福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案
参議院 東日本大震災復興特別委員会
平成29年法律第32号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院東日本大震災復興特別委員会
- H29.4.4趣旨説明東日本大震災復興特別委員会 46
- H29.4.4趣旨説明・質疑本会議 1645
- H29.4.6質疑東日本大震災復興特別委員会 5207
- H29.4.11質疑・討論・採決・附帯決議東日本大震災復興特別委員会 6181
- H29.4.14委員長報告・採決本会議 1937
参議院東日本大震災復興特別委員会
- H29.4.19趣旨説明・質疑本会議 1844
- H29.4.21趣旨説明・質疑東日本大震災復興特別委員会 5200
- H29.5.10質疑・討論・採決・附帯決議東日本大震災復興特別委員会 8138
- H29.5.12委員長報告・採決本会議 2234
提案理由
今村雅弘 復興大臣 平成29年4月4日福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、平成二十九年度予算や税制改正大綱に盛り込まれた措置の実施に必要な法律上の手当てを含め、福島の復興及び再生を一層推進するため、提出するものであります。
次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、帰還困難区域をその区域に含む市町村長は、福島県知事と協議の上、特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることができることとしております。
また、その認定を受けたときは、土地改良事業等の国による事業代行や被災事業者の事業再開に必要な設備投資に係る課税の特例等を活用することができることとしております。
さらに、認定された計画に従って、環境大臣が、土壌の除染の措置や廃棄物の処理等を国の負担により行うことができることとしております。
第二に、公益社団法人福島相双復興推進機構の要請に応じ、国の職員を、その身分を保有したまま当該機構に派遣し、その業務に従事させることができることとしております。また、派遣に必要な国家公務員共済組合法の特例等について定めております。
第三に、福島イノベーション・コースト構想に係る取り組みを推進する区域及びその区域において推進しようとする取り組みの内容を重点推進計画の記載事項に追加し、当該重点推進計画が内閣総理大臣の認定を受けたときは、中小企業者が行う研究開発に係る特許料等の減免等の特例措置を講ずるものとしております。
第四に、風評被害の払拭等に向け、福島で生産された商品の販売等の不振の実態を明らかにするための調査や当該調査に基づく指導、助言等の措置を講ずるものとしております。
その他所要の改正を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
福島の復興及び再生は喫緊の課題であり、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
第193回国会衆議院東日本大震災復興特別委員会議録第4号1頁(平成29年4月4日)〔今村雅弘復興大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。
一政府は、帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意を表明した以上、その実現に向けては、被災自治体の意向を十分に尊重するとともに、除染を含む特定復興再生拠点区域の整備を国の負担の下で行うことについて、広く国民の理解を得るための、より丁寧な説明を継続して行うこと。
二特定復興再生拠点区域の認定に当たっては、拠点区域の柔軟な設定を認めるなど、市町村の実態を踏まえた運用を図った上で、拠点整備の前提となる除染及び廃棄物の処理等を国が責任を持って対応すること。また、拠点整備を迅速に進めるため、計画策定段階から市町村を支援し、国による事業代行制度の活用を十分図るとともに、より多くの事業者が課税の特例等の適用を受けられるよう配慮すること。
三避難指示解除は復興の出発点であり、JR常磐線早期全線復旧やインターチェンジ新設を含む常磐自動車道四車線化の早期実現等のインフラ整備、地域医療・介護・福祉等の人材確保、魅力ある教育環境など、帰還する住民に不可欠となる生活環境の整備を加速化するとともに、避難指示解除後に生じる新たな課題にも迅速かつ確実に対応すること。また、被災十二市町村における地域公共交通を確保して児童生徒も含めた住民の円滑な帰還につなげるため、交通事業者の安定的な事業運営が可能となるよう配慮すること。さらに、福島の復興再生の前提である、中間貯蔵施設及び特定廃棄物の埋立処分事業について、国が責任を持って着実に実施すること。
