著作権法の適切な見直しを検討すること。特に、障害者の情報アクセス権を保障し、情報格差を是正していく観点から、障害者権利条約を始めとする国際条約や関係団体等の意見を十分に考慮しつつ、障害の種類にかかわらず全ての障害者がそれぞれの障害に応じた形態の出版物を容易に入手できるよう、第三十七条第三項の改正に向け、速やかに結論を得ること。
十一視聴覚的実演に関する北京条約や関係団体等の意見を十分に考慮しつつ、俳優、舞踊家などの視聴覚的実演家の権利に関し、契約及び運用の在り方や法制上の在り方も含め検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118601073)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。