瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案
衆議院 環境委員会
平成27年法律第78号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H27.9.11趣旨説明・質疑・採決・附帯決議環境委員会 1260
- H27.9.25委員長報告・採決本会議 4817
提案理由
末松信介 議員(発議者) 平成27年8月25日(末松信介君) 失礼いたします。
ここに並んでおります発議者の皆さんはもちろんのこと、大勢の先生方のお力添えをいただきました。恐縮ですけれども、今日は代表して説明をさせていただきます。
それでは、ただいま議題となりました瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
瀬戸内海は、古くから優れた自然景勝地であるとともに貴重な漁業資源の宝庫であるという恵まれた自然条件を有しております。しかし、その周辺に産業や人口が集中した昭和四十年代において、水質の汚濁が急速に進行したことなどを背景に、水質保全対策等を強力に推進することが要請されました。このため、昭和四十八年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定され、さらに、昭和五十三年には赤潮等による被害に対する富栄養化対策を含む新たな施策が加えられた恒久法として瀬戸内海環境保全特別措置法に改正され、総合的に施策が進められてきました。
こうした取組の結果、瀬戸内海の水質は総じて改善されるなど一定の成果を上げてきたものの、依然として、赤潮や貧酸素水塊等の発生、漁業生産量の低迷、藻場や干潟の減少などの課題が残っております。また、湾、灘ごと、季節ごとに応じたきめ細やかな水質管理の必要性も指摘されております。さらに、近年、漂流ごみや海底ごみの増加によって様々な悪影響が生じております。
本法律案では、このような瀬戸内海の現状に鑑み、瀬戸内海を豊かな海とするため、その環境の保全上有効な施策を一層推進しようとするものであります。
次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。
第一に、瀬戸内海の環境の保全に関する基本理念を新設し、瀬戸内海の環境保全は、瀬戸内海を、人の活動が自然に対し適切に作用することを通じてその有する多面的価値及び機能が最大限に発揮された豊かな海とすることを旨とすること、また、その施策は、規制の措置のみならず瀬戸内海を豊かな海とするための取組の推進と併せて講ずること、並びに湾、灘その他の海域の実情に応じて行うこととしております。
第二に、政府は、基本理念にのっとり、沿岸域の環境の保全、再生及び創出、水質の保全及び管理、自然景観及び文化的景観の保全、水産資源の持続的な利用の確保等に関する瀬戸内海環境保全基本計画を策定するとともに、おおむね五年ごとに基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、変更しなければならないものとしております。
第三に、関係府県知事は、瀬戸内海環境保全府県計画を定めようとするときは、関係のある瀬戸内海の湾、灘等の海域の実情に応じたものとすべく、当該海域を単位として関係者により構成される協議会の意見を聴き、そしてその他広く住民の意見を求める等、必要な措置を講ずるものとしております。
第四に、国は、地方公共団体による基本計画及び府県計画の達成に必要な措置が円滑かつ着実に実施されるよう、地方公共団体に対し、必要な援助を行うよう努めるものとしております。
第五に、具体的施策の追加として、漂流ごみ、海底ごみの除去、生物の多様性、生産性の確保に支障を及ぼすおそれのある動植物の駆除、水産動植物の繁殖地の保護、整備等の施策の追加、貧酸素水塊の発生機構の解明等の施策の追加、自然海浜保全地区の指定に係る干潟の明記、環境大臣による環境状況の定期的な調査とその結果の反映の法定化等についての規定を整備しております。
以上のほか、附則において、政府は、瀬戸内海における栄養塩類の減少、偏在等の実態の調査、それが水産資源に与える影響に関する研究その他の瀬戸内海における栄養塩類の適切な管理に関する調査及び研究に努め、その結果を踏まえ、法施行後五年を目途として、瀬戸内海における栄養塩類の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
このほか、法施行後五年以内を目途として、新法の施行の状況を勘案し、特定施設の設置の規制の在り方を含め、新法の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
以上が、この法律案の趣旨及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。
第189回国会参議院環境委員会会議録第12号1頁(平成27年8月25日)〔末松信介議員発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一改正後の本法第四条の二第二項の規定に基づき地方公共団体に対して行う財政的措置を伴う援助については、法の趣旨を十分に踏まえ、その必要性、効率性、有効性等を事前に十分精査した上で行うこと。
二瀬戸内海における水質、底質、生態系及び水産資源の状況についてのこれまでの推移と現状を総括し、その要因に関する共通理解を得るための調査研究を進めるとともに、基本理念に掲げられた生物多様性の確保等を適切に行うために必要な施策についての調査研究及びその結果に基づいた具体的施策を推進すること。
三瀬戸内海の埋立て後長期間にわたって利用されていない未利用地について、現状把握のための調査を速やかに実施するとともに、埋立てを厳に抑制すべきものとした従来の方針に鑑み、未利用地や既存施設の活用が新たな埋立てに優先して行われることとなるよう、地方公共団体に対し情報提供等必要な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118903022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。