四被災十二市町村の事業・生業の再建及び営農再開への支援については、法定化される公益社団法人福島相双復興推進機構を通じて福島県や市町村等と連携しながら一層強化すること。また、被災十二市町村の官民一体となった復興まちづくりを推進するため、帰還環境整備推進法人制度を積極的に活用して、市町村に寄り添った支援を行うこと。
五浜通り地域の再生のための「福島イノベーション・コースト構想」の具体化に当たっては、政府全体での一層の連携強化を図るとともに、国・県及び産学官の連携推進、地元企業の参画促進、国内外の専門家の受入れ並びに人材育成などの各種取組等を進めるとともに、国内外の産業界、学術機関等への周知や協力要請、財政上の措置を含め総合的な支援措置を講ずること。
六根強く残る福島県産農林水産物の風評被害払拭のため、国が行う流通実態調査について、福島県や地元関係団体等と緊密に連携して取り組み、その結果を踏まえた効果的な措置を講ずるほか、生産から流通、消費に至るまでの総合的な対策を確実に実施すること。また、東日本大震災から六年が経過し、未曾有の複合災害に見舞われた福島の記憶を風化させないための必要な施策を継続的に講ずること。
七震災から六年たった今、改めて放射線リスクについての正確で分かりやすい情報発信と理解の促進が重要となっており、これまでの取組を総点検しつつ、風評被害の払拭やいじめ防止などにも資するリスクコミュニケーション対策を抜本強化すること。
八福島の子どもへのいじめの実態を調査し、その調査結果に基づいて、いじめ防止のための必要な対策を速やかに講ずるとともに、全国的な放射線教育を適切に実施すること等により、子どものみならず原発事故避難者全てに対する偏見や差別の払拭を徹底すること。
九福島復興再生基本方針を変更するに当たっては、地元の意見を丁寧に聴き、これに寄り添った対応をとること。
十原子力災害が長期に及ぶことを踏まえ、今後生じる様々な課題の解決に必要な施策を講ずるため、長期かつ十分な予算を確保すること。また、今なお約八万人が避難している福島の状況を踏まえ、被災三県の心のケアセンター間の連携強化等を図るとともに、専門的な心のケアの充実強化に努めること。
十一被災自治体ではマンパワー不足が常態化している中で、避難指示解除後の本格復興の推進に当たり業務量が更に増えることから、被災自治体の人的資源確保への支援措置を強化すること。
十二住民の長期避難によりイノシシなどの野生鳥獣被害が更に深刻化していることから、現状に即した鳥獣被害対策をより一層確実に実施すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一政府は、帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任を持って取り組むとの決意を表明した以上、年間積算線量二十ミリシーベルト以下を達成した上での帰還困難区域の全ての避難指示解除の実現に向けては、被災自治体の意向を十分に尊重するとともに、特定復興再生拠点区域以外の帰還困難区域における除染費用の負担の在り方について、国民的な議論によって検討を行うこと。
二除染を含む特定復興再生拠点区域の整備を国の負担の下で行うことについて、広く国民の理解を得るための、より丁寧な説明を継続して行うこと。
三特定復興再生拠点区域の認定に当たっては、拠点区域の柔軟な設定を認めるなど、市町村の実態を踏まえた運用を図った上で、拠点整備の前提となる除染及び廃棄物の処理等を国が責任を持って対応すること。また、拠点整備を迅速に進めるため、計画策定段階から市町村を支援し、国による事業代行制度の活用を十分図るとともに、より多くの事業者が課税の特例等の適用を受けられるよう配慮すること。
四特定復興再生拠点区域等の除染等において、除去土壌等を飛散させるなどの不適正な作業が行われることがないよう、監視・監督の強化を図ること。また、除染等の措置に係る業務の発注に当たっては、反社会的勢力の介入や談合などの不適切な入札等が行われないよう必要な対策を講ずること。
五避難指示解除は復興の出発点であるとの認識の下、JR常磐線早期全線復旧やインターチェンジ新設を含む常磐自動車道四車線化の早期実現等のインフラ整備、地域医療・介護・福祉等の人材確保、魅力ある教育環境など、帰還する住民に不可欠となる生活環境の整備を加速化するとともに、避難指示解除後に生じる新たな課題にも迅速かつ確実に対応すること。また、原子力被災十二市町村における地域公共交通を確保して児童生徒も含めた住民の円滑な帰還につなげるため、交通事業者の安定的な事業運営が可能となるよう配慮すること。さらに、福島の復興再生の前提である、中間貯蔵施設及び特定廃棄物の埋立処分事業について、国が責任を持って着実に実施すること。
六原子力被災十二市町村の事業・生業の再建及び営農再開への支援については、法定化される公益社団法人福島相双復興推進機構を通じて福島県や市町村等と連携しながら一層強化すること。また、原子力被災十二市町村の官民一体となった復興まちづくりを推進するため、帰還環境整備推進法人制度の積極的な活用を促すなど、市町村に寄り添った支援を行うこと。
七浜通り地域の再生のための「福島イノベーション・コースト構想」の具体化に当たっては、政府全体での一層の連携強化を図るとともに、国・県及び産学官の連携推進、地元企業の参画促進、国内外の専門家の受入れ並びに人材育成などの各種取組等を進めるとともに、国内外の産業界、学術機関等への周知や協力要請、財政上の措置を含め総合的な支援措置を講ずること。
八根強く残る福島県産農林水産物の風評被害払拭のため、国が行う流通実態調査について、福島県や地元関係団体等と緊密に連携して取り組み、その結果を踏まえた効果的な措置を講ずるほか、生産から流通、消費に至るまでの総合的な対策を確実に実施すること。また、東日本大震災から六年が経過し、未曽有の複合災害に見舞われた福島の記憶を風化させないための必要な施策を継続的に講ずること。
九震災から六年たった今、改めて放射線リスクについての正確で分かりやすい情報発信と理解の促進が重要となっており、これまでの取組を総点検しつつ、風評被害の払拭やいじめ防止などにも資するリスクコミュニケーション対策を抜本強化すること。
十福島の児童生徒に対するいじめの実態を調査し、その調査結果に基づいて、いじめ防止のための必要な対策を速やかに講ずるとともに、全国的な放射線教育を適切に実施すること等により、児童生徒のみならず原発事故避難者全てに対する偏見や差別の払拭を徹底すること。
十一「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」第一条及び文部科学省作成の放射線副読本において示されているとおり、放射線が人の健康に及ぼす悪影響について科学的に十分に解明されていないことを踏まえ、前項の実施並びに各国の最新の研究結果の把握及び県民健康調査など福島での健康影響に関する調査を継続的に行うこと。
十二福島復興再生基本方針を変更するに当たっては、地元の意見を丁寧に聴き、これに寄り添った対応をとること。
十三原子力災害が長期に及ぶことを踏まえ、今後生じる様々な課題の解決に必要な施策を講ずるため、長期かつ十分な予算を確保すること。また、今なお約八万人が避難している福島の状況を踏まえ、被災三県の心のケアセンター間における連携強化等を図るとともに、専門的な心のケアの充実強化に努めること。
十四避難指示区域外から避難をしているいわゆる自主避難者に対しては、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」第二条第二項において、帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、適切に支援するものでなくてはならないとされていることを踏まえ、今後も住宅の確保に係る支援などを適切に行っていくこと。
十五被災自治体ではマンパワー不足が常態化している中で、避難指示解除後の本格復興の推進に当たり業務量が更に増えることから、被災自治体の人的資源確保への支援措置を強化すること。
十六住民の長期避難によりイノシシなどの野生鳥獣被害が更に深刻化していることから、現状に即した鳥獣被害対策をより一層確実に実施すること。
十七福島県での野球・ソフトボールの開催を始めとして、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会における取組を通じて、被災地の復興の更なる加速化を図ること。
十八復興・創生期間における復興施策の推進及び支援については、参議院からの要請に基づき、会計検査院が実施した、東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果を踏まえ、経済性及び効率性にも十分に配慮した上で、適切に取り組むこと。また、復興庁が設置期限を迎える平成三十二年度末以降においても、復興に係る適切な予算の確保や施策の実施が担保されるよう、支援体制の在り方について十分検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119301019)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